Harrods 社:モダンなテクノロジープラットフォームによって高級品ビジネスをサポート

SAP とともに歩む Harrods 社のジャーニー
ロンドンのナイツブリッジにある Harrods の豪華な百貨店はラグジュアリーと同義語です。同社は、デジタルトランスフォーメーションと e コマースプラットフォームへの戦略的移行をサポートするにあたって、クラウドとオンプレミスのテクノロジーを接続するために、SAP Business Technology Platform に含まれる SAP Integration Suite を選択しました。
| 業種 | 地域 | 企業規模 |
| 小売 | 英国、ロンドン | 従業員数:4,800 人 |
統合環境全体における TCO の削減率
スタッフは他の仕事に集中できるようになるプロセスにかかる時間の短縮率
Harrods Limited、IT ディレクター
新しい世代の消費者を惹きつける
Harrods 社がロンドンのナイツブリッジに最初に店舗を構えたのは 1849 年のことです。それ以来、世界最高の百貨店という評価を得てきました。その象徴的な店舗には、デザイナーのファッションルーム、高度な美容室、フードホール、レストランが備わっており、すべてのコーナーがカスタマーエクスペリエンスを最適化するように設計されています。同社は新しい世代の裕福な消費者を惹きつけるために、e コマースプラットフォームへの戦略的転換を図りました。このプラットフォームでは、ファッション性の高いオンラインマーケットプレイスを拡張して、従来は店舗に置いていなかった在庫を提供し、選択肢を増やしてエクスペリエンスを強化する必要がありました。
しかし、SAP Process Orchestration ソフトウェアの単一インスタンスを使用した Harrod 社の統合環境は、柔軟性に欠け、複雑であり、ビジネス上重要な大量のトランザクション負荷を処理する必要がありました。これにより、システムへのパッチ適用や保守のためのダウンタイムを許容することが難しくなり、ビジネスの停止につながることがありました。強力なインフラストラクチャーが欠如しているだけでなく、中国と中東のオンライン顧客へのサービス提供におけるギャップも明らかになりました。それらは収益機会の喪失とコスト増大をもたらしていました。
同社は、複数のテクノロジーやベンダーにまたがるさまざまなシステムを接続するために、標準化され、スケーラブルで、安定した統合プラットフォームを構築する必要がありました。また、トラフィックとトランザクションの増加に対応し、ビジネス上重要なプロセスに影響するダウンタイムを最小限に抑えたいと考えていました。これを実現するために、Harrods 社は IT インフラストラクチャーをモダン化し、iPaaS (Integration Platform as a Service) に移行することを考慮していました。e コマースを推進する一方で、クラウドファーストの統合アプローチは、人事と顧客関係管理の両方を変革するなど、他の戦略的イニシアチブを推進することも目標としています。
Harrods Limited、デジタルテクノロジーおよびエンジニアリングの責任者
e コマースやその他の戦略的プロジェクトを推進するための統合プラットフォームの導入
Harrods 社のアプローチは、既存の統合(SAP Process Orchestration やサードパーティーのミドルウェアインターフェース)を移行する前に、最初に戦略的プロジェクトとして新しいソフトウェアを導入することでした。それが、SAP Business Technology Platform (SAP BTP) に含まれる SAP Integration Suite でした。SAP Integration Suite は、さまざまな統合の課題(ソフトウェアへのパッチ適用、スケーラビリティ、API 管理など)、スループットの課題、サードパーティーソリューションへの接続などに対応するのに役立ちました。柔軟で拡張性の高い SAP のアーキテクチャーを使用することで、基幹業務のトランザクションとそれ以外のバッチトランザクションを切り離し、SAP やサードパーティーの複数のクラウドおよびオンプレミスシステムに接続して、ハイブリッドな環境を構築できるようになりました。
同社は、SAP Process Orchestration の Enterprise Services Repository の既存コンテンツの 60% を再利用し、引き続き設計オブジェクトのセントラルリポジトリーとして使用し、オンプレミス統合を維持しています。600 を超える追加の統合フローが本稼動にデプロイされており、その半分以上がグローバル e コマースプラットフォーム上で完結しています。現在、Harrods 社は 10 万の製品をオンラインで公開し、デジタルチャネルを通じて 1 日あたり 200 万件のトランザクションを処理しています。
SAP BTP の追加サービスを利用するために、Harrods 社は Cloud Foundry 環境の SAP BTP に移行しました。同社は SAP Event Mesh の機能を利用することで、アプリケーションが非同期的に通信して、特定のビジネスクリティカルなイベントをモニタリングできるようにしました。たとえば、SAP Integration Suite 内の API 管理とクラウド統合の機能や、ますます充実する事前構築済みのアダプターと組み合わせることで、スタッフの入店と退店を追跡し、支払いを通知することができます。また、SAP Build Process Automation ソリューション(SAP BTP 内)に含まれるプロセス可視化機能と SAP Business Rules Management コンポーネントを使用することにより、モダンな IT 機能でビジネスプロセスを拡張しています。
SAP Integration Suite は、さまざまな顧客システム(SAP Marketing Cloud ソリューション、SAP Service Cloud ソリューション、サードパーティーの e コマースシステムなど)の統合を促進することで、単一の顧客ビューに移行するためのイニシアチブも支えています。SAP Integration Suite は、これらのシステムのデータを SAP Customer Data Cloud ソリューションに複製し、販売チャネル全体で単一の顧客ビューを実現します。最後に、SAP Analytics Cloud ソリューションを使用することで、統合に関するデータ(長期間のメッセージスループットやメッセージ数など)に関するインサイトが得られます。システム統合アーキテクチャーの全体については、以下の図をご参照ください。
Harrods 社は、SAP のエキスパートと定期的に協力して、包括的な計画、インフラストラクチャーの設定、導入のサポートとガイダンス、フィードバックとリクエストの機会を得ています。
Harrods Limited、IT ディレクター
技術的な障壁に妨げられることなく、変化し続けるビジネスのダイナミクスに適応する
Harrods 社は、クラウドファーストの統合戦略に移行することで、SAP Integration Suite によるモダンな統合インフラストラクチャーの導入に成功しました。柔軟なアーキテクチャーは、ビジネスの需要を満たすための迅速なスケーリングをサポートします。また、クラウドテクノロジーには、組み込みのレジリエンス、自動パッチ適用、月次アップグレード、複数の統合およびプロセス自動化サービスが含まれています。
簡素化されたランドスケープにより、Harrods 社はアプリケーション間および企業間 (B2B) の電子データ交換で統合を効率的に実現することができます。単一のプラットフォーム内で、SAP およびサードパーティーのシステムからクラウドシステムとオンプレミスシステムに複数のプロトコルで接続できるようになりました。同社は、技術的な制約なしで、変化するビジネスプロセスに適応することができます。
この標準化により、Harrods 社は事業運営を合理化しました。より簡単にパートナーと協業し、世界的なプレゼンスを拡大し、中国や中東など新市場での顧客需要の高まりに応えることができるようになりました。また、その熟練した IT チームは、エラーの確認と調査に費やす時間を短縮することで、より優先度の高い仕事に集中することができます。
また、SAP BTP、Neo 環境から SAP BTP, Cloud Foundry 環境への移行により、Harrods 社は年間のコストを大幅に削減できています。
Harrods Limited、シニア統合アーキテクト
リアルタイムのデジタルインタラクションを推進
統合に焦点を当てる一方で、同社はプロセスの可視性の観点から SAP BTP の先進的な機能を考慮しています。これには、包括的な商品作成プロセスを実現するための、注文と商品の追跡を可能にするビジネスユーザー向けのセルフサービスダッシュボードが含まれます。
Harrods 社は、API ディスカバリーのポータルを標準化し、よりユーザーフレンドリーなものにするために、SAP Business Accelerator Hub とのビジネス統合のための API レイヤーと単一のポータル上で定義された一連のサービスを提供することを目指しています。SAP Integration Suite 内の統合アドバイザー機能を活用して、既存の電子データ交換のランドスケープを SAP BTP 上に再デプロイすることを計画しています。ここでの同社の目標は、機械学習を使用して B2B の導入とメンテナンスのシナリオを加速することです。また、SAP Integration Solution Advisory Methodology を適用して、統合戦略を定義し、管理することも目指しています。