SAP とともに歩む González Byass 社のジャーニー
González Byass 社は、何世代にもわたって働く土地を守ることに長期的な視点で取り組んでいます。ワイン生産者である同社は、循環型の製品ポートフォリオと廃棄物ゼロのアプローチをサポートする SAP Responsible Design and Production ソリューションを活用して、持続可能な材料やリサイクル可能な包装を使用し、サプライヤーとともに循環型経済の実現を目指しています。
| 業種 | 地域 | 企業規模 | パートナー |
| 食品・消費財 | スペイン、ヘレス | 従業員数 900 人以上 | Minsait |
不要になった紙、段ボール、ガラス、プラスチックのリサイクル率
廃棄物の回収率
SAP サプライチェーン兼財務責任者、González Byass 社
循環性を取り入れて地球保護の伝統を守る
「ティオ・ペペ・シェリー」などのブランドで有名なワインとスピリッツの生産者である González Byass 社は、1835 年から自然環境の保護に取り組んできました。同社はスペイン、メキシコ、チリに 2,000 ヘクタール以上のブドウ畑を所有し、環境保全に真摯に取り組んでいます。同社の掲げる「5+5」コミットメントは、ゴンサレス家が 5 世代にわたって土地を守りながら、21 世紀まで会社を運営してきたように、次の 5 世代もその使命を果たさなければならないというものです。
国連の持続可能な開発目標 (SDGs) を実践する同社は、さまざまな形でこの取り組みを続けています。例えば、「Vineyard Angel（ブドウ畑の保護）」プロジェクトでは、消滅の危機に瀕した古いブドウ畑の保護・維持を目指しています。同社はまた、節水型の持続可能な農業技術を展開し、その土地固有のブドウ品種を再導入し、再生可能エネルギーを活用しています。循環型経済を促進する取り組みには、プラスチックやラベルインクの使用削減、廃棄物の回収、有機廃棄物からの堆肥や燃料の生産、不要になった紙、段ボール、ガラス、プラスチックのリサイクルなどがあります。
González Byass 社は、包装や循環性において自社で実践していることを幅広いサプライヤーに広めたいと考えていました。同時に、再利用できないプラスチック包装の製造、輸入、EU 域内での取得に対するスペインの新たな課税など、環境規制への対応を容易にできたらとも考えていました。こうした目標を達成するには、リサイクルデータ管理に使っている既存のソフトウェアを、より包括的で透明性の高いソリューションに置き換える必要がありました。
環境への影響の軽減に向け、データを一元化
González Byass 社は、業界向けクラウドソリューションである SAP Responsible Design and Production ソリューションには、必要な機能が備わっていると判断しました。SAP Responsible Design and Production は、持続可能な製品設計に加え、EU やその他各国で進化を続ける循環経済規制への対応を一元化されたソリューションで支援します。
このソフトウェアは、González Byass 社が社内システムやサードパーティーシステムのデータにアクセスし、そのデータをグローバル規制に関する情報と組み合わせて、主要市場における自社の義務を計算できるようにします。また、同社が拡大生産者責任 (EPR) 料金、プラスチック税、多様なコーポレートコミットメントを計算し、報告するのを支援します。さらに、設計時の選択に伴うコストや環境への影響を製品ライフサイクルの視点から検討できるように、戦略的な意思決定者により深いインサイトを提供します。
ほかにも、このソリューションは González Byass 社に導入済みの SAP ERP アプリケーションやその他の SAP ソフトウェアとスムーズに連携できるため、既存のビジネスコンテキストやデータ、構造を再利用できるという利点もありました。
SAP Responsible Design and Production を選択した同社は、SAP パートナーの Minsait と協力し、5 カ月にわたるプロジェクトでこのソリューションを導入しました。
コンプライアンスを確保し、責任ある選択を促進
González Byass 社では現在、SAP Responsible Design and Production を基盤として、コンプライアンスを確保し、責任ある選択を行うための体制が整備されています。同社は、梱包資材や製品に含まれる補助材の両面において、サプライヤーの資材を詳細に把握できるようになりました。また、こうした情報を直感的に構造化し、各製品の市場投入量と紐づけることも可能です。
González Byass 社は、SAP Responsible Design and Production に自社の EPR データを一元化することで、事業展開している各国の情報にすばやくアクセスし、それぞれの国ごとに環境製品宣言を迅速かつ正確に行えるようになりました。このソリューションのインターフェースは、こうしたデータを直感的かつ迅速に報告できるため、ユーザーから高い評価を受けています。
同社は、使用する材料を測定し、その測定値が時間とともにどのように変化し、税務やサステナビリティ KPI にどういった影響を与えるかを調査することができます。また、スペインのプラスチック税など、環境に関わる料金や税金を正確に計算し、規制コストを削減するための対策を講じることもできます。ほかにも、適切なトレードオフを見極め、戦略的ポートフォリオ内での意思決定プロセスを簡素化することも可能です。
また、SAP Responsible Design and Production によってもたらされる包括的な情報やレポートを活かして、同社はサプライヤーやその他の組織を自社のサステナビリティの取り組みに巻き込もうと、長期的な活動を進めています。こうした情報は、例えば、スペインのワイン業界におけるガラス瓶再利用システムの開発の実現可能性を探る REBO2VINO プロジェクトに関連して同社が行っている循環型経済の取り組みで役立っています。
さらに、サステナビリティに関する課題に対する企業のパフォーマンスについて、消費者の関心がますます高まる中、González Byass 社は、消費者が購入している製品が環境に与える影響についての情報をより簡単に提供できるようになっています。
この先見性のあるプロジェクトの結果、SAP Responsible Design and Production の導入により、González Byass 社はサステナビリティヒーロー部門で SAP Innovation Award を受賞しました。この賞は、SAP のクラウドソリューションを活用して、包括的な経済の構築、持続可能な未来の形成、社会や環境へのプラスの影響の創出、より良い世界の実現、そして人々の生活の改善に取り組んでいることを称えるものです。
インサイトの活用・共有により、地球保護の継続に貢献
González Byass 社は、今後も変化を続ける環境関連の法律、規制、税法への準拠に SAP Responsible Design and Production が役立つと確信しています。
例えば、このソリューションのサステナビリティ機能を利用して、自社の梱包が環境に与える影響について、さらに情報を収集する予定です。また、そうした情報をスペインの環境移行省などの組織と共有することもできます。
ほかにも、SAP Concur ソリューションを活用して、スペイン、メキシコ、チリ、米国における出張経費の管理・清算で紙の使用をなくす取り組みも進めています。
瓶の軽量化や、ラベルやキャップを環境にやさしいものにする斬新な方法の発見などを通じて、González Byass 社は SAP Responsible Design and Production を軸に、サステナビリティへの自社の取り組みだけでなく、サプライヤーの取り組みをも一層深めていきます。
主要パートナー
Indra 社傘下の Minsait 社は、スペインと中南米のデジタルトランスフォーメーションと IT をリードする企業です。同社は、人を中心とした革新的なソリューションやサービスを通じて、ビジネスと社会の変革を推進し、人間の技術革命を実現することを目指しています。