Chipone Technology 社:受注登録の自動化により、スピードアップとグローバルな成長をサポート
オーダー依頼をわずか数分で処理
ディスプレイチップソリューションメーカーの Chipone Technology 社は、SAP Build Process Automation ソリューションを使用して、リードから入金までのプロセスの自動化率を高めました。これにより、同社は業務を加速させ、エラー率を減らし、従業員を手作業から解放し、タイムリーなオーダーの処理と実行で顧客満足度を向上させています。
| 業種 | 地域 | 企業規模 | パートナー |
| ハイテク | 中国、北京 | 従業員数:1,300 人以上 | Shanghai AcloudEAR Info. Tech. Co. Ltd. |
平均オーダー処理時間が 5 分に短縮された割合
発注書処理精度
Chipone Technology (Beijing) Co. Ltd. セールスオペレーション担当プロジェクトマネージャー
事業拡大期におけるオーダー処理の効率化
2008 年に設立された Chipone Technology (Beijing) Co. Ltd. は、世界をリードするディスプレイ集積回路 (IC) の設計会社であり、多様なパネルやスクリーン向けのディスプレイチップソリューションを提供しています。パワーマネージメント、システムオンチップ (SoC)、車載用ディスプレイ IC を含む同社の製品は、携帯端末、ウェアラブル機器、屋内外 Ultra HD ディスプレイ、拡張現実 (AR)、仮想現実 (VR)、および産業用、車載用、ヘルスケア用アプリケーションで使用されています。
長年にわたり、Chipone Technology 社は国内外の顧客のニーズに合わせた画期的な製品を開発し、顧客志向のカスタマイズという点で強みを発揮してきました。
2021 年に中国で半導体チップの需要が急増したとき、Chipone Technology 社は、その強力な出荷能力と競争力のある製品のおかげで、このチャンスを生かすことができました。そして、生産データと財務データの管理をさらに改善するため、SAP S/4HANA を導入し、実績あるベストプラクティスでコアビジネスプロセスを標準化することで、ビジネスの成長と企業発展のための安定した基盤を構築しました。
しかし、SAP S/4HANA で受注を登録するための発注書処理は依然として手作業で行われており、販売サポートチームの時間を大幅に消費していました。その結果、業務量が大幅に増加することになり、事業の成長と製品の多様化戦略を長期的にサポートするためには、受注業務全体の自動化を進めることが急務となりました。
この自動化では、2 つの基幹業務の課題を解決する必要がありました。ひとつ目の課題は、オーダー依頼のフォーマットが多様であるということです。処理対象依頼の多くは、電子メール、PDF、紙ベースの注文書のスキャン画像など、構造化されていないフォーマットで送られてきます。また、Microsoft Excel のスプレッドシートのような構造化されたデータ形式にも自動化で対応する必要があります。ふたつ目の課題は、テキスト仕様の違いがエラーや記載漏れの原因になるという点です。Chipone Technology 社は複数の国々の顧客にサービスを提供しているため、自動化システムで、ファーストネームとラストネームの順序を認識し、大文字表記、スペースなどにおけるバリエーションに対応する必要があります。
販売シナリオにおける自動化の強化
SAP プラチナパートナーである Shanghai AcloudEAR Info. Tech. Co. Ltd. は、Chipone Technolog 社に、既存の SAP S/4HANA を基盤として SAP Build Process Automation を導入しました。SAP Build Process Automation は、SAP S/4HANA での受注登録を自動化して、Chipone Technology 社のリードから入金までのプロセスを合理化します。
その際、同社の受領する発注書のフォーマットが多様であるため、AcloudEAR 社は、光学文字認識 (OCR) 技術を専門とする INTSIG Information Co. Ltd. と協力して、Chipone Technology 社のオーダー依頼書に合わせた複数の専門 OCR モデルを開発しました。そしてこれらのモデルを SAP Build Process Automation と社内の OCR サービスと統合して、異なる伝票フォーマットから関連情報を迅速に抽出できるようにしました。
Chipone Technology 社は、テキスト仕様が異なるという課題を解決するために、SAP Services and Support のエキスパートと協力しました。入念なテストの後、チームは同社の独自要件に合わせてカスタマイズされた検索システムを開発することで飛躍的な進歩を遂げ、精度を大幅に向上させました。
SAP Build Process Automation を使用して構築された自動化機能は、専用のメールボックスと共有フォルダを常に監視し、発注書の受信を待ちます。そして、関連するオーダー情報を抽出し、SAP S/4HANA に自動的にログインして、受注依頼を登録するために必要なフィールドに入力します。その後、依頼は検証され、必要に応じて、不足情報の追加や承認のために営業サポートチームに送られます。受注が登録されると、ステークホルダーに通知が送信されます。
営業チームを解放し、付加価値を高める
Chipone Technology 社は、 SAP Build Process Automation によって受注登録を自動化し、リードから入金までのプロセスを合理化しました。オーダー依頼を自動的に登録し、必要情報を入力することで、処理を迅速化し、提出エラーを削減し、業務効率を向上させることができました。
営業サポートチームを反復的な手動によるデータ入力作業から解放したことで、従業員のワークエクスペリエンスが大幅に改善され、残業も削減されました。さらに、チームは販売データの分析や顧客サービスなど、より付加価値の高い業務に集中できるようになり、ワークフォースの効率性と顧客満足度が向上しました。
Chipone Technology 社は、プロセスの自動化により、業務量の増加に迅速に対応し、オーダーの処理と実行をタイムリーに行い、市場機会を最大限につかむことに成功しています。
同社は、車両ディスプレイや SoC チップなどの革新的なソリューションを含む製品ラインとサービス分野をさらに拡大しています。ERP やオフィスオートメーションからプロセスオートメーションにいたるまで、デジタル化のメリットは、組織が成長するにつれて次々と生まれてきます。
主要パートナー
AcloudEAR 社は、SAP のクラウドソリューションに重点を置き、クラウド変革における成長企業を対象とした導入サービスの戦略的なプランニングサービスとコンサルティングサービスを提供しています。200 人以上の従業員を擁する同社は、ソフトウェアの開発から実装、運用、保守サポートまで、幅広いサービスを提供しています。8 年以上前に設立された AcloudEAR 社は、中国国内および海外で約 280 社の顧客にサービスを提供しています。