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Watco 社:正確でタイムリーな財務データによる社内の期待の一致

SAP のお客様 Watco 社のロゴ

SAP とともに歩む Watco 社のジャーニー

運輸・物流大手の Watco 社は、200 カ所の拠点の財務計画、予測、レポートプロセスを合理化したいと考えていました。同社は、計画向け SAP Analytics Cloud ソリューションが提供するデータの正確性、一貫性、報告可能性、適時性を生かして、チームメンバーに最新情報を伝えることで、チームメンバーと期待の一致を図ることができるようになりました。

業種地域企業規模パートナー
貨物輸送・ロジスティクス米国カンザス州従業員数:5,000 人Analysis Prime 社、Avvale 社
95% 以上

チームへの指標提供の改善率(3 日からオンデマンドへ)

320 人

企業計画に協調して取り組んでいるチームメンバーの人数

1

200 の利益センターが依拠する正確な情報源の数

今後 20 ~ 30 年にわたって会社を持続させることができる IT プラットフォームが必要です。RISE with SAP S/4HANA Cloud Private Edition、計画向け SAP Analytics Cloud、その他の SAP Business Technology Platform 機能を導入したことで、起業家精神にあふれる成長著しい企業として必要な俊敏性と柔軟性を実現できました。
コーリー・コリック (Corey Corrick) 氏
Watco Companies LLC、IT アプリケーション担当バイスプレジデント

財務計画、レポート、および予測プロセスの合理化

1983 年に設立された Watco 社は、1 台の機関車から、業界大手の貨物・商品輸送、サプライチェーン、および物流サービスプロバイダーへと成長しました。北米およびオーストラリア全域に拠点を構え、42 路線の短距離鉄道網を所有・運営しています。また、複合一貫輸送貨物の引き継ぎのためのターミナルおよび港湾拠点を 92 カ所保有し、幹線道路輸送、トラック輸送、はしけ輸送の国際仲介事業を展開しています。同社は、線路、倉庫、コンベヤーシステムなどの分野への投資により、過去 15 年間にわたって 12% ~ 15% の劇的な成長を遂げてきました。しかし、安定した基幹事業にこうした高度成長の側面が相まって、IT システムの遅延などの独自の課題が生じていました。これは、安全性、カスタマーサービス、収益性の継続的改善が求められる中で特に困難でした。もう 1 つの問題は、データソースが多すぎることとデータソース間の統合不足により、データの正確性や意思決定に要する時間に影響が生じていたことでした。

 

Watco 社は、スタンドアロンシステム、管理チーム、損益計算書を使用して、約 200 の利益センターの財務パフォーマンスを測定・評価していました。収益と日常の営業費用の計画、追跡、報告、および予測プロセスは、Microsoft Excel スプレッドシートに基づいていました。フィールドチームメンバーは、階層の変更や新規利益センターごとにテンプレートを手動で更新する必要があり、各拠点の過去の成長率を確認して盛り込む余力はありませんでした。また、多くの場合、200 を超えるタブを含むスプレッドシートに情報を順次入力し、計画データのアップロードを手動で行う必要もありました。これらのプロセスは面倒で時間がかかる上に、大規模で複雑なスプレッドシートは一般に統合、保守、検証が困難で、人為的ミスが発生しやすい傾向がありました。その結果、データの正確性、一貫性、更新可能性、報告可能性に問題が生じ、チームメンバーは財務情報が予算に与える影響をタイムリーに測定することが困難になり、会計チームは資本支出の計画や報告ができない状態に陥りました。最終的に、手動による営業費用の追跡と予測では、収益の成長に追いつかなくなっていました。

 

Watco 社は、自社のキャッシュフローの 80% を構成する 20 ~ 30 の利益センターの予算編成プロセスを詳細に把握できるようにしたいと考えました。残りの約 180 のセンターについては、全体的な成長率と営業費用増加率の傾向と活用に重点を置いた、より高度な計画プロセスの実現を目指しました。そして、これら 2 つの異なる角度から計画プロセスを管理できる柔軟性を追求しました。さらに、長期的な視点から、200 拠点から 500 拠点まで拡張可能性があるプロセスを必要としていました。

究極の柔軟性が得られるシステムを導入しました。これは重要な要件でした。全体の計画プロセスの損益計算書から 20 ~ 30 拠点をボトムアップで詳細に把握したり、約 180 拠点の大まかな成長率を追加して、わずか 20 分で年間予算を編成したりする機能があります。
アンディ・ニールセン (Andy Nielsen) 氏
Watco Companies LLC、社最高会計責任者

デジタル基盤の構築と分析機能の推進

Watco 社は、SAP ERP Central Component に代わるデジタル基盤として、RISE with SAP S/4HANA Cloud Private Edition を選択しました。また、計画向け SAP Analytics Cloud ソリューションを導入して、財務計画、レポート、および分析領域を強化しました。特に、このソリューションにより、SAP S/4HANA Finance ソリューションからのデータの自動予測や分析・レポート機能を活用したコラボレーティブな計画立案が可能になります。さらに、接続を加速させ、将来の成長に対応するプラットフォームとして、SAP Business Technology Platform を導入しました。このプラットフォームは、事前構築済みのビジネスアクセラレーターをはじめとする機能を生かして、財務計画と ERP の円滑な統合を実現します。また、人事部門の採用管理、オンボーディング、報酬、および給与計算機能をカバーするために、パブリッククラウドに SAP SuccessFactors ソリューションを採用しました。

 

Watco 社は、ファイルサーバーや SAP S/4HANA Cloud のコアデータサービスビューレプリケーションなどのデータソースを生かして、計画向け SAP Analytics Cloud を使用して総勘定元帳の明細レポート、分析、計画機能にアクセスできるようになりました。その結果、現在では会社全体の包括的なビューだけでなく、200 拠点ごとの損益勘定も把握できるようになっています。このソリューションによる新しいプロセス出力として、ドリルスルー詳細、財務補足パック、収益レポート、追跡スコアカード、年間予算、収益および営業費用の月次予測と再予測などがあります。また、ウェブと SAP Analytics Cloud 向け Microsoft Office アドインを通じて、プライマリーインターフェースとセカンダリーインターフェースを利用しています。Watco 社は、SAP Analytics Cloud のスペシャリストである Analysis Prime 社と、特にソリューションアーキテクチャーおよび導入サービスについて提携しました。加えて、Avvale 社と協力して RISE with SAP S/4HANA Cloud Private Edition に移行し、実行の迅速化を実現しました。

 

レポートの大部分は計画向け SAP Analytics Cloud で実行されますが、Watco 社は SAP Fiori のユーザーエクスペリエンスを利用してビジネスプロセスに沿った組み込み業務レポートも実行しています。また、オフラインの Microsoft Excel スプレッドシートから、統合型自動計画・レポートシステムへの移行を円滑に進めるために、変革管理プログラムにも着手しています。

「ロッカールーム」を素晴らしい場所にする唯一の方法であり、期待を一致させる唯一の方法でもあるのは、期待していることを明確に伝えるコミュニケーションです。計画向け SAP Analytics Cloud は、その整合性に関するコミュニケーションを、現場で日々業務を遂行しているチームメンバーにすばやく戻すことができます。
アンディ・ニールセン (Andy Nielsen) 氏
Watco Companies LLC、社最高会計責任者

タイムリーで正確なデータによる経営陣とチームの期待の一致

Watco 社は「日々改善する」という考え方に基づき、計画向け SAP Analytics Cloud による次世代のクラウドベースの計画・レポート機能の実現を目指しています。この機能は、データの正確性、一貫性、報告可能性、適時性の確保に役立ちます。RISE with SAP S/4HANA Cloud Private Edition と計画向け SAP Analytics Cloud を組み合わせることで、財務、レポート、計画、分析の情報源が一元化され、将来の成長が促進されます。企業計画との整合性が強化されることで、これらのインテリジェントなインサイトを活用してリアルタイムの調整を行うことができ、業務の俊敏性向上、コスト削減、意思決定の改善に役立ちます。

 

最大のメリットの 1 つは、外部ツールと集中型 ERP システムとの統合が最小限で済むことです。これはデータフローの合理化やタイミングの問題の解消に役立ちます。例えば、財務チームが 8 月に計画を開始する場合、4 ~ 5 カ月の予測期間に 8 カ月分の実績データがあることになり、11 月には 11 カ月分になります。膨大な工数を費やして、こうしたスプレッドシート情報を手動で更新する代わりに、ボタン 1 つで更新することができます。Watco 社は、これまで上位 10 ~ 20 の利益センターについて四半期ごとに再予測プロセスを実行していましたが、現在ははるかに短い間隔で詳細な再予測プロセスを実行する機能と柔軟性があります。現場には、3 日どころかリアルタイムで予測指標が提供されます。この自動化により、再予測プロセスが大幅に強化され、ミスが抑えられると同時に、SAP システムと外部システム間の統合がシンプル化されることで、より迅速な結果、柔軟性、拡張性も実現します。

 

Watco 社は、フィールドチームに対する期待の明確な伝達と一致を重視しながら、フィールドチームに説明責任と権限を与えています。わかりやすいレポートにより、200 人のチームメンバー全員に予測をタイムリーかつ正確に提供することで、重点を置くべき事項について明確な期待を社内で共有することができます。データは数時間からわずか数分の間隔で更新されるため、チームメンバーは最新情報にすばやく簡単にアクセスでき、時間と労力が大幅に削減されます。また、計画向け SAP Analytics Cloud から RISE with SAP S/4HANA Cloud Private Edition へのライブ接続により、会計チームもリアルタイムデータを管理することができます。

 

Watco 社は、円滑な移行と計画・レポートソリューションのスピードや精度に関する肯定的なフィードバックにより、大幅なパフォーマンス向上を達成し、信頼できるデータで確信の持てる計画を立案できるようになりました。

通常、戦略計画、事業計画、財務計画があり、それらの結果を従業員全員に伝える必要があります。また、計画の調整を図ることができるように、従業員全員が計画の進捗状況を把握する必要があります。
アンディ・ニールセン (Andy Nielsen) 氏
Watco Companies LLC、社最高会計責任者

その他の SAP ソリューションの展開

Watco 社は、IT ランドスケープに SAP のソリューションとサービスをさらに組み込む計画で、すでに利用している SAP Enterprise Portfolio and Project Management パッケージを活用して、将来の計画サイクルにおける資本支出に関する計画とレポートを提供する予定です。また、損益および資本計画活動からのアウトプットを利用して、キャッシュフロー計画・管理機能にも取り組むつもりです。

 

同社は、要員、流動性、サプライチェーン、販売、収益といった他の計画領域における SAP Analytics Cloud のコンテンツの最適化と拡張について考えているほか、不動産レポート機能の検討にも強い意欲を示しています。さらに、追加のデータソースの統合に向けて、SAP Business Technology Platform で実行される SAP Integration Suite の評価も積極的に行っています。

主要パートナー

Analysis Prime 社は、2015 年から SAP Analytics Cloud に関与しており、同社の共同創業者はこのソリューションをいち早く導入しました。それ以来、この計画・分析コンサルティング会社は、SAP Analytics Cloud におけるグローバルリーダーとしての評判を築き、これまでに 300 件を超えるプロジェクトの導入を成功に導いています。

Avvale 社は、Techedge 社による NIMBL 社の買収によって誕生した世界的コンサルタント会社であり、テクノロジーおよびビジネスインテリジェンスアドバイザリーサービスのほか、ソフトウェア導入サポートを提供しています。さまざまなデジタルコンピテンシーを共通のビジョンに基づいて調整しながら統合することで、顧客のデジタルトランスフォーメーションを加速させ、現在から将来にわたって成功できるように支援します。

その他の導入事例

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