SAP ERP のさらなる活用—財務変革の次のステップとは
SAP ERP ソリューションは、AI、データ、自動化を組み合わせることにより、効率性の向上、収益性の強化、コンプライアンスの維持を支援し、お客様の財務変革をサポートします。
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財務変革の台頭
財務変革は、CFO とそのチームにとっては比較的新しい課題です。従来の財務は、報告やコンプライアンス、取引効率の強化に重点を置いていました。ですが、コスト削減へのプレッシャーにさらされるようになり、いまやビジネス戦略策定への期待が寄せられるようになるなど、その役割は時間の経過とともに拡大しています。かつては定期的な報告に限定されていたコンプライアンスも、現在では環境、社会、ガバナンス (ESG) 基準の継続的な監視が求められるようになりました。複雑さが高まり、デジタルツールが進化するにつれて、財務リーダーにはリアルタイムのインサイトを提供し、リスクを管理し、持続可能な成長を導くことが期待されています。
SAP ERP ソリューションは、こうした進化のための基盤となります。すべては ERP コアから始まります。ERP コアとは、財務、サプライチェーン、調達・購買、人事、その他の重要なプロセスが実行される中核的な記録システムです。このコアをモジュール型の財務ソリューションで拡張することにより、組織としてプロセスを刷新し、定型業務を自動化し、今後を見据えた正確性の高いインサイトを提供することが可能になります。AI、信頼性の高いデータ、コネクテッドアプリケーションの組み合わせにより、SAP の財務ソリューションが CFO とそのチームの取り組みを取引の管理から未来のビジネスの構築へと導きます。
SAP ERP による財務変革のサポート
SAP ERP ソリューションでは、会計、計画、財務/資金管理、税務、コンプライアンス、収益の各プロセスが 1 つのフレームワーク内で接続されます。スタンドアロンの財務ツールと異なり、SAP のクラウド ERP ソリューションなら、企業全体にわたってデータとアプリケーションが統合されるため、財務チームとして以下を実行できます。
- SAP の財務レポートと予測分析による、確実性の高い意思決定
- 財務管理を自動化し、効率性を高め、コストを削減
- 組み込みの統制機能とグローバル監視機能による、リスクの軽減とコンプライアンスの確保
- 資金の可視性と財務/資金管理に関するインサイトの強化による、運転資本の有効活用
- 炭素会計と ESG 指標の統合による、サステナビリティ目標のサポート
こうしたモジュール構成を通じて、CFO とそのチームは、決算処理の迅速化、サブスクリプションベースの収益の実現、ガバナンスの強化など、それぞれのニーズと状況に応じて、新たな機能の導入を進めることができます。SAP の財務ソリューションでは、財務データがサプライチェーン、人事、調達・購買間で統合されるため、CFO は現状の課題と将来的な機会のバランスを図るのに必要な可視性と統制機能を獲得できます。
財務変革のコア領域
SAP と財務に関して言えば、会計管理はもちろんですが、主に重点が置かれるのは、計画、財務/資金管理、コンプライアンス、収益の各プロセスを 1 つの統合システムで接続することです。決算処理から成長計画、流動性の確保からコンプライアンス要件の遵守まで、財務の各領域はテクノロジーを通じて再構築されます。SAP クラウド ERP ポートフォリオでは、これらの領域が集約された 1 つのフレームワークに統合されるため、財務チームとしてはサイロ化された環境の最適化を行うことなく、全社的に変革を進めることができます。
コア財務プロセスの管理
財務変革の基盤の中心となるのは、会計、決算、計画です。これらが、効率性、正確性、インサイトが最も重要視される基本プロセスになります。
SAP ERP システムを活用することで、財務チームは、インテリジェントな自動化を通じて法人およびグループ決算を合理化し、手作業とエラーのリスクを削減できます。リアルタイム監視により、決算期の課題を把握し、統合されたデータを通じて、組織全体での会計の正確性を確保できます。
計画の側面に関しては、財務リーダーは、企業規模でのシナリオのモデル化、数十億件もの記録に基づいた戦略のストレステスト、財務データと ESG データの 1 つの計画への統合を行うことができます。AI エージェントにより、予測が迅速化され、その結果に基づくインサイトが創出されるため、CFO はビジネスに関する確実性の高い事前対応型の意思決定を行うことができます。
流動性と財務/資金管理の最適化
財務/資金管理は、依然として財務のレジリエンスを支える基盤です。SAP ERP ソリューションは、リアルタイムの資金の可視化、支払処理の自動化、高度なリスク管理を目的としたツールを活用することで、コア財務を拡張します。CFO は、運転資本の利用を促し、銀行とのネットワークを合理化し、運用コストを削減できます。流動性と財務/資金管理を一元化することで、市場の変動時においても組織として俊敏性を高め、信頼性を維持できます。
Quote-to-Cash による収益の促進
財務変革はコスト管理を合理化するだけでなく、成長も促進します。SAP クラウド ERP ソリューションなら、製品選定から価格設定、請求、収益認識、更新に至るまで、Quote-to-Cash プロセスの完全統合が可能です。自動化を通じて、手作業によるミスを削減し、現金化までの時間を短縮できるほか、組み込み型のアナリティクスを通じて、財務リーダーは利益と経常収益をリアルタイムで把握できます。これにより、サブスクリプションや従量課金といった新たなビジネスモデルの導入が容易になり、企業としてコンプライアンスを確保しながら収益源の拡大を図ることができます。
グローバルコンプライアンスへの対応
財務リーダーは、税規制、国際的な取引要件、リスク管理など、コンプライアンスがますます複雑化していく状況に直面しています。SAP クラウド ERP ソリューションなら、日常的なプロセスにコンプライアンスを組み込めるため、業務の中断を回避し、自社に対する評価を維持できます。
税務・貿易管理ソリューションを通じて、レポート作成が自動化され、グローバルウォッチリストに照らし合わせて取引を審査できます。また、通関管理がデジタル化されることで、コンプライアンスコストを削減し、規制リスクを軽減できます。ガバナンス、リスク、コンプライアンス (GRC) 機能の強化を通じて、継続的な監視、統制の自動化、事前対応型のサイバーガバナンスとアクセスガバナンスを実現します。
これらの機能を SAP ERP システムに統合することで、財務チームは事後対応型のコンプライアンスから事前対応型のリスク管理へと移行し、現状の課題に対応すると同時に、将来的な規制への準備を進めることが可能になります。
SAP Cloud ERP ソリューションによる財務変革の例
財務変革の内容は業種によって異なるものの、共通しているのは、SAP のクラウド ERP ソリューションを活用することで、サイクルを短縮し、複雑な業務を自動化し、事後対応型の報告から予測インサイトの取得へと移行する点です。実例をいくつかご紹介します。
- Amadeus 社:SAP Cloud ERP ソリューションにより、受注から入金までのプロセスと決算処理プロセスを統合し、月次決算処理を迅速化することで、99% を超える請求処理精度を達成し、1 日 1 億 5,000 万件を超えるトランザクション処理を実行しています。
- BT Group 社:11 のレガシー財務プラットフォームを廃止し、年間数百万ポンド規模の節減を実現しています。
- Pfizer 社:SAP のクラウド ERP ソリューションの活用により、グローバル規模での月次決算の調整を行い、1 つのシステムで 400 件を超える法人決算処理を実行し、4,800 件のタスクを管理し、2,800 件のタスクを自動化しています。
デジタル時代における財務変革
デジタルトランスフォーメーションによる企業の再構築が進むなか、その中核を担うのが財務です。SAP のクラウド ERP ソリューションを使用することで、財務部門は孤立して機能するのではなく、ビジネス全体にわたる意思決定を促進できます。予測結果を踏まえて生産計画を策定し、流動性モデルを通じて投資戦略を導き、コンプライアンスダッシュボードを基にサプライチェーンを混乱から保護することが可能です。財務変革はデジタルトランスフォーメーションのアドオンなどではなく、これを推進するための主要な原動力の 1 つです。
また、変革を通じて、測定可能な結果を生み出す必要もあります。SAP クラウド ERP ソリューションを活用することで、財務チームは唯一の正確な情報源に基づいて作業を実行できます。この情報源は、照合、請求書一致処理、予測などの自動化を通じて、多大な処理を実行する AI エージェントによって強化されます。SAP のセントラルファイナンスでは、さまざまなシステムにわたる財務転記を一元化することで、これらの機能を拡張し、財務リーダーは既存の業務を中断することなく、連結レポートの作成や分析を実行できます。従来は数週間を要していた作業を数日で実行できるほか、スプレッドシートによる手作業に依存することなく、バックグラウンドで継続的に作業を実行することが可能になります。こうした変化により、財務担当者はより多くの時間を戦略の策定やビジネスへの提言にかかわる仕事に費やすことができます。
今後を見据えた場合、サステナビリティを中心に置かずして財務変革を完遂するというのは不可能です。規制当局や投資家、顧客は透明性を求めており、財務はその要望に応える最前線に立っています。SAP のクラウド ERP ソリューションであれば、ESG データと炭素会計を財務計画や財務報告に取り込むことで、CFO は収益性と企業としての責任を関連付けることができます。これにより、財務リーダーとしてコンプライアンスを確保する一方で、財務パフォーマンスと環境アカウンタビリティを両立できる長期的な成長へと組織を導くことができます。
FAQ(よくある質問)