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窓にプレゼンテーション用の張り紙を貼る女性

ERP デプロイメントの計画

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新しい ERP システムを検討することになったら、次に行う大きな決断とは何でしょうか。それは、ERP システムをどのような形でデプロイするかです。従来のオンプレミス、クラウドデプロイメント、またはその両方のハイブリッドの組み合わせなど、いくつかのアプローチから選択することができます。財務面での違いを考慮し、各 ERP デプロイ戦略の長所や魅力、特有の制限や課題を検討する必要があります。

ERP のデプロイメントオプションを検討する前に、デジタルエコノミーでのビジネスの成功にクラウドが不可欠な環境になっている理由と仕組みをご確認ください。

クラウドデプロイメントに関心が集まる理由

私たちは皆、コンピューターテクノロジーがかつてない速さで進化し続けているのを強い関心を持って見守っています。パンチカードやキーツーディスク入力に取って代わったのは、ユーザー入力用の「ダム」端末を備えた大型のメインフレームとミッドレンジコンピューターで、初期のビジネスシステムや最初の ERP システムはこれらによってホストされていました。その次に「最先端」テクノロジーとなるクライアント/サーバーアーキテクチャーでは、ダム端末が、作業負荷の一部を処理できる(現在はクライアントと呼ばれる)PC に置き換えられました。これにより、サーバーコンピューターとやり取りされるデータ量は削減されました。

ミレニアムの頃、2 つの重要な新技術がコンピューティングと ERP の世界を変えました。インターネットとクラウドです。ビジネスを運営するのに、ハードウェアやソフトウェアを購入して、サポートする必要はなくなりました。今では、テクノロジーの大部分を、すべての保守と技術的運用の多くを含むバンドルで「レンタル」またはアウトソーシングできるようになりました。ユビキタスなインターネットは、クラウドを実用化し、世界中のどこからでも利用を可能にする通信インフラを実現しました。

しかし、企業は ERP システムをすぐにクラウドデプロイメントへと移行したわけではありません。テクノロジーとアプリケーションが成熟するにはある程度の時間がかかりました。また、基幹業務アプリケーションへの信頼性の高いアクセスとセキュリティを実現するのに、コンピューターをオンサイトに設置する必要がないことを企業が認識するにも時間が必要でした。このように進化を遂げる過程で、開発者は以下を実現する方法を学びました。

そして重要なのは、現在、クラウド ERP システムが、生産性とサービスを向上させる人工知能 (AI)機械学習などの高度なテクノロジー、定着を促進するカスタマイズされたユーザーエクスペリエンス、ビジネスの全体像を提供する幅広い機能と組み込みアナリティクスを提供し、最終的にビジネスのイノベーションと成長をサポートしている点です。

SaaS 価格モデル

これまで、ほとんどのソフトウェアはオンプレミスでインストールされていました。また、ライセンスのオプションは、初期費用とアップグレードやバグ修正のための年間保守契約に対してアプリケーションをライセンスする永久ライセンスを購入することしかありませんでした。ソフトウェアライセンスはほとんどの場合、ユーザー単位で価格設定されます。年間保守料金は通常、その時点でのソフトウェア定価の 18% ~ 20% で請求されます。つまり、ソフトウェアライセンスは基本的に 5 〜 6 年ごとに「再購入」されることになります。

オンプレミス ERP では、すべてのハードウェアとソフトウェアが購入またはリースされ、会社の拠点にインストールされます。会社は、ハードウェア、システム、アプリケーションソフトウェアの保守、サポート、想定されるアップグレードや拡張、さらに施設スペース、電気料金、保険、フェイルオーバーリソース、オフサイトバックアップストレージの責任を負います。

一方、クラウドベースの ERP システムは通常、オンサイトでインストールされず、月額料金または年間料金の一部でサプライヤーによってサポートされます。これらは、いわゆる SaaS (Software-as-a-Service) ベースでライセンスされます。SaaS ライセンスは、会社の規模やその他のバリエーションに基づいて、ユーザーごと、アプリケーションごと、またはアプリケーションセット(ERP 全体など)ごとに価格を設定できます。

クラウドデプロイメントライセンスの興味深い点は、その拡張性にあります。ユーザー「シート」単位でライセンスを取得している場合は、ユーザーを追加/削減し、新しいユーザー数に基づいて支払う料金を増減させることができます。トランザクション量、ストレージ容量、またはコンピューティング能力の要件が変更された場合には、サプライヤーが変更に対応して機能をアップグレードする責任を負います。つまり、自社で追加のサーバーやディスクストレージを購入してインストールする必要はありません。

最も似ている例えはケーブルテレビかもしれません。必要なものに対して支払を行いますが、その料金にはお客様の拠点のケーブルサービスに関連する、物理施設全体の使用や運用、人員、保守、その他の費用が含まれています。チャンネルを追加する必要がある場合は、リクエストした分を支払うだけで、追加チャンネルの提供方法について心配する必要はありません。

ERP デプロイメントオプション

ERP システムを導入するにはいくつかの方法があります。

1. SaaS ERP とも呼ばれるクラウド ERP

クラウド ERP において、主要なライセンスモデルは SaaS (Software-as-a-Service) です。システムプロバイダーは自社のデータセンターを持つか、パブリッククラウド上のスペースを借りてアプリケーションとシステムをホストすることができます。すべてのハードウェア、システム、サポートサービスはインターネットを通じて提供されます。ハードウェアとソフトウェアのすべてがすでに用意されているため、ユーザー企業はデータ転送やユーザートレーニングをすぐに開始でき、導入がより迅速かつ容易になります。

このクラウド ERP デプロイメントオプションを活用すれば、貴社のソフトウェアプロバイダーがすべてのインストール、保守、サポート(コンピューティング能力やストレージの追加など、一切のソフトウェアの更新とアップグレードを含む)にも対応します。また、システム、アプリケーション、リソースは、変化し続ける短期的なニーズに合わせて「オートスケール」、つまり自動的に増減することができます。そのため、オンプレミスの ERP システムとは異なり、あまり使用されていない可能性のあるコンピューティングリソースに対してお金を支払う必要はありません。

クラウドベースの SaaS ERP では、初期費用(「資本支出」)はほとんどまたはまったくかかりませんが、一般的なオンプレミスのインストールと比較すると、月額費用(「運用コスト」)が多少高くなります。通常のライフサイクルコスト期間である 5 ~ 7 年で見た場合、総所有コスト (TCO) はオンプレミスのインストールと同等かそれ以下になり、より優れたサービス、サポート、セキュリティが提供される可能性が高くなります。

また、クラウド ERP はイノベーションへの最短パスとなるため、デジタルトランスフォーメーション戦略を積極的に推進したい企業に最適です。このデプロイメントオプションにより、企業は必要に応じてビジネスプロセスを簡単に再構築、最適化、調整したり、現代の ERP ベンダーがサポートすべき標準化されたベストプラクティスを利用したりすることができます。

2. オンプレミス ERP システム

オンプレミスは、企業の多くがこれまで ERP システムをデプロイしてきた方法です。このデプロイメントモデルでは、ERP ソフトウェアは、各社が管理するデータセンターにインストールされます。ハードウェアの設置、ソフトウェアのインストール、メンテナンスは、各企業の担当者が行います。

今日、企業は柔軟性、拡張性、イノベーションの容易さを求めてクラウドを採用しています。ただし、一部の企業(特に厳しく管理されている業種の企業)にとっては、法律、規制、組織の制約により、オンプレミスの方が好ましいアプローチとなる場合もあります。

3. ハイブリッド ERP システム

クラウドとオンプレミスの ERP デプロイメントの要素を組み合わせてハイブリッドクラウドを構築すると、各アプリケーションに最適なデプロイメントを柔軟に選択できるようになります。ハイブリッドクラウド ERP は、クラウドへの足がかりとして使用したり、特定の状況下でオンプレミスアプリケーションが必要になることが想定される業種の規制上の問題や特別なセキュリティ要件を満たすために使用したりすることが可能です。特定のアプリケーションではその他の制限や設定があり、オンプレミスが望ましい場合もあります。ビジネスの複雑さや現在の環境が要因となって、また、変化のスピードを緩やかにするために、ハイブリッドシナリオでのデプロイが選択されています。

ハイブリッドの導入では、ワークロードの変化に応じて、アプリケーションやデータをオプション間で移動させることができます。クラウド上にあるシステム部分がクラウドによるメリットを実現します。ただし、オンプレミス部分のサポートや 2 つ以上の ERP システム環境間の調整には、現地の IT 部門の関与がより多く必要になります。

4. 2 層 ERP

同じ理由で行われるハイブリッドアプローチのバリエーションに 2 層 ERP デプロイメント(ハブアンドスポークデプロイメントとも呼ばれる)があります。2 層 ERPでは、遠隔地の施設をサポートする小規模なサテライトシステムを備えた一元的なシステムを採用しています。企業の ERP をハブとして考えると、子会社の工場、倉庫、オフィスにある個々の ERP システムすべてがハブにデータをフィードバックします。2 層 ERP は新しいものではありません。1990 年代の分散処理フェーズで登場したもので、企業は本社で大規模かつ高機能な企業システムを維持しながら、遠隔地で小規模かつシンプルで低コストのシステムを導入します。2 層ネットワークの一部またはすべてのシステムは、オンプレミスまたはクラウドベース、購入または SaaS ライセンスのいずれかから選択できます。

2 層 ERP のデプロイメントにかかる全体的なコストは、同一の企業システムをすべての箇所に導入するのではなく、ノードに低コストのシステムを導入するため、初期購入費用が低くなります。しかし、統合とサポートに関しては、インターフェースの構築と保守が必要なため、全体的な継続コストが高くなる可能性もあります。そして年を追うごとに、複数のサプライヤーと連携したり、調整されていないアップグレードスケジュールやインターフェースの変更を管理したりするために、より多くの IT サポートが必要になります。

選定プロセスのヒント

まずは、ERP 評価プロセスで慎重にソフトウェアを選定し、次にソフトウェアのデプロイメント機能、会社のニーズ、潜在的な ERP 投資回収率に基づいてデプロイメントオプションを検討します。クラウドや SaaS のみの ERP ソフトウェアもあれば、クラウド、オンプレミス、ハイブリッドを提供するベンダーもあります。利用可能なデプロイメントオプションは、候補リストに加える基準になる 場合もあります が、それだけでシステム選定の決定要因にはなりません。

急成長中の企業や、今後ユーザー数の変化(増加または減少)が見込まれる企業は、拡張性と従量課金制に対応したクラウド ERP システムを重視する必要があります。また、選定チームのすべてのメンバーが、さまざまな ERP デプロイメントオプションの特長と利点を理解するようにします。

まとめ

企業は、最初の段階では、資本支出がほとんど(またはまったく)ないことや、ライフサイクル全体のコストを削減できることなどの経済的な理由で ERP のクラウドデプロイメントに興味を持つのかもしれませんが、その後、クラウドが提供する以下の技術的・運用上の利点に魅力を感じるようになります。

また、完全なクラウドデプロイメントだけがオプションではありません。アプリケーションの一部をオンプレミスに保持し、残りはクラウドを利用する方が理にかなっている場合もあります。幸い、さまざまな構成やデプロイメントの選択肢が用意されているため、経済的にも運用的にも最も理にかなったデプロイメントを選択することが可能です。

新しい ERP システムへの移行は、システムユーザー、IT 部門、組織全体にとって大きな変化です。あらゆるオプションを検討し、最高のパフォーマンスを最高のコストで提供するシステム構成を選択することが賢明です。そして、構成やデプロイメントの内容に関係なく、投資を最大限に活用するために、社内のリソースや体制をどのように変更するのか、計画を策定します。

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