クラウドでコア人事機能が急成長している理由
一元化された人事プラットフォームは、成長を促進し、従業員エクスペリエンスの強化に役立ちます。
コア人事機能の概要
過去 50 年間、コア人事機能の定義はほとんど変わっていません。依然として、給与計算、勤怠管理、従業員データ管理が人事業務と HRIS ツールの中心となっています。変わったのは、そうした機能が、収益性、イノベーション、事業成長の潜在的な推進力として見なされるようになったことです。
現在、リモート要員は広範囲に広がっています。優秀な人材を見つけること、さらに確保することは、非常に難しい課題となっています。企業が競争を勝ち抜くには、業務を統合し、一元化することが不可欠です。つまり、従業員データを分析し、単一の HRIS プラットフォームでグローバルプロセスを一元化できるようにする必要があります。どこからでもコア人事機能にリアルタイムにアクセスできれば、企業は業務の合理化によるメリットを享受できるだけでなく、クラウドベースのコア人事ソリューションからもたらされる強力なデータ主導のインサイトや人材分析を活用できるようになります。
クラウドベースの人事システムに対する需要の高まり
今日の企業は、かつてないレベルの競争、経済的不確実性、人材確保の難しさに直面しており、ビジネスリーダーたちは次のような難しい問いを抱えています。余剰人員を削減し、競争力のある賃金を提供することは可能か？従業員が利用する人事システムをより適切で使いやすいものにするために、もっとできることはないか？コンプライアンスリスクを最小限に抑えるために、現在のプロセスを改善できないか？
幸いなことに、これらの質問に対する答えはすべて「はい」です。しかし、これらの目標を達成し、そのために必要なすべての部門やデータセンターと統合するためには、人事チームに一元化された俊敏なソフトウェアソリューションが必要です。つまり、人事部門はクラウド上ですべての業務を接続して一元化し、リアルタイムで統合・運用できるシステムを必要としています。
クラウド人事の利点とは？
優れたクラウド人事ソリューションは、問題や課題を見出すのに役立つのはもちろんのこと、それ以上に重要なのは、それらを解決する最善の方法を見つけるのに役立つということです。
従業員エクスペリエンスの向上。クラウドベースの人事ソリューションは、モバイルフレンドリーで、パーソナライゼーションやリアルタイムのデータ統合を実現できる合理化されたユーザーエクスペリエンスを提供します。これにより、給与計算、福利厚生、スケジュール、トレーニング、キャリアデベロップメントなどに対する可視性が向上します。従業員がこれらのツールにより簡単にアクセスできるようになれば、従業員エクスペリエンスが向上し、マネージャーは貴重なチームメンバーをより適切に認識して、スキルを向上させるために必要なデータを得ることができます。
生産性と効率性の向上。エラーや非効率性はリソースを浪費し、チームのストレス負荷を増大させます。クラウドベースの統合人事ソリューションは、プロセスの自動化と合理化に役立ちます。また、パッケージ化された統合機能と、標準化された人事プロセスにより、より効果的な要員計画や新規および既存のチームに対する一貫したワークフローが実現します。
グローバルおよび地域間の統合。従来、組織は同じことを何度もやり直したり、ばらばらのルールやワークフローを共通のシステムに適合させようとして、多くの時間を無駄にしてきました。クラウドベースの人事システムは、グローバルプロセスの標準化に役立ちます。これにより、各チームはシステムを組み合わせるという時間のかかる雑務から解放され、代わりにアイデアやスキル、創造的なソリューションを共有するという、より重要な業務に集中できるようになります。
リスクの軽減。クラウド接続、組み込み型ローカリゼーション機能、インテリジェントテクノロジーを組み合わせることで、常に最新で整合性のある状態を維持できます。法律、規則、コンプライアンスに関する最新情報をリアルタイムで入手できるため、すべてのチームがどこにいてもコンプライアンスタスクを自動化し、変更に関するアラートを受け取ることができます。これらの結果や更新は簡単に実装でき、経営幹部から製造現場まで、安全でより良い職場を作ることができます。
コストの削減。人事プロセスは複雑で、複数の業務領域、地域、役割で構成されています。これらを単一のプラットフォーム上でエンドツーエンドに統一できれば、全体像を把握し、ボトルネックや遅延を回避することがはるかに容易になります。また、ローカライズされたベストプラクティスコンテンツがシステムに組み込まれていれば、ランニングコストや実装時間も削減できます。
一元化された人事プラットフォームでグローバルな商品を提供する方法
McKinsey 社と Ipsos 社が実施した American Opportunity Survey の結果は、SAP がこれまで目の当たりにしてきた事実を裏付けていました。その事実とはフレキシブルなリモートワークが「2019 年以降に 3 分の 1 から 10 倍」に増えたということです。これには、ギグワーカーやフリーランサーの急増も含まれます。
州、県、地域にも無数の異なる法律や労働基準法が存在しています。手動でシステムを稼動させている場合、グローバルな人事コンプライアンスを一元化することはほぼ不可能です。そこで、クラウドベースのコア人事が真価を発揮します。優れた統合 HRIS ソリューションは、以下のことを実現します。
一貫性のある標準化されたプロセスで、あらゆる地域の従業員タイプをカバーし、全タイプを管理する単一のプラットフォームを使用
福利厚生、休暇、その他の勤怠管理やスケジューリング機能をローカライズし、これらの規制がいずれかの地域で変更された際にクラウドで自動的に更新
リアルタイムで調整される為替レートを使用して、業務を行っているすべての通貨で給与計算と請求書を管理
さまざまな言語で組織管理機能とベストプラクティス機能をサポート
クラウド ERP など、その他の重要なビジネスシステムと統合し、さまざまな地域やデータタイプを組み合わせて、カスタムの財務・労務分析レポートを作成および提供
クラウドのグローバル人事：コンプライアンスとリスク
ここ数年、職場の集団訴訟に対する支払額が劇的に増加しているほか、個人訴訟や正式な苦情も増加してきています。企業は、複数の地域にまたがる人材に対応し、オフサイトやフリーランスの従業員の安全とコンプライアンスに対処しようとしています。さらに、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン、ビロンギング (DEI&B) をめぐる考え方や要求が急速に進化している時代において、ジェンダー、人種、アイデンティティに関連する問題や定義にも取り組んでいます。人事チームが手作業でこのようなトレンドに対応しようとするのは現実的ではありません。
企業は、人事コンプライアンスにおいてもはや安全域などなく、対応を誤ると取り返しのつかない財務的損害や風評被害につながる可能性があることを知っています。
幸いなことに、クラウド人事ソリューションを活用すれば、企業と従業員双方のサポートと保護に役立つライフラインを提供することができます。人事アプリケーションを他のビジネスシステムと統合すれば、高度なデータ分析機能を活用し、不確実性に先んじることができます。また人事システムにおいて、最新の法規制情報をリアルタイムで通知し、すべての地域や国のコンプライアンスを更新することも可能になります。
コア人事機能をクラウドに移行する最適なタイミングとは？
Gartner 社は、2025 年までに 85% の企業がクラウド中心のインフラに移行すると予測しています。なぜそのようにシフトしていくのでしょうか。クラウドに移行すれば、人事ソリューションを ERP やその他のビジネスシステムと統合し、人事関連機能、情報、データでグローバル業務全体を強化することができます。つまり、クラウド移行のどの段階にいるにせよ、人事業務の優先順位付けを行い、コア人事データとコア人事機能の価値を引き出すのは今だと言えるでしょう。