
Pitney Bowes 社:クラウドへの迅速な移行で、効率性の向上、インサイトの取得、俊敏性の強化を実現
SAP とともに歩む Pitney Bowes 社のジャーニー
100 年以上のイノベーションの歴史を誇る Pitney Bowes 社は、国際色豊かなチームとともにクラウドへの取り組みを続けています。同社は、特定の国において SAP S/4HANA Cloud Public Edition とさまざまな SAP ソリューションを統合することで、ビジネスプロセスをシンプル化、合理化、標準化し、次の 100 年を見据えたリーダーシップと成長を実現できるように準備を進めています。
| 業種 | 地域 | 企業規模 | パートナー |
| ハイテク – 発送・郵送 | コネチカット州スタンフォード(本社) | 従業員数:11,000 人以上 | LTIMindtree 社 |
自動化されたオーダーフルフィルメントやサービスの割合
ケース終了コードの削減率(120 から 9 へとシンプル化)
コストセンターの削減率(1,443 から 71 へ)
Pitney Bowes 社、バイスプレジデント・英国/アイルランドカントリーリーダー
複雑さを軽減し、プロセスを調和させて成長を実現
世界中にある中小企業、小売業、大企業、政府機関のクライアントが、郵便物や小包を送る際の複雑さを解消するために、発送・郵送を支援する Pitney Bowes 社を利用しています。同社は、Fortune 500 企業の 90% 以上にテクノロジー、ロジスティクス、金融サービスを提供しています。
Pitney Bowes 社は、これまでのイノベーションの伝統を継続しながら、国内外でビジネスを拡大していくには、古くなったオンプレミスの ERP ソリューションを置き換え、特定の国で IT ランドスケープの統合を行う必要があると認識していました。また、ヨーロッパでの事業において、サブスクリプション価格設定やリースといったモデルに注力するには、プロセスをシンプル化・標準化し、より深いインサイトにアクセスし、業務を迅速化させる必要がありました。
Pitney Bowes 社は、スタンドアロン製品の販売企業から包括的なソリューションの提供企業へと変革するために、ソリューションオーダー管理も導入したいと考えていました。さらに、ソリューションオーダー管理は、物理的な配送だけでなく、製品のインストール、関連するレンタルやサービス契約の有効化なども調整することで、オーダーフルフィルメントの自動化を実現するというもう 1 つの重要な目標の達成もサポートします。
Pitney Bowes 社のチームは、カスタマイズを最小限に抑えつつ、ベストプラクティスを実現し、企業の成長に合わせて拡張できるソリューションを必要としていました。そして、同社が求める最先端のテクノロジー、スピード、柔軟性は、パブリッククラウドの 2 層構造のアプローチによって得られることも認識していました。
Pitney Bowes 社、グローバルオーダー管理・サプライチェーンアプリケーションおよび SAP サービス担当シニアディレクター
標準化され、俊敏性を備えたコネクテッド IT ソリューションの構築
Pitney Bowes 社は、SAP S/4HANA Cloud Public Edition と SAP Sales Cloud ソリューションを統合することで、包括的な受注から入金までの機能を実現し、機会の創出からフルフィルメントまでのワークフローを 1 つのインターフェースで管理できると考えました。
SAP Integration Suite のコンテンツは事前構築済みのため、カスタマイズ要件を削減することができます。また、ソリューションビジネスを実現する上で、SAP の明確な製品ロードマップと、製品をサービスとして提供するエンドツーエンドのシナリオも重要なポイントでした。
2 層構造のアプローチを実現するために、Pitney Bowes 社は、特定の国を順次移行させ、レガシーシステムからパブリッククラウドへの段階的な導入を進めました。
SAP Business Technology Platform (SAP BTP) を使用して、SAP S/4HANA Cloud Public Edition と SAP Sales Cloud を接続したのです。このプラットフォームにより、スムーズなデータフローを実現し、現金管理、債権管理からレポート作成やコンプライアンスに至るまで、さまざまなタスクに関するソリューションを統合できるようになりました。また、SAP Integration Suite は、郵便、銀行、ロジスティクスプロバイダーなどのサードパーティーアプリケーションやカスタムアプリケーションとの直感的な統合もサポートしました。これらのソリューションを組み合わせることで、見積から受注まで、受注フルフィルメント、サービスの実行、請求処理、請求書発行に至るまで、見積から回収までの業務が容易になったのです。
Pitney Bowes 社は、SAP パートナーである LTIMindtree 社と連携し、9 カ月のプロジェクトで、英国とアイルランド全土にソリューションを展開し、ヨーロッパでのロールアウトを開始しました。それに引き続いて、ドイツでも 6 カ月にわたり導入が行われました。
このプロジェクトの期間中、カスタマーサクセス部門、SAP Early Adopter Customer Care プログラム、SAP Preferred Success サービスのエキスパートによる支援が極めて重要な役割を果たしました。これらの SAP エキスパートは、導入のさまざまな側面で複数のサービスを提供し、プロジェクトの安全性を確保するとともに、リスクの軽減にも貢献しました。
Pitney Bowes 社、エンタープライズビジネスアプリケーション担当バイスプレジデント
堅牢なソリューションオーダー管理によりソリューションビジネスへの転換を実現
英国、アイルランド、ドイツで新たなソフトウェアを展開した Pitney Bowes 社は、最新のクラウド ERP と緊密に統合された IT ランドスケープを通じて、すでに多くのメリットを享受しています。受注から入金までの業務をシンプル化し、プロセスの標準化を図るとともに、ソフトウェアのカスタマイズも削減することができました。また、事前統合済みのソフトウェアにより、約 350 人のユーザーのオンボーディングを容易に進めることができました。さらに、ランドスケープの合理化、サードパーティーアプリケーションの削減、ソフトウェアライセンスの統合により、IT 保守コストや TCO(総所有コスト)も削減することができました。
SAP S/4HANA Cloud と SAP Sales Cloud を緊密に連携させることで、リードから入金までの業務からフィールドサービス管理に至るまで、エンドツーエンドのプロセスを強力にサポートすることができます。SAP BTP は、カスタマーエクスペリエンス、セールスフォースオートメーション、デバイスの保守など、多岐にわたる領域を結び付け、効率を高め、価値を提供します。
同社は、これらのソリューションを組み合わせることで業務要件の 95% を満たし、セールス、サービス、サブスクリプションモデルを統合し、完全に自動化されたソリューションオーダー管理を実現することができました。例えば、見積が受注またはサービスオーダーに変換されると、データは自動的に SAP S/4HANA Cloud に送られ、処理されます。フィールドサービス業務では、顧客が単発のインストール作業を求めているのか、保守契約を結んでいるのかに応じて、どのタイプの技術者が必要かを判断することができます。顧客が請求書を決済すると、請求処理、仕訳、収益認識などの業務のために、データが SAP S/4HANA Cloud に戻されます。このような統合されたワークフローにより、生産性と透明性の向上だけでなく、スピードや顧客サービスの向上も実現することができたのです。
グローバル企業全体でフットプリントの拡大
現在、Pitney Bowes 社は、国際市場でのロールアウト拡大を計画しており、長期的には北米への拡大を目指しています。
また、他の SAP ソリューションの可能性についても模索しており、例えば、SAP Analytics Cloud ソリューションを活用したレポーティングやビジネスインサイトの強化も検討しています。
これからの 100 年がどのようなものになろうとも、先進的な Pitney Bowes 社は、SAP ソリューションによるクラウドへの移行を行うことで、自社と顧客の成功に向けた準備を着実に進めているのです。
主要パートナー
LTIMindtree 社は、クライアントが目指す持続可能な将来像を、予定よりも早く実現できるように全力でサポートしています。このサポートにより、Pitney Bowes 社は、高いパフォーマンスを発揮する社内 IT チームとともに、自社ソリューションのサポートと維持を実現することができました。