ERPとは?導入メリットなどを徹底解説
ERP(Enterprise Resource Planning・企業資源計画)とは、経営資源を有効活用しようとする考え方であり、経理・財務、購買、人事、在庫管理、生産管理、CRM、BI、販売管理などの情報を全て一元管理し、社内でリアルタイムに情報共有を可能にする重要なシステムです。
本ガイドでは、ERP とは何か、ERP の由来、中小企業から中堅企業、そして大企業にもたらす導入メリット、導入に関する知っておきたい情報について詳しく解説します。
ERPとは?わかりやすく解説
ERP とは、Enterprise Resources Planning(企業資源計画)の略であり、企業経営の基礎となる資源の要素、経理・財務、人事、調達・購買、販売、製造、サプライチェーン、サービス、開発などを全て一元管理し、企業資源を無駄なく有効活用して生産性を向上する考え方を基に、ビジネス全体の経営の効率化を目指すことを主な目的とします。日本語では、 統合基幹業務システム、又は基幹系情報システムと呼ばれます。
ERP が企業に欠かせない理由
ERP には、人事、会計、生産管理などさまざまな業務分野のシステムを含みます。企業では、必要なシステムを個別で導入する傾向がありますが、システム間の連携がされていない場合、管理工数が増え、経営に関わる本質的な課題が見えない状態となってしまいます。そこで、各システムを統合するのが ERP です。
近年では、グローバル化の影響による企業のデジタル化の必要性の影響により、多くの企業が ERP を導入しています。また、以前は主に大企業に導入されていた ERP ですが、現在では、SaaS 型の ERP の普及により、より簡単、低コスト、短期間での導入が可能となり、多くの中堅・中小企業でも ERP が導入されています。ITR の調査によると、SaaS 型やクラウド ERP の売り上げが、2021 年で 32.7% も増加していることが明らかになっています。
さらに、ERP の導入は単なるシステム統合にとどまらず、企業のDX戦略を加速させる重要な基盤となります。デジタルトランスフォーメーションを成功させるためには、ERP を活用して業務プロセスのデジタル化とデータの一元管理を実現し、経営の効率化と意思決定の迅速化を図ることが不可欠です。
また、小規模でも中小企業でも競争力強化には デジタル化は必ず必要ですので、クラウド ERP でデータベースを今日からでも一元化し、経営全体を効率化させましょう。
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ERP の歴史
1960 年代から 70 年代にかけて世界初のコンピューターベースの在庫管理システムが誕生し、1970 年には Material Requirement Planning (MRP) システムが開発されました。当初は、基幹業務専用のコンピューター「メインフレーム」が主に大企業で使用されていましたが、メインフレームは業務ごとに異なる設計で開発されていたため、システム間の連携は困難でした。そこで、データの一元管理を目的に開発された統合システムが ERP です。世界初の ERP システムは、当社 SAP がリリースした「R/1」であり、欧米の企業に導入されました。現在では、MRP が ERP の一部として機能することが多くあり、ERP は MRP を含む包括的なシステムとして業務プロセスを効率化します。
ERP の導入メリットとは?
ERP 導入の最大のメリットは、企業の情報が統合データベースによって一元管理が実現できることです。これによって、社内のさまざまな部門で管理されている情報をひとつの場所に集約し、正確かつタイムリーに状況を把握し、リアルタイムで正確なデータに基づいた経営戦略や意思決定が可能になります。
また、情報の一元管理だけではなく、以下のようなメリットも ERP 導入によって企業にもたらされます。
- 業務効率と生産性の向上:部門ごとのデータ共有が一元管理によって容易になり、コミュニケーションの向上はもちろん、企業全体の効率化が実現します。また、リアルタイムのデータアクセスと分析が可能になるため、多様な業務に対する対応が速やかにでき、全体的な生産性も向上します。特に、ERP と連携したアプリ開発により、現場業務のデジタル化が進み、さらに高い業務効率を目指せます。
- コストの削減:ERP 導入により、データ入力や計算などの手作業を自動化し、AI などを活用してインサイトを提供する機能によって、手作業にかかる人件費を削減できます。
- コンプライアンスの強化:ERP システムは、基本的に各国の法規制や業界標準に準拠した機能を備えているため、コンプライアンスや内部統制の強化も実現します。
- 経営の可視化が実現:ERPなら、企業全体のパフォーマンスを可視化でき、パフォーマンスレポートなどのデータの可視化が実現し、経営者が各部門の状況やパフォーマンスを一目で把握することが可能になります。これによって、より適切な戦略を立てることが実現します。
ERP の導入形態
ERP にはコンポーネント型、統合型、業務ソフト型、パッケージ型、フルスクラッチ型、クラウド型やオンプレミス型の ERP が存在します。以下のセクションでは、ERP の種類を解説していきます。
統合型 ERP
統合型 ERP では、会計、販売、給与、人事、在庫など全ての基幹業務の DB(データベース)をひとつに統合し、一元管理します。統合型の ERP では、部門を問わずリアルタイムに情報共有が可能であり、経営状況を簡単に把握でき、経営層も適切な判断をしやすくなります。
コンポーネント型
コンポーネント型の ERP は、既存業務システムの最適化が主な目的であるため、自社の部署に既存業務システムが既に存在していても導入検討が可能な ERP です。また、コンポーネント型 ERP は、既存システムとの連携も可能なため、自社のニーズに合わせてコンポーネントを追加することができ、非常に柔軟性のある ERP です。
業務ソフト型
業務ソフト型 ERP とは、発注管理や管理会計などの特定分野の業務の一元管理を行いたい企業に適している ERP です。また、業務ソフト型 ERP は特定分野のみに対応するシステムであるため、他の種類の導入形態に比べて費用が安く、導入も容易です。
オンプレミス型 ERP
オンプレミス型は、基本的に自社で構築・管理し、自社で運用する ERP の種類であり、言葉通り、社内(建物内)に設置されたサーバーに ERP システムをインストールして自社のネットワークを通して利用できる ERP です。
クラウド型 ERP
ビジネスの DX 化とグローバル化が当たり前になった近年では、コスト削減は企業にとって重要です。従来型の ERP は、初期導入費用が高く、設置やソフトウェアのアップデートなどのシステムメンテナンスも手間があり、専門の IT 部門が必要となるため、人的リソースも増加してしまう問題がありました。
そんな全ての問題を解決するのがクラウド型 ERP です。クラウド ERP を導入すれば以下のメリットが得られます。
コストがオンプレミス型に比べて安い
短期間で導入できる
オンプレミス型に比べ総合的な費用が安い
常に最新のバージョンが使用可能(メンテナンス不要)
インターネットさえ繋がればどこからでもアクセスできる
テレワークを中心とする企業にも最適
BCP対策にも最適
サーバー管理の負担の削減
どの種類を選ぶにしても、ERP システムには操作性の良さや拡張性の高さ、導入時や運用時のサポート体制、セキュリティ体制などをよく考える必要がありますので、自社のニーズに合わせて導入を検討しましょう。
適切な ERP の選び方
ERP を最適に選ぶ方法とは、まず自社のビジネスニーズを把握することが最も重要です。中堅・中小企業には中堅・中小企業のニーズがあり、大企業には大企業のニーズがありますので、経営状況に合わせて選択することが重要です。また、自社の導入目標や必要な機能、コストなどの分析もしっかり行った上で検討しましょう。
2024 年に最適な ERP システムの選び方と導入するためのステップは以下の通りです。
自社のビジネスニーズの明確化
自社のプロセスを理解した上で、ERP導入によって改善したいフローのポイントや、システム導入によって達成したい KPI などを設定します。
ERP ベンダーの選択と市場調査
ここで重要なのが、最新の ERP 市場の調査やベンダーを調べることです。2024 年の ERP ベンダーは当社 SAP が提供する SAP S/4HANA などがあります。また、ERP ベンダーの評価、導入実績、サポート体制、日本語のサポートの体制もきちんと評価しましょう。
システム機能の評価
社内の IT 部門や担当者とベンダーが提供している ERP システムの基本機能を確かめ、人事管理、在庫管理や各部門で必要な機能が自社のニーズを満たしているか確認しましょう。
コストの分析
どのツールを自社に導入する際にも、コスト分析は必ず必要ですので、導入費用や、研修費用、サポート費用、ライセンス費用など、全体的な導入費用を必ず見積りましょう。また、オンプレミス型の ERP を導入する場合は、メンテナンスなどにかかる運用コストも忘れずに覚えておきましょう。
統合性を検討
ERP 導入を検討する際には、自社の既存のシステムやツールと統合できるかを確認しましょう。具体的な例として、ERP システムとデータ連携方式を一本化することができるか、専門技術リソースはあるかなど、周辺システムの仕様に合わせた開発の必要性などを事前に理解しておくことをお勧めします。
これ以外にも、カスタマイズの柔軟性、セキュリティ、研修、スケーラビリティ、業界特化型など注意すべきポイントが多くあります。自社のニーズに合わせて、ご紹介した選び方の各ポイントを参考に、最適な ERP を選んでいきましょう。
ERP 導入の流れ
ERP システムの導入プロセスは、以下の流れで導入進行させるのがおすすめです。
ステップ 1 :目的と現状課題を明確にする
まずは目的と現状課題の整理導入前に、自社の経営計画を実現するための IT の要件を再確認し、ERP システム導入の期待や目的を明確にすることが重要です。また同時にその目的に照らし合わせた際の現状課題について整理しましょう。
ステップ 2:導入担当チームの設定
導入プロジェクトを成功させるために、導入担当チームの各担当者の役割をはっきりさせましょう。
ステップ 3:ERP のベンダーやシステムの選択
自社のビジネスニーズや規模に合わせ、ソリューションを選択しましょう。ERP システムの中には、大企業に適したものや、中堅・中小企業向けに開発されているものも存在します。また、特定の業界に特化されている機能も用意されているため、ニーズに合わせて最適なシステムを選ぶことが鍵となります。
ステップ 4:システムの導入
導入期間中には ERP システムを提供するベンダーと取り組み 、ユーザー向けの研修を必ず行いましょう。また、他のシステムから移行する場合にも、ベンダーと取り組み、システムの移行や統合もこの段階で行います。
ステップ 5:導入後の運用と管理
もしもの場合(システム障害など)に備え、導入後は必ずシステム提供側と取り組み、サポート体制を整備しましょう。ERP システムの導入の際には、ベンダー側が提供するサポート費用が含まれていますので、含まれているサポートの内容を必ず確認しましょう。また、運用監視を社内で継続的に行い、社内ユーザーのフィードバックを集め、課題などに対する改善点等を最適化させます。
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