AI 対応の運用とサポートを備えた SAP ERP クラウドへの移行
SAP Cloud ERP Private は、AI 対応のカスタマーサポート、マネージドクラウドインフラストラクチャー、監視、セキュリティを提供し、企業が戦略的イニシアチブに集中できるよう支援します。その詳細をご覧ください。
クラウド移行における考慮事項
競合他社の一歩先を行くためには、製品イノベーションと支出管理だけでは不十分です。長期的な事業目標を達成するには、最新の AI 対応機能とワークフローを実現する、俊敏性と安全性に優れた現代的な IT ランドスケープも必要となります。大規模なテクノロジーアップグレードに理想的なタイミングというのはめったにありませんが、多くの企業組織に先送りするという選択肢はもはや残されていません。
何十年もの間、SAP ERP Central Component (SAP ECC) とその他のオンプレミス ERP システムは、エンタープライズオペレーションの基幹となってきました。これまでに、安定性、統制、高度なカスタマイズを提供しています。しかし、SAP ECC のメインストリームサポートは 2027 年末までしか提供されない上、従来のオンプレミス型 SAP S/4HANA システムでは特定のプロセスを制約するという制限があるため、組織は次なるステップを検討する必要があります。そこで、さまざまな組織では、容易な拡張、革新的な機能の追加、実用的インサイトのタイムリーな獲得を可能にするロードマップの構築に着手しています。
レガシーシステムの問題は、経時的な総所有コスト (TCO) の増加や、市場の変化に対する企業対応の遅れへとつながります。RISE with SAP のガイダンスとサポートを利用して、パブリッククラウドまたはプライベートクラウドの導入を選択すれば、組織はクラウドへの移行を実現し、これらの課題に対処できます。
SAP Cloud ERP Private は、カスタマイズできる柔軟な AI 対応型 ERP 環境を必要とするお客様向けに設計されており、エキスパートが管理と監視を行うクラウドインフラストラクチャーを備えています。このオールインワンソリューションでは、以下を実現できます。
包括的な管理とサポート
セキュリティとレジリエンスの強化
高度な拡張性と俊敏性
SAP Cloud ERP Private はカスタマイズ可能な最新のモジュール型ソリューションであり、ビジネスデータ環境の安定性、安全性、および俊敏性の最適化を確保できるよう設計されています。
RISE with SAP と SAP Cloud ERP の連携方法
RISE with SAP ジャーニーは、オンプレミスの SAP ERP をご利用のお客様が、SAP Business Suite の最大価値の実現と最新化に向けた変革をカスタマイズするためのお手伝いをします。これは、ソフトウェア、インフラストラクチャー、マネージドサービスをバンドル化したツールボックスのようなものであり、組織のクラウド移行に向けた計画策定とシンプル化をサポートするものです。これにより、エキスパートアドバイザー、アーキテクト、パートナーにアクセスできるようになり、ロードマップの作成、clean core の導入、およびソリューション標準化のガバナンスモデルに従った最適な移行パスの特定が可能になります。
パブリック ERP サービスとは異なり、SAP ERP Private では、各組織に専用のシングルテナント環境が提供されます。これは、カスタマイズの柔軟性とデータ主権を確保できるため、大企業にとって重要となります。このようにして、SAP Cloud ERP Private は、クラウドテクノロジーのレジリエンスとセキュリティ、そして市場の変化に対応する上で必要な俊敏性と拡張性という両方の長所を組み合わせています。
SAP Cloud ERP Private に追加コストなしで含まれている SAP Cloud ALM は、リアルタイムの可視性、自動監視、ガイド付きベストプラクティスを提供し、安定した運用と新機能の円滑な導入をサポートします。問題の事前検知、修正の提案、新たなリスクの特定をサポートする AI 機能に加え、複雑なケースの検証とエスカレーションの管理を行う SAP のグローバルエキスパートにより、お客様は ERP ライフサイクル全体にわたって迅速かつ信頼性の高い事前対応型サポートを受けることができます。
SAP Cloud ERP Private ソリューションの管理方法
SAP Cloud ERP Private を使用すると、IT チームは、アップデート、パッチ、監査書類、セキュリティインシデント対応、定期的な保守ダウンタイムに追われる必要がなくなります。代わりに、IT チームの専門知識を、ビジネスを推進するイノベーションや価値の高い業務に投入できるようになるため、コアビジネスプロセスの最適化、データ主導型意思決定のサポート、成長イニシアチブにおける業務部門との緊密な連携などに取り組めるようになります。
クラウド運用およびサポートの概要
管理とサポート
SAP は、24 時間 365 日のカスタマーサポート、事前対応型の監視に加え、SAP による管理、お客様による管理、共同活動でバランスを取る共同運用モデルを提供しています。SAP がインフラストラクチャー、監視、セキュリティに対応するため、運用の複雑さを軽減できます。
高度なセキュリティ機能
SAP Cloud ERP Private は、エキスパートが管理するクラウドサービスと AI を活用した組み込みのセキュリティ機能および監視機能を組み合わせることで、セキュリティパッチの迅速な適用、サイバー脅威検出の改善、リスクエクスポージャーの低減をサポートするとともに、日常業務の中断を最小限に抑えます。ランサムウェア保護、コンプライアンス監査、およびその他の重要なセキュリティ要件をサポートする堅牢なセキュリティフレームワークを提供します。保存データと転送中データの暗号化、バックアップの不変化、エキスパート管理により、データの完全性と主権を確保できます。
スケーラビリティと俊敏性
SAP のプライベートクラウド上には、ERP 機能やイノベーションを迅速に導入し、早期に定着できる環境が整っています。拡張時には、レジリエンスの高い環境と SAP チームが、業務への影響を最小限に抑えた効率的な拡張を実現できるようサポートします。
グローバル展開と専門知識
包括的なテクノロジースタック、および最適なパフォーマンスを維持するための継続的な監視と対応を行う業界エキスパートのグローバルチームによって、データと運用は支えられ、保護されています。これには以下が含まれます。
1 万人以上のクラウドサービスエキスパート
17 万を超える管理システム
世界中に 25 万台以上のサーバー
ERP セキュリティとコンプライアンスに対するサポート
サイバー脅威と規制要件は絶え間なく発生しており、生成 AI の時代においてますます頻繁かつ多様になっています。SAP Cloud ERP Private には、24 時間 365 日の監視、脆弱性スキャン、ペネトレーションテスト、グローバル標準への準拠など、高度なセキュリティ対策が組み込まれています。最新の IDC Business Value レポートによると、SAP Cloud ERP Private を利用している企業では、リスクエクスポージャーを 42% 削減、セキュリティパッチの適用を 58% 高速化、脅威検出を 89% 迅速化しています。
SAP クラウド運用の組み込み型 ERP セキュリティ機能
ネットワークセキュリティ
セキュリティが強化された、独立したランドスケープ
ネットワークフィルタリング
Web アプリケーションファイアウォール(API セキュリティ標準搭載)
DDoS 保護
二要素認証
クラウドセキュリティ体制管理
クラウドセキュリティとコンプライアンススキャン
強化された手順(SAP および CIS (Center for Internet Security) のベンチマークを含む)
ハイパースケーラーとの共同イノベーション
攻撃パス管理
脅威および脆弱性管理
リスクベースの優先順位付け
高度で一元化されたマルウェア管理
拡張検出と対応 (XDR)
セキュリティオーケストレーション、自動化、対応 (SOAR)
資産管理
脆弱性スキャンとアドバイス
セキュリティパッチ管理
安全なクラウド運用
ID およびアクセス管理
特権 ID 管理
セキュリティ意識向上プログラム
ペネトレーションテスト
ハッキングシミュレーション
パープルチーム演習
データの保護および主権
保存データの暗号化(SAP HANA やストレージを含む)
TLS (transport layer security) 1.2 や SNC (secure network communications) など、転送中データの暗号化
バックアップの暗号化と不変化
データ主権とレジデンシーの管理
暗号化キーの管理
セキュリティ監視およびインシデント対応
セキュリティ情報とインシデント管理を提供する 24 時間 365 日対応の監視センター
24 時間 365 日のインシデント対応
高度なフォレンジック
SAP クラウド運用は、以下のようなコンプライアンス規制をサポートします。
情報セキュリティマネジメントに関する国際標準化機構 (ISO) 規格 (ISO 27001)
ISO クラウドセキュリティ要件 (ISO 27017)
ISO クラウドにおける個人データ保護 (ISO 27018)
ISO 事業継続マネジメント (ISO 22301)
ISO 品質マネジメントシステム (ISO 9001)
国際保証業務基準 (ISAE) 財務報告向けシステムおよび組織管理 (ISAE 3402 SOC 1 Type 2)
ISAE 非財務報告向けシステムおよび組織管理 (ISAE 3000 SOC 2 Type 2)
英国規格協会 (BSI) クラウドコンピューティングコンプライアンス管理カタログ (BSI C5)
BSI 個人情報管理システム (BSI 10012)
一般データ保護規則 (GDPR) 対応準備
米国国立標準技術研究所サイバーセキュリティフレームワーク (NIST CSF)
PCI データセキュリティスタンダード (PCI-DSS)
医療保険の携行性と責任に関する法律 (HIPAA)
主要クラウドプロバイダー標準 (CCPS)
スペイン国家安全保障フレームワーク (ENS)
日本の政府情報システムのためのセキュリティ評価制度 (ISMAP)
SAP Cloud ERP Private の運用とサポートがもたらす効率向上と財務への効果とは
SAP Cloud ERP Private の運用とサポートは効率性を高めることができます。これは、日常的な業務負担の大半を社内の IT チームから SAP へと移行することで実現されます。チームは、インフラストラクチャーの管理、システムのパッチ適用、プラットフォームレベルのインシデント対応に時間を費やすことなく、より価値の高い業務に集中できるようになります。これにより、組織全体にわたって業務の弊害が減少するとともに、絶えず ERP に気を取られることなく、ERP を安定した基盤として機能させることができます。
また、システム可用性の向上と問題解決の迅速化を通じて効率性も向上します。これらはすべて AI 機能によって実現されます。ダウンタイムが削減されるほか、問題が発生した場合には、管理対象のレイヤーに対する根本原因分析を SAP が担当します。これにより、決算処理、オーダー処理、給与計算などの重要期間の中断が最小限に抑えられ、従業員の生産性を維持し、手動の回避策を防ぎます。
財務的な観点から見ると、SAP Cloud ERP Private は、予測不能な資本支出から脱却し、安定性の高いサブスクリプションベースの運用コストへと移行できるよう組織を支援します。サーバー、データセンター、インフラストラクチャーの緊急アップグレードへの投資が不要になり、継続的なコストの予測と計画が立てやすくなります。これにより、総所有コスト (TCO) を経時的に削減できる可能性があります。特にダウンタイムの削減、計画外停止の減少、専門的なインフラストラクチャー要員の必要性低下を考慮すると、その可能性は高まります。
このモデルは、変革イニシアチブにおける価値実現までの時間短縮もサポートします。ERP 環境はすでにクラウドベースでサポートされているため、組織はプロセス変更のロールアウト、買収先の統合、運用リスクの少ない新機能の導入を行うことができます。その結果、ビジネスイニシアチブは測定可能な効果を早期に達成し、投資回収率を向上させることができます。SAP Cloud ERP Private の運用とサポートを組み合わせることで、より効率的な運用モデルと予測可能な財務基盤が構築されるため、組織は確かな自信と統制でコアプロセスを実行できるようになります。
SAP ERP クラウドへの道筋を今すぐ計画
オンプレミスの SAP をご利用のお客様にとって、ERP 環境の最新化はますます差し迫ったものになっていますが、単独で取り組む必要はありません。SAP Cloud ERP Private は RISE with SAP を通じて、柔軟性のある導入と SAP 管理による運用を組み合わせ、プライベートクラウドへの構造化された道筋を提供します。お客様にとってメリットとなるのは、単一のサービス契約、モジュール型サービス、継続的なサポート、およびチームの運用効率を大規模に向上させる継続的なイノベーションへのアクセスです。