Hard Rental 社:成長中の企業を新たな高みへと導くクラウド ERP

SAP とともに歩む Hard Rental 社のジャーニー
大手 IT ハードウェアリース会社である Hard Rental 社は、仕事柄、ハードウェアへの投資コストが業務効率の改善につながれば、企業の成長が促進されるということを充分に認識していました。そして、この原理を自社の IT 業務にも応用する決断をします。SAP S/4HANA Cloud Public Edition を導入して、ラテンアメリカ全域に事業を急拡大させるための効率性と俊敏性を手に入れました。
| 業種 | 地域 | 企業規模 | パートナー |
| プロフェッショナルサービス | リマ(ペルー) | 従業員数 50 人 | CSTI Corp |
IT インフラと導入サービスコストの削減率
クラウド ERP の導入にかかった週数
ゼネラルマネージャー、Hard Rental 社
進化するビジネスに対応するためのクラウド移行
IT ハードウェアのリース市場で 10 年以上にわたり実績を積んできたペルーの Hard Rental 社はラテンアメリカの 500 以上の顧客と固い信頼関係を結んでいます。コンピューター機器のレンタルに加えて、機器の販売、オペレーティングリース、技術サポート、サービスデスク、ソフトウェアライセンスのマーケティングなども行っています。
国際化に向けた最初の一歩を踏み出した Hard Rental 社のビジネスは、今まさにエキサイティングな成長段階を迎えているのです。コロンビアへの事業拡大はすでに実現し、近くエクアドル市場への参入も計画しています。
ラテンアメリカのイノベーションの行く末を書き換えようという野心的な計画を前に、Hard Rental 社は柔軟性を備えた革新的なインテリジェント IT 基盤を必要としています。自社の企業文化を大切にしながら、進出先のさまざまな国の状況に合わせて業務プロセスを円滑に複製、調整する必要があるからです。成長とイノベーションを目指す Hard Rental 社が次に取るべき論理的なステップは、クラウドへの移行でした。クラウド移行には、IT のライセンス、インフラストラクチャー、導入サービスのコストを削減するだけでなく、その地域で生まれる新しいビジネスチャンスをつかむというメリットもあります。
ゼネラルマネージャー、Hard Rental 社
モジュール型クラウド ERP のスピーディーな導入
Hard Rental 社は、すでにペルー本社でオンプレミスの SAP ERP アプリケーションを使用していました。ERP システムのクラウド移行の決断にあたり、SAP S/4HANA Cloud Public Edition が、SaaS 型のソリューションで、ベストプラクティスの実践と ROI の向上に必要なバックオフィスのサポートも提供してくれるものだということを知っていました。
Hard Rental 社は、CSTI Corp の協力の下、SAP Activate の方法論を使って、わずか 5 カ月で、コロンビアにおける財務、販売、調達・購買、サービス、製造、サプライチェーン、設備資産管理、研究開発の全領域でこのソリューションを利用できるようにしました。
Hard Rental 社は、ソフトウェアの統合と拡張を容易にする SAP Business Technology Platform (SAP BTP) も導入しました。SAP BTP と SAP Analytics Cloud ソリューションを使用して、コロンビア市場向けにレポート機能をローカライズしたり、SAP Analytics Cloud をアドホックレポートの設計に使用したりしています。
一元化されたインフラストラクチャーにより迅速で効率的な移行
SAP S/4HANA Cloud Public Edition を導入した Hard Rental 社は、会社の成長に合わせて拡張が可能なクラウド ERP ソフトウェアのメリットを享受できるようになりました。自社のビジネスモデルを新しい市場向けにすばやく複製し、進出先の国の規制や財務上の条件に応じて必要な調整を行います。さらに、改良された革新的なプロセスを会社全体にすばやくロールアウトして、シナジー効果を得るとともにトレーニングのコストを削減するという、クラウドならではのメリットもあります。
Hard Rental 社の社員たちは、SAP S/4HANA Cloud Public Edition の直感的なインターフェースと、ワンクリックで一貫性のある正確な情報が得られることを高く評価しています。また、意思決定の根拠となるデータが、セキュリティのポリシーや管理に準拠していることに確信が持てるようにもなりました。
財務面では、四半期や年次の決算処理に要する時間が短縮され、連結形式あるいは総勘定元帳の勘定ごとまたは財務領域ごとの詳細を含む形式で報告書を出力できるようになりました。財務に関するトレーサビリティが改善されるとともに、報告される残高の根拠となる業務シーケンスも明確化されます。債務や債権を財務報告や法令に基づく申告につなげるプロセスが円滑になり、税管理が改善されることで追徴税などの支出が削減されます。
一方、営業チームでは、リードに対するフォローアップの迅速化、受注、納入、請求、回収の効率向上のほか、顧客満足度の向上と営業コスト抑制の両立などが可能になります。
また、調達業務の全般でコストが削減され、契約管理の効率が向上します。商品やサービスを調達する際の管理および承認プロセスが強化され、購買プロセスと機器や消耗品の在庫管理がより緊密にリンクされるようになりました。
クラウド ERP のメリットはサプライチェーン運用にまで広がります。Hard Rental 社は在庫レベルと物流および倉庫コストの両方を削減することに成功しました。さらに、機器のアップタイム延長、計画外のダウンタイムの削減、設備総合効率の向上によって、設備資産管理コストも大幅に削減されました。
サービスや市場のリーチ拡大
Hard Rental 社は、今後も SAP S/4HANA Cloud Public Edition を活用して、新しい市場への迅速かつコスト効率のよい参入を目指します。次のロールアウト先として、ペルーとエクアドルが予定されています。
このソリューションは、オペレーティングリースからサポート、メンテナンス、ファイナンスに及ぶ現在の Hard Rental 社の機器リースサービスを補完する、新しいサービスの基盤としても活用されていくと期待されています。
CSTI Corp
ラテンアメリカと米国全土で活動する CSTI Corp は、アプリケーションのカスタマイズ、サポート、クラウド移行などの IT ビジネスソリューションを提供しています。Hard Rental 社の導入プロジェクトには、その始まりから関与し、Hard Rental 社が SAP S/4HANA Cloud Public Edition の機能や適用範囲をより深く理解できるよう支援し、SAP BTP による業務プロセスの統合と改善の可能性も提示しました。