フィーダーから餌を食べる鶏

CP Foods 社:サステナビリティのイノベーションを通じて「世界のキッチン」を育む

SAP のお客様 CP Foods 社のロゴ

2050 年までにネットゼロを達成するための種子をまく

CP Foods 社は、同社の「2050 年までにネットゼロ」のコミットメントと「サステナビリティを通じた世界のキッチン」のビジョンに沿って、戦略的インサイトの生成、コンプライアンスの実現、トレーサビリティの強化のために、SAP Sustainability の複数のソリューションを導入しました。現在、同社はアグロインダストリーと食品の分野に新たなベンチマークを設定しています。

業種地域企業規模パートナー
アグリビジネスと食品・消費財タイ、バンコク従業員数 13 万人YASH Technologies 社
世界初

スコープ 1、2、3 の排出量を報告するために SAP Sustainability ソリューションをエンドツーエンドアーキテクチャーとして世界で初めて使用したアグリビジネス企業

30 以上

3 カ月以内にコーディネートされた設計ブループリントワークショップの数

1

企業レベルのスコープ 1、2、3 の排出量に関する、正確で監査可能な記録システムの数

気候変動の唯一の解決策はネットゼロです。SAP Sustainability ソリューションは、手作業による平均に頼るのではなく、実際の排出量に関するリアルタイムのインサイトを自動的に取得して提示します。これにより、当社は事業運営と地球のために、情報に基づいて、持続可能なビジネス上の意思決定を迅速に行うことができます。
プラシット・ブーンダウングプラサート (Prasit Boondoungprasert) 氏
Charoen Pokphand Foods Public Company Limited、最高経営責任者

エコイノベーションによる持続可能な成長の未来を味わう

小さな種屋を開くという 2 人の兄弟のアイデアによって始まった店は、それ以来根を張って世界的な企業に成長しました。現在、Charoen Pokphand Foods Public Company Limited(通称 CP Foods)は、17 カ国でビジネスを運営するタイのアグロインダストリー・食品の複合企業体であり、50 カ国に輸出し、5 大陸の 40 億人を超える消費者にリーチしています。Charoen Pokphand は「顧客の繁栄」と「食品の繁栄」を意味しますが、この名に違わず、同社は消費者のためになる食品と資源を提供するという約束の元でビジネスを築いてきました。

 

CP Foods 社のビジネスは、飼料、農場、食品の 3 つの主要カテゴリーが中心です。同社は、バリューチェーン全体で持続可能な食のセキュリティとトレーサビリティを推進しています。原材料の調達や飼料生産から、畜産業、食品生産に至るまで、高品質で安全で環境にやさしい食品を消費者に提供することが同社の目標です。食品に関する取り組みのあらゆるタッチポイントでサステナビリティを推進している CP Foods 社は、気候変動の対策と温室効果ガス (GHG) 排出量の削減にも尽力しています。

 

2030 年までにスコープ 1 と 2 の排出量の 42%、スコープ 3 排出量の 30.3% を削減するというネットゼロの目標を達成するには、GHG データを合理化し、規制遵守を可能にするソリューションを導入する必要がありました。また、同社は組織全体で、正確で、監査可能で、整合性のある環境、社会、ガバナンス (ESG) レポートのシステムを構築することも検討しました。この世界的な巨大企業をサポートする統合基盤を確立するには、複数の相互運用可能なソリューションで構成されるデジタルトランスフォーメーションが必要でした。

当社は「サステノベーション」の推進に取り組んでいます。「サステノベーション」とは、バランスの取れた経済、社会、環境の成長を促進するイノベーションのことです。サステナビリティに関するデータとビジネスデータを統合することで、検証可能な ESG 指標を作成し、グローバルオペレーション全体でコンプライアンス要件を満たすことができます。
プラシット・ブーンダウングプラサート (Prasit Boondoungprasert) 氏
Charoen Pokphand Foods Public Company Limited、最高経営責任者

SAP のソリューションを活用して「サステノベーション」を推進

CP Foods 社のデジタル化プロジェクトのフェーズ 1 では、タイの飼料事業部門に焦点を当てています。この事業部門は、家畜の飼育、農業など、同社の他の部門と統合されており、その飼料サプライチェーンは農業の運営と食品生産を結び付けるバックボーンです。このプロジェクトの目標は、原材料のソースから農家、飼料事業に至るまで、データの品質、収集、アクセシビリティ、エンドツーエンドのトレーサビリティを強化することでした。

 

導入チームは、CP Foods 社のバリューチェーン、上流の輸送、流通プロセスの全体にわたってスコープ 3 の排出量を計算することに集中しました。その目標は、効率を高め、責任あるソーシングをサポートし、同社の「サステノベーション」のビジョンに合致する、データに基づくインサイトにアクセスできるようにすることでした。これを実現するため、導入チームは複数のシステムに分散するデータをコントロールするために CP Foods 社の専任の管理チームを参加させ、同社のネットゼロプログラムを担当するビジネス部門と IT 部門のステークホルダーとの間で調整を行いました。

 

プログラムマネージャーやチーフソリューションアーキテクトなど、SAP のエキスパートが CP Foods 社のエグゼクティブチームの主要窓口となり、計画から本稼動開始後までのプロジェクトライフサイクルを主導、管理しました。これには、プロジェクトガバナンスの管理や問題の迅速な解決が含まれていました。また、同社の SAP ソリューションアーキテクチャーが、同社のビジネス要件とユースケース、および SAP の標準を正確に反映するよう設計されていることの確認も含まれていました。

 

導入の各フェーズにおいて、SAP のエキスパートはパートナー企業の YASH Technologies 社とも緊密に連携しました。YASH Technologies 社は、プロジェクトの成功と本稼動のスムーズな開始を達成するために重要な機能や技術のリソースを提供しました。

 

最終的に、CP Foods 社は SAP Sustainability Control Tower  SAP Sustainability Footprint Management のソリューション、および SAP Cloud ERP ソリューションの一部であるSAP S/4HANA Cloud Private Edition, EHS 環境管理ソリューションを導入しました。この多階層ソリューションのアプローチは、ビジネスプロセスに対するサステナビリティベースのインサイトを提供します。また、EU の炭素国境調整メカニズム (CBAM) の関税や米国証券取引委員会 (SEC) の気候関連情報開示など、さまざまな市場の炭素規制の遵守もサポートします。

当社が SAP と提携した理由は、SAP は当社とともに進化し続けるテクノロジーに投資してくれるからです。私たちは、ネクタイやスーツを着用していても、本質的には農家であり、農家は環境に関心を持っています。
トサポーン・ペトポリー (Thossaporn Petporee) 氏
Charoen Pokphand Foods Public Company Limited、デジタルトランスフォーメーション担当シニアバイスプレジデント

あらゆる要素にサステナビリティを組み込んでグリーンなメニューを考案する

SAP Sustainability Control Tower を使用したデータ収集の自動化により、煩雑な手動のプロセスが ERP 中心の一元化されたシステムに変わりました。この変革により、スコープ 1、2、3 の排出量に関する、正確で監査可能な記録システムが確立されました。また、このソリューションでは GHG 指標も提供され、それはサステナビリティのパフォーマンスに直接組み入れられます。CP Foods 社は、現在および将来の規制要件を満たすために、ESG レポート(CBAM レポートなど)を生成できるようになりました。

 

SAP Sustainability Footprint Management は、スコープ 1、2、3 に関する企業レベルの炭素排出量を計算し、CP Foods 社がカーボンフットプリントの透明性を確保できるようにします。この計算には、科学に基づく目標イニシアチブ (SBTi) の標準に準拠した、森林、土地、農業 (FLAG) の排出量と FLAG 以外の排出量も含まれます。同社は、EHS 環境管理向け SAP S/4HANA Cloud の既存のマスターデータとトランザクションデータを活用することで、飼料ビジネスにおける炭素の明確性を実現しました。SAP Sustainability Footprint Management を活用することにより、CP Foods 社は全世界の組織にわたって、ホットスポットを特定し、削減調整を行い、家畜飼料ビジネスでの炭素の影響を判断できるようになりました。また、CP Foods 社のサステナビリティのランドスケープを EHS 環境管理向け SAP S/4HANA Cloud によって強化し、正確で一元化された記録システムを通じて空気、水、廃棄物のプロセスを評価、監視、分析、最適化することで、オペレーションのコンプライアンスと整合性が確保されました。

 

さらに、スコープ 1、2、3 の排出量を収集、計算する機能により、CP Foods 社は非効率なシステムを再生可能エネルギーのソースに置き換えることができ、GHG の排出量、水使用量、産業廃棄物を削減できます。

サステナビリティを糧にして、エコファーストの未来を創る

CP Foods 社は、農場から食卓までの取り組みのすべての段階でサステナビリティを重要な要素にすることに尽力しています。同社は今後も、スマートテクノロジーの活用、再生可能エネルギーの採用、持続可能な慣行の推進、責任ある調達を行って、食のセキュリティ、アクセシビリティ、経済性の確保を支援していきます。

 

SAP Sustainability ソリューションの選択の意思決定は、他のプロセスに拡張できる統合されたスケーラブルな IT プラットフォームのための共通の目標に基づき、同社のサステナビリティ戦略とネットゼロプログラムのリーダーによって主導されています。これには、SAP Green Ledger ソリューションの導入計画も含まれています。この計画では、製品レベルでカーボンフットプリントを計算できるようにし、最終的には品目トレーサビリティを実現することを目指しています。

 

効率的なデータ管理とコンプライアンスから、有意義な変化の推進、将来のリスクの軽減まで、SAP Sustainability ソリューションの総合的な価値を認識する CP Foods 社は、2050 年までに排出量ネットゼロにする取り組みを進める中で新機能を活用することを計画しています。

CP Foods 社に関する他の情報

注目のパートナー

YASH Technologies 社は、お客様のビジネス変革の推進を専門とする、業界をリードするテクノロジーインテグレーターです。YASH 社の顧客中心のアプローチと実績は SAP チームを支援し、CP Foods 社での SAP Sustainability ソリューションと SAP Cloud ERP ソリューションのロールアウトの成功につながりました。

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