Uniper 社:プラントから現場、人事に至るまで、AI を活用してプロセスの自動化を加速
SAP とともに歩む Uniper 社のジャーニー
Uniper 社は、エネルギーの生産から、売買、サービス提供までを一手に担う世界的なエネルギー企業です。デジタル化を推進する取り組みの一環として、変化の激しい困難な環境の中でユーザーエクスペリエンスを改善し、プロセス効率を向上させ、新たなビジネスニーズにうまく対応できるよう、SAP Business Technology Platform (SAP BTP) を活用して業務を合理化しています。
| 業種 | 地域 | 企業規模 |
| 公益事業 | ドイツ、デュッセルドルフ | 従業員数:約 7,500 人 |
リモートワークの申請を処理する際の生産性向上率
人事コンプライアンスと二重課税に関連するリスクの低減率
購買担当者の検索結果の精度向上率
Uniper 社、デジタルイネーブルメントおよび自動化責任者
業務を革新し、効率化してサステナブルな未来をサポートする
Uniper 社は 40 カ国以上で事業を展開する国際的なエネルギー企業で、特にドイツ、英国、スウェーデン、オランダといった主要市場において、ヨーロッパのエネルギー供給の安全保障に重要な貢献をしています。
Uniper 社の事業には、ヨーロッパにおける発電、世界的なエネルギー取引、幅広いガスポートフォリオが含まれています。また、液化天然ガスを含むガスやその他のエネルギー源をグローバル市場向けに調達しており、総容量が 70 億立方メートルを超えるガス貯蔵施設を保有・運営しています。
同社は、2040 年までに完全なカーボンニュートラルを実現することを目指しており、2030 年までに自社の発電力の 80% 以上をゼロカーボンにすることを目標としています。
Uniper 社は、エネルギー効率とサステナビリティに対する取り組みの一環として、デジタル化戦略を行っています。その目指すところは、財務、プラント運営、調達・購買、人事、IT などのさまざまな側面で合理的な新しいプロセスを実現する革新的なクラウド機能により、既存の IT 資産を強化することです。
エンタープライズ IT ランドスケープ全体できわめて多くのシステムとプロセスが稼動しているため、このミッションの要となるのはアクセシビリティと自動化です。また、クラウドファーストのアプローチも重要であり、イノベーション要件リストの上位にはモビリティと新たなビジネスニーズへの対応が位置付けられています。
Uniper 社、デジタルイネーブルメントおよび自動化責任者
AI やその他のインテリジェントテクノロジーで、より多くの業務部門をサポート
Uniper 社は、業務部門 (LoB) 全体でビジネスプロセスを拡張、自動化、革新するために、SAP BTP を選びました。また、SAP Services and Support のプレミアムエンゲージメントポートフォリオサービスの一部として SAP MaxAttention プログラムを利用しました。
SAP BTP の統合インフラストラクチャーにより、SAP ERP アプリケーション、SAP Ariba ソリューション、SAP SuccessFactors ソリューションなどの既存の SAP ビジネスアプリケーションの拡張と統合が可能になります。
この取り組みは、Uniper 社の「#saplab」イニシアチブから始まりました。これは、SAP MaxAttention と Uniper 社 IT 部門の緊密な連携によって、新規の LoB にモバイルアプリを導入する取り組みでした。開発チームは、SAP BTP を SAP Mobile Services や SAP Fiori アプリと組み合わせることで、セキュリティプロトコルやインフラストラクチャーを新たに作成することなく、アプリをある LoB から別の LoB に適応させることができます。モバイルアプリによってプラントの保全、調達、人事、IT 部門の合理化も推進されるため、スタッフは検査レポート、請求書や注文書、人事関連の申請などを外出先で管理できるようになりました。
次に課題となったのはプロセスの自動化であり、AI、ワークフロー、ビジネスルールを活用してミスが発生しやすい手作業のプロセスを置き換えることを目標としました。調達・購買において、Uniper 社は、SAP Fiori 設計システムを使用してサプライヤー評価用アプリを開発しました。また、別のプロジェクトでは権限委任 (DoA) プロセスの合理化に焦点を当て、SAP Build Process Automation ソリューションを使用して Uniper 社の SAP Governance, Risk and Compliance ソリューションでさらに処理を行うための要求を作成できるようにしました。
同社は、次に SAP MaxAttention プログラムやパートナーである NGA Alight のチームが構築した「GeoFlex」アプリなど、まったく新しいビジネスニーズに対応するためのワークフローを作成しました。このアプリは、SAP BTP の SAP SuccessFactors と SAP Build ソリューションの機能を活用することで、従業員が自国以外の場所でも働けるようにし、複雑な二重課税のシナリオやコンプライアンス上の問題を回避できるようにします。
Uniper 社は、このコラボレーションの成功を受けて、SAP Business AI を活用し、さらなるユースケースの自動化を模索し続けました。最初のプロジェクトでは、調達・購買業務のイノベーションに重点が置かれました。これまで、同社の購買依頼プロセスは主に手作業で行われており、購買担当者は購買発注を作成する前に、サプライヤーや契約の確認を行い、適切な品目を見つけるためにカタログを検索しなければなりませんでした。同社が「Perfect Purchase Requisition(理想的な購買依頼)」と呼ぶアプリケーションでは、SAP Build Work Zone と、SAP HANA Cloud ベクトルエンジンを搭載した SAP BTP の生成 AI ハブ機能が利用されました。このツールは、以下の図に示すように、SAP Ariba ソリューションの拡張機能として購買依頼を自動的に検証・修正します。
Uniper 社、人事業務担当
企業全体で、より早く、より簡単で、よりコンプライアンスに準拠した業務を再構築
SAP Fiori アプリは、プラント技術者のモバイル化をさらに進め、保全タスクを合理化するために活用されています。Uniper 社のプラント技術者は、スマートフォンやタブレットからレポートの入力ができるようになり、検査に必要な時間が最大で半分に短縮されました。購買依頼は SAP ERP からフルフィルメントおよび請求書照合のアプリに対してリリースされるため、調達マネージャーはほとんどすべてのデバイスから請求書を確認して承認を完了できるようになり、支払までの時間が 50% 短縮されました。
サプライヤー注文書や請求に関する DoA 申請プロセスは非常に直感的になり、5 つのステップから 1 ステップへと削減されました。これにより、調達・購買申請を処理する時間が 80% 短縮され、エラー率も最大 40% からわずか 5% に削減されました。
人事部門も大きなメリットを感じています。休暇の申請と承認をモバイルアプリでできるようになったことで、すべての人の時間が節約されます。さらに、GeoFlex アプリにより、Uniper 社の人事チームの生産性が向上し、同時にグローバルモビリティに関する申請への対応能力が 70% 向上しました。このアプリにより、コンプライアンス違反や二重課税のリスクが 25% 低減しました。また、今日の競争の激しい労働市場において、より魅力的な企業となることにもつながっています。
Uniper 社は、AI を活用した「Perfect Purchase Requisition(理想的な購買依頼)」アプリケーションを導入することで、これまでの手作業中心だった業務を変革したのです。購買依頼が行われると、AI エージェントが起動し、セマンティック検索を実行して、品目グループやサプライヤーの確認を行い、該当する契約を特定したうえで、購買発注の作成を開始します。これらのアクションはすべて購買部門によって監視されており、ツールによる検索結果の精度が 95% 向上し、購買担当者が正しい品目を探すのにかかる時間が短縮されました。
また、初回検索の成功率も大幅に向上し、購入担当者は 85% の確率で成功しています。これにより、複数回の検索失敗に要する時間と労力が削減されたのです。
これらのプロセス改善や時間の節約効果を考えると、新しいツールのユーザー定着率が現在 95% に達しているのは驚くべきことではなく、調達・購買業務全体の効率化における重要な要素となっています。
Uniper 社、デジタルイネーブルメントおよび自動化責任者
プロセスとビジネスイノベーションのパートナーシップを継続する
Uniper 社は SAP との信頼に基づく長年のパートナーシップを継続し、SAP BTP はこれからもプロセスとビジネスイノベーションをサポートする上で重要な役割を果たすことになります。
SAP Build Process Automation は、技術者でないユーザーでも、IT サポートやコーディングを必要とせずに、ビジネスプロセス、ワークフロー、タスクを自動化することで、より多くの社内人材がデジタル化の取り組みを支援・加速できるよう継続的に利用されています。
また、SAP Integration Suite を活用して、これらすべての新しいアプリケーションを連携させることで、クラウドへの移行を容易にするとともに、既存のオンプレミスシステムを最大限に活用しています。
さらに、同社は「Perfect Purchase Requisition(理想的な購買依頼)」アプリケーションの成功を受けて、現在、SAP BTP の生成 AI ハブ機能を活用した複数の新たなユースケースを検討しています。採用、設備資産管理、チャットボットのプロジェクトは現在開発中です。