TOPPAN、SAP システム導入を通じてシステム基盤のモダナイゼーションを実現

TOPPAN ホールディングスと SAP の歩みを探る
情報コミュニケーション、生活産業、エレクトロニクス事業を柱に多面的に展開するTOPPAN ホールディングスは、SAP ソリューションの導入によって大きな変革を遂げています。同社は、意思決定の迅速化のため、ホールディング制に移行し、生産性を高め、グローバルな課題に対処する持続可能なデジタル変革のリーダーを目指しています。
| 業種 | 地域 | 企業規模 |
| メディア | 東京都、文京区 | 従業員数:53,946 名 |
ホールディングス制への移行を行い、3 つの事業会社へ集約(TOPPAN 株式会社、 TOPPAN エッジ、TOPPAN デジタル).
SAP Business Technology Platform (SAP BTP) を利用して開発したワークフローやユーザー インターフェース画面の改善を通して、業務生産性が 2 倍以上向上.
執行役員 デジタルイノベーション本部 本部長 – TOPPAN ホールディングス
システム基盤のモダナイゼーションを通して変革を起こし、経営基盤を強化
1900 年に凸版印刷合資会社として誕生以来、日本の印刷産業をリードしてきた TOPPAN は、現在大規模な変革を進めています。
変革の柱として、デジタル事業の強化を含めた事業ポートフォリオのシフトと拡大や、ホールディングス制への移行などが挙げられます。
事業ポートフォリオは、デジタルビジネスなどを含めた「情報コミュニケーション事業 分野」、食品などの包装材を扱う「生活・産業事業分野」、印刷技術をガラスやシリコンウェ ハに応用した「エレクトロニクス事業分野」の 3 つの分野を通した変革が、TOPPANグループの主要な 取り組みとなっています。
ホールディングス制は、TOPPANグループは TOPPAN ホールディングス株式会社を持ち株会社と し、その下に、TOPPAN 株式会社、TOPPAN エッジ株式会社、TOPPAN デジタル株式会社を置き 3 つの事業会社に主要事業を集約する形への移行を行いました。TOPPAN ホールディングスがガバナンスを 効かせ、スピーディにシナジー効果を発揮することや、DX・SX・フロンティアの新しい事業を 拡大し、ポートフォリオ変革を確実・円滑・スピーディに実現していくことがホールディング 制移行の大きな狙いでした。"
執行役員 デジタルイノベーション本部 本部長 – TOPPAN ホールディングス
グローバル・スタンダードの SAP システムの導入を通して、経営とシステムの一体化を実現
TOPPANグループは経営基盤を強化するにあたり、人材の強化、研究開発の強化、スマートファ クトリー化、そして全体を支えるシステム基盤のモダナイゼーションを含めた 4 つのテーマを 掲げています。その中でも特に重視されているのが、経営とシステムの一体化や経営情報の一 元化を図るために必要なシステム基盤のモダナイゼーションです。
モダナイゼーションを実現する新たなシステム基盤として、SAP が提供する 2 つのソリ ューションを採用しました。
「SAP S/4HANA」が会計業務および管理業務などを担う基幹システムとして導入。SAP S/4HANA のプライベートクラウドは、SAP 動作環境 用に採用。いずれも SAP Premium Engagement のサービスを活用しています。
さらに、アプリケーション開発やプロセス自動化などを実現するビジネス基盤として 「SAP Business Technology Platform (SAP BTP)」が採用されています。
執行役員 デジタルイノベーション本部 本部長 – TOPPAN ホールディングス
経営情報の一元化によるスピーディーな経営判断の実現
インフラの運用を SAP が担うことにより、TOPPAN グループのエンジニアは「価値を創出する仕 事に注力できるようになった」と、伊藤様は述べています。TOPPANグループのエンジニアの今までの 伝統・愛情やノウハウが詰まったレガシーシステムは内製化率がとても高く、レガシーゆえの 難しさがありました。そこで SAP ソリューションを導入したことにより、エンジニアらは他の 仕事にも注力できるようになり、柔軟性とスピードが生まれています。
さらに TOPPANグループでは SAP BTP を使ってワークフローやインターフェース画面が開発され ており、業務の生産性が 2 倍以上向上しました。また、SAP BTP は多くのエンジニアが使える リソース・仕組みを提供すべく、Java や Node.js などの既存の言語を使ってアプリケーションを 開発することが可能なため、導入を通して TOPPANグループのエンジニアは大きなスキルシフトのない 状態で業務に取り組めています。
TOPPANグループは SAP ソリューションを導入したことにより、経営情報が一元化された形で集 まるようになり、とてもスピーディーな経営判断が実現可能になったと実感しています。
執行役員 デジタルイノベーション本部 本部長 – TOPPAN ホールディングス
「DX」と「SX」によってワールドワイドで社会課題を解決するリーディングカンパニーに (「トッパングループ新中期経営計画」(2023 年 4 月~2026 年 3 月)より)
今後の TOPPANグループの展望は、「DX」と「SX」によってワールドワイドで社会課題を解決す るリーディングカンパニーになることです。デジタルトランスフォーメーション(DX) とサステ ナブルトランスフォーメーション (SX) を通して、変化し続ける時代に適応できる企業体制を整 えていくことが重要なポイントとなっています。
DX の面では、TOPPANグループはデジタルテクノロジーを駆使しトランスフォーメーションを続 けており、その一環として「Erhoeht-X (エルヘート・クロス) 」と名付けたデジタル事業の強化 も進めています。2025 年度に全社営業利益の 30%を達成することが目標です。TOPPANグループは、新 しいデジタル時代到来において、従来のシステムから違った形の、最先端の組織に変革を進め ています。
また SX の面では、サステナビリティはこれからのビジネスにとって不可欠だと考えて います。食品、医療など様々な場面でパッケージとして使用されている包装資材のサステナブ ルな材料の開発など、積極的に SX の取り組みを続けています。
これらの DX と SX は非常に関係が深く、TOPPANグループは両輪で社会課題解決に取り組み、新 しい事業領域への挑戦と企業価値の最大化を進めていきます。