SAP による SAP 製品の運用:データ製品で人間のインサイトと AI イノベーションを促進
データプロジェクトからデータ製品へ
データの力を引き出すソリューションの開発で知られる SAP SE は、生産的に仕事をし、十分な情報に基づいて意思決定を行うために必要な情報に、従業員が容易にアクセスして共有できるようにしたいと考えていました。これを実現するために、ソフトウェア企業である SAP SE は、SAP Business Data Cloud ソリューションを活用した製品化されたデータ利用アプローチを採用しました。
| 業種 | 地域 | 企業規模 | パートナー |
| ハイテク | ドイツ、ワルドルフ | 従業員:105,000 人 | Collibra 社 |
企業全体でユーザーが現在利用できるデータ製品の数
データ製品の導入における時間短縮率
非技術系のビジネスユーザーが作成および所有するデータ製品の割合が 0% から 20% に上昇
SAP SE、プラットフォーム責任者、コーポレート機能およびアナリティクス
製品ベースのアプローチによるデータモデリングの民主化
1972 年に設立された SAP は、ERP ソフトウェアのグローバルスタンダードを定めました。現在、SAP のクラウドソフトウェアには 2 億 3,000 万人のユーザーがおり、100 以上のソリューションが調達・購買、生産、在庫管理、営業、マーケティング、財務、人事など、基幹業務領域全体にわたって包括的なサポートを提供しています。
SAP のデータ統合とモデリングに対するプロジェクトベースのアプローチでは、ビジネスユーザーは必要なデータへのアクセスが制限されていました。IT エキスパートが新しい分析モデルを別個のプロジェクトとして作成する必要があり、IT チームはビジネスユーザーのリクエストに対応するために 1,000 を超えるダッシュボードを構築していました。つまり、IT 部門がボトルネックになり、長時間の遅延によって、ビジネスユーザーがデータガバナンスフレームワーク外で独自の「シャドウ IT」修正を行う可能性がありました。また、複数のデータドメインからデータを結合するのが困難であったため、異なる事業領域間のコラボレーションが制限されていました。
SAP はデータ駆動型企業として、すべての従業員に、健全な意思決定を行い、生産的に働くために必要な情報を提供したいと考えていました。そのために、同社はデータ製品ベースのアプローチを導入して、ビジネスユーザーが独自のデータモデルを作成して他のユーザーと共有し、他の従業員が作成したモデルを再利用できるようにしました。
企業全体のユーザー向けに一元化されたデータ製品ハブの提供
SAP の IT エキスパートは SAP Business Data Cloud (SAP BDC) を活用して、企業全体のユーザーが既存のデータ製品に簡単にアクセスできるようにしました。また、探している製品が存在しない場合は、このソリューションで独自の製品を作成できるようになりました。
チームは、SAP パートナー Collibra 社のテクノロジーに基づいて、一元的なデータ製品ハブを導入しました。このハブは、既存のデータ製品とマーケットプレイス機能のカタログを提供し、従業員がニーズに最も適した製品にアクセスして購入できるようにします。データ製品のバスケットがチェックアウトされると、製品は SAP Datasphere ソリューション(現在は SAP BDC の一部)内の従業員のパーソナルスペースで直接共有され、分析、モデリング、インサイト生成に利用可能になります。Collibra 社は、データ製品のライフサイクルの管理にも重要な役割を果たし、役割、責任、承認ワークフローを使用してコンプライアンス、品質、説明責任の確保を支援します。
適切なデータ製品が見つからない場合は、ハブ内から新しい製品を開始できます。SAP Datasphere が提供する直感的なローコード機能を使用して、ビジネスユーザーは独自のデータ製品をすばやく作成できます。ガイド付きワークフローが、ソースシステムからのデータの統合や分析モデルの作成を支援します。
より複雑なプロコードデータエンジニアリングが必要な場合は、SAP Databricks 機能から高度なモデリング機能にアクセスできます。これにより、サードパーティーのデータソースとの統合や、データ製品への AI または機械学習パイプラインの追加が可能になります。
データ製品を作成したら、ユーザーは SAP Business Data Cloud のインテリジェントアプリケーションを利用しながら、SAP Analytics Cloud ソリューションを活用して、さまざまなオーディエンス向けにダッシュボードおよびビジュアル化されたレポートを作成できます。
SAP SE、最高分析責任者、企業プロセスおよび情報テクノロジー
関連するデータインサイトへのアクセスの加速
ビジネスユーザーはデータ製品ハブを使用して、より的確なデータに基づいてデータ主導で意思決定を行えるようになりました。拡大を続ける、すぐに使えるデータ製品のカタログに簡単にアクセスできるため、ユーザーは必要な回答をすばやく見つけることができます。さらに、直感的な分析ツールにより、IT エキスパートに頼らなくても新しいデータモデルをすばやく作成できるため、価値実現までの時間が数カ月から数日に短縮されました。たとえば、SAP Business Data Cloud を使用した債務管理分析向けデータ製品の導入には、たった 20 日間しかかからず、推定の 184 日間から短縮されました。
このハブは、さまざまな事業領域のデータを容易に共有・統合できるようにし、トレーニングプロバイダーなどサードパーティーのデータを利用できるようにすることで、データ分析に対するサイロ化したアプローチの排除にも貢献しています。これにより、新しいインサイトを見つけ出すためのコラボレーションを支援できるだけでなく、作業の重複を排除することで生産性も改善できます。つまり、データ製品が作成されると、それを何度も再利用することができます。
ビジネスユーザーが独自のデータモデルを作成できるようになったため、IT 担当者はより高度な分析要件のサポートに集中できるようになりました。一方、ハブ内でのデータ利用状況とガバナンス管理の透明性が向上することで、SAP はコンプライアンス基準を確実に満たせるようになります。
SAP SE、イノベーションエンジニアリング責任者、コーポレート機能およびアナリティクス
AI ベースのイノベーションの基盤を提供
現在、SAP は企業全体でデータ製品ハブの使用を拡大しています。IT スタッフは、ビジネスユーザーにハブについて教育し、ユーザーがデータ製品の使用や作成に慣れていく際にメンタリングを行っています。また、ビジネスユーザーが回答を得るためにハブを使用すればするほど、利用可能なデータ製品のカタログが拡大すると SAP は予測しています。
今後、SAP はハブが全体的な AI 戦略にとって非常に重要になると考えています。ハブでは、データ製品にすぐにアクセスできるため、AI エージェントは情報の検索時にやり取りすべき適切なデータを容易に見つけることができます。これにより、AI エージェントは AI ベースのイノベーションを継続的に導入するための重要な基盤を確立しながら、正確な回答を迅速に提供できます。
一方、SAP は Joule コパイロットが、企業全体でのデータ製品の利用に、ますます重要な役割を果たすと予想しています。従業員が Joule コパイロットに質問すると、Joule コパイロットが回答を提供できる関連データ製品をハブで自動的に検索し、必要に応じて新しいデータ製品を作成するビジョンを描いています。
注目のパートナー
Collibra 社は、データ資産を管理・活用する方法を改革する組織を支援し、ユーザーがデータをより安全に規制に準拠して使用できるようにします。SAP パートナーの同社が提供するテクノロジーを基盤として、SAP はデータ製品ハブを構築し、ユーザーがアクセスとデータモデルを共有できるマーケティングプレイスを実現しました。