一貫したカスタマーエクスペリエンスの提供
ALDO Group が創業時に掲げたビジョンは、顧客に対する敬意、誠実さ、深い理解を柱とし、これまでにないアパレル企業を構築することでした。SAP ソリューションを土台とするコネクテッド e コマースエコシステムが、このビジョンの実現に役立つインサイトとエクスペリエンスを提供しています。
| 業種 | 地域 | 企業規模 |
| 小売業 | カナダ、モントリオール | 従業員数 5,200 人 |
デジタル製品およびエクスペリエンス担当バイスプレジデント、ALDO Group Inc.
消費者の求めるものと、その提供方法を明確化
ALDO Group Inc. は、代表ブランドとして ALDO、Call It Spring、GLOBO を擁し、高品質なフットウェアやハンドバッグ、アクセサリーを提供して、消費者が本当の自分を表現できるようにしています。世界 100 カ国以上に 1,500 を超える店舗を展開し、買い物客にファッションのスタイルや多様性、快適さを適正価格で届けています。
複雑でめまぐるしく変化する小売環境で注目を保ちながら収益を拡大することは常に困難であり、厳しい経済状況下ではなおのことです。ALDO Group でデジタル製品およびエクスペリエンス担当バイスプレジデントを務めるグレゴワール・バレー (Gregoire Baret) 氏は次のように述べています。「お客様は、どこにいても、より良い製品をより多く手に入れたいと考えています。お客様との絆を保ち、さらに深めていくことに終わりはありません。支払方法や配送方法であれ、ソーシャルメディアでのつながりであれ、私たちは卓越したサービスを提供して、確実にお客様の期待に応えられるよう努めています。重要なのは、より良い製品を、より早く、適正な価格で、完全な透明性をもって消費者に届けることです。そして、それをあらゆるチャネルで実現することが求められています」
ALDO Group は、e コマース、店舗の POS、発注ソリューションが一体となって機能する統合コマースエクスペリエンスを構想しています。適切なソリューションがあれば、e コマースとデジタル化されたオファリングを統合でき、例えば、顧客の返品を減らしてサステナビリティプログラムに貢献することができます。また、在庫の有無、場所、セグメンテーション、好みに基づいて、買い物客を適切な製品に導けるようになります。
デジタル製品およびエクスペリエンス担当バイスプレジデント、ALDO Group Inc.
データとシステムをつないで、買い物客の求めるエクスペリエンスを提供
ALDO Group は、新しいコアカスタマーエクスペリエンスソリューションの基盤として SAP Commerce Cloud ソリューション、SAP Emarsys Customer Engagement ソリューション、SAP Customer Activity Repository アプリケーションを統合し、導入しました。SAP Customer Activity Repository は、さまざまなチャネルにまたがる顧客の購買履歴と需要をあらゆる角度から把握できるようにしてリアルタイムで在庫を可視化し、需要予測によってショッピングエクスペリエンスを最適化し、顧客インサイトを活用してパーソナライズされたマーケティングを可能にします。
これらのオファリングを組み合わせて、ALDO Group はデジタルトランザクション、在庫管理、カスタマーエンゲージメントをスムーズに結び付けています。また、バレー氏によれば、クラウドベースのアプローチは「拡張性とセキュリティに優れ、システムパフォーマンスを向上させる必要がある時に馬力を増やせる」というメリットがあるといいます。
SAP ソリューションを導入するもう一つのメリットは、コンポーザブルアプローチにあります。このアプローチをとることで、同社の広範なテクノロジー環境と柔軟かつ円滑に統合でき、現在から将来にわたって成長を下支えすることができます。ALDO Group は、SAP ソリューションの豊富なコア機能と、独自のペースでカスタマイズできる機能を組み合わせて、SAP のパートナーエコシステムから厳選され、認定を受けた統合型ソリューションを迅速に展開することができます。
デジタル製品およびエクスペリエンス担当バイスプレジデント、ALDO Group Inc.
変化するニーズに機敏に対応
中核となる e コマース環境の接続性、拡張性、モジュール性が向上したことで、ALDO Group は、買い物客が望むサービスを彼らが望むタイミングで俊敏に提供できるようになりました。SAP Commerce Cloud と SAP Emarsys Customer Engagement を組み合わせることで、同社はチャネルをまたいだエンゲージメントを実現し、効率的にコンバージョン率を高め、収益性の高い成長を達成することができます。
製品の見つけやすさを改善するために、SAP Commerce Cloud は、フィルタリングオプションを備えた包括的なリスト機能と製品ページ機能を提供しています。これらの機能を活用すれば、適切な製品を提示し、在庫システムと連携して製品の在庫を確保することができます。ALDO Group は、関連するソーシャルコンテンツを使ってページをパーソナライズし、スムーズな決済を可能にしています。これが、バレー氏の言う「信頼を築くべき重要な瞬間」です。また、コネクテッドエコシステムによって、同社はホリデーシーズンなどの繁忙期の売上をより適切に管理できるようになっています。
SAP ソリューションのコンポーザブルアプローチは、同社が消費者のニーズに迅速に対応するのに役立っています。このことをバレー氏は次のように説明しています。「当社は『ヘッドレス』アプローチを採用しているので、フロントエンドとバックエンドが切り離されています。そのため、非常に的を絞った対応が可能となり、極めて独立した柔軟な方法で特定のコンポーネントに集中することができます。多種多様なアプリケーションを使用している当社にとって、これはとても重要なことです。多数のアプリケーションを 1 つの統合された生きたシステムとして連携させる必要があるのですから」
正確なデータが消費者エクスペリエンスの鍵となり、データの質とアクセシビリティも向上しています。ALDO Group は、製品、在庫、カスタマーエンゲージメント、取引情報をより適切に組み合わせて、優れたサービスを提供するだけでなく、AI などのテクノロジーを活用できるようになりました。例えば、セグメント、行動、閲覧履歴に基づいて消費者を誘導するレコメンデーションの作成に AI を活用することも可能です。また、このテクノロジーは、需要予測、在庫管理、リソースの割り当てを改善する際にも役立つでしょう。「関連性のあるサービスを適切なレベルで消費者に提供するには、これらすべてが鍵となります」とバレー氏は言います。
主要なカスタマーエクスペリエンスを通じて、ネットゼロエミッション目標の達成を支援
これからも SAP ソリューションは、サイトパフォーマンスの最適化から需要予測に至るまで、e コマースやデジタル化の取り組みを通じて、ALDO Group のサステナビリティ目標を推進する上で重要な役割を果たしていきます。
バレー氏は次のように述べています。「サステナビリティの取り組みを開始してから 10 年が経ち、直接の事業に関連する排出量を 70% 以上削減しました。これはほんの始まりにすぎず、目標を達成する上でデジタル化が積極的な役割を果たすと考えています。すでにカーボンニュートラルな配送を実現しており、ほかにも在庫配分やロジスティクスを最適化したり、ハードウェアを適切に管理して、修理や改修によって買い替えを控えたりするなど、できることはまだあります。これは、ネットゼロエミッション目標を 2050 年までに達成する上で非常に重要なことだと考えています」
