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データをチェックしている男性

データ管理とは?

データはビジネスの運営に不可欠な存在です。今日の高度に接続されたグローバル経済を支える多様なシステムおよびテクノロジーにはノイズが発生しますが、企業はその中でデータを理解し、関連性を見出す必要があります。この点において、データは中心的な存在になります。データは、それだけでは役に立ちません。企業はサプライチェーン、従業員ネットワーク、顧客やパートナーのエコシステムを含む、全ネットワークにおいて、あらゆる形態のデータを実用的かつ効率的に使用するために、効果的な戦略、ガバナンス、データ管理モデルが必要になります。

 

では、データ管理とは何でしょうか。データ管理は、生産性、効率性、意思決定を支援できるようにデータを収集、整理し、これにアクセスするための手法です。今日のビジネスにおいてデータが担う重要な役割を考えると、規模や業種を問わず、すべての企業にとって堅牢なデータ管理戦略とモダンなデータ管理システムが不可欠です。

データ管理の主な要素

データ管理とは

データ管理プロセスには、以下のような幅広いタスクと手順が含まれています。

  • データの収集、処理、検証、および保管
  • 構造化データ、非構造化データを含む、ソースの異なるさまざまな種類のデータの統合
  • データの高可用性と障害回復の保証
  • 人とアプリによるデータの使用およびアクセスの管理
  • データの保護、セキュリティとプライバシーの確保

データ管理システムと構成要素

データ管理システムは、データ管理プラットフォーム上に構築され、データから価値を引き出せるように連携して機能する、さまざまな構成要素とプロセスを含みます。データベース管理システム、データウェアハウス、データレイク、データ統合ツール、アナリティクスなどがあります。

 

データベース管理システム (DBMS)

 

データベース管理システムには、さまざまな種類があります。最も一般的なデータベース管理システムには、リレーショナルデータベース管理システム (RDBMS)、オブジェクト指向データベース管理システム (OODMBS)、インメモリーデータベース、カラム型データベースがあります。

さまざまなデータ管理システム

データ管理システム
  • リレーショナルデータベース管理システム (RDBMS):RDBMS は、データ定義を含むデータベース管理システムです。プログラムやデータ取得システムは、データの構造や場所を記述する必要なく、名前でデータ項目を参照できます。RDBMS システムは、リレーショナルモデルに基づいてデータ項目間の関係を保持することで、アクセスを強化し重複を回避します。例えば、ある項目の基本定義および特性は、いったん保存されれば、受注明細や価格設定テーブルにリンクされます。
  • オブジェクト指向データベース管理システム (OODBMS):OODBMS とは、オブジェクト指向プログラミングシステム (OOPS) の開発者によって開発および使用される、データ定義とデータ格納に対するアプローチです。データは、RDBMS のようにテーブルに保存されるのではなく、オブジェクトである自己完結型、自己記述型エンティティとして保存されます。
  • インメモリーデータベース: インメモリーデータベース (IMDB) は、ディスクドライブではなく、コンピューターのメインメモリー (RAM) にデータを格納します。メモリーからの取得は、ディスクベースのシステムからの取得よりもはるかに高速です。そのため、高速な応答時間を必要とするアプリケーションでは、一般的にインメモリーデータベースが使用されます。例えば、以前はレポートへのコンパイルに数日かかっていたものが、数分でアクセスし分析できるようになります。
  • カラム型データベース:カラム型データベースは、関連データのグループ(情報の「列」)をまとめて格納し、すばやくアクセスできるようにしたデータベースです。これは、最新のインメモリービジネスアプリケーションで使用されるとともに、データ範囲が限定的で、検索速度が重要な、多くのスタンドアロンデータウェアハウスアプリケーションで使用されています。
     

データウェアハウスとデータレイク

  • データウェアハウス:データウェアハウスは、レポートおよび分析を目的として、さまざまなソースから蓄積されたデータの一元的なリポジトリーです。
  • データレイク: データレイクは、生のまま、もしくは自然な形式でデータが保存される、巨大なデータプールです。データレイクは通常、構造化データ、非構造化データ、半構造化データを含むビッグデータを保存するために使用されます。
     

マスターデータ管理 (MDM)

 

マスターデータ管理は、製品データ、顧客データ、資産データ、財務データなど、すべての重要なビジネスデータについて、1 つの信頼できるマスター参照(唯一の正確な情報源)を作成するための手法です。MDM により、企業が、プロセス、運用、アナリティクス、レポーティングなどビジネス上のさまざまな領域で、不整合を発生させる可能性がある複数バージョンのデータを使用できないようにします。効果的な MDM を実現するための 3 つの柱は、データ統合、データガバナンス、およびデータ品質管理です。

ビジネス部門と IT 部門が連携して、企業の公式な共有マスターデータ資産の統一性、正確性、管理責任、セマンティクスの一貫性、説明責任をテクノロジーによって確保する手法。

Gartner 社による MDM の定義

ビッグデータ管理

 

構造化データ、非構造化データ、または半構造化データとして現在企業に押し寄せているビッグデータを管理するための新しいタイプのデータベースとツールが誕生しています。その量と速度に対処するための効率性の高い処理技術やクラウドベースの設備に加え、多様なデータを解釈し管理するための新しいアプローチが登場しています。例えば、データ管理ツールでさまざまな種類の非構造化データを理解して使用できるようにするために、データ項目を識別および分類し、保存と検索を容易にする新しい前処理プロセスなどが開発されています。

 

データ統合

 

データ統合は、必要とされる場所とタイミングでのデータの取得、変換、結合、プロビジョニングを可能にします。この統合は、社内外だけでなく、パートナーならびにサードパーティのデータソースおよびユースケース全体で、すべてのアプリケーションおよびビジネスプロセスのデータ使用要件が満たされるように行われます。手法には、バルク/バッチデータ移動、ETL(抽出、変換、ロード)、変更データのキャプチャ、データの複製、仮想化、ストリーミングデータ統合、データオーケストレーションなどがあります。

 

データガバナンス、セキュリティ、コンプライアンス

 

データガバナンスは、組織全体にわたるデータの可用性、品質、コンプライアンス、およびセキュリティを確保するためのルールと責任の集合です。データガバナンスは、インフラを構築し、データタイプ別に、そのタイプのデータを処理および保護する権限と責任の両方を持つ個人(または職位)を指名します。データガバナンスは、コンプライアンスの重要な構成要素になります。データの格納、処理、およびセキュリティの管理方法は、システムが担当します。開始時のデータが正確であること、システムへの入力前、使用中、またはシステムから取得されて他のところに保存されるとき、適切に処理され保護されるかどうかは、人側、ガバナンス側の責任になります。ガバナンスは、責任のある個人が、プロセスやテクノロジーをどのように使用してデータを管理および保護するかを指定します。

 

ハッカー、ウイルス、サイバー攻撃、データ漏えいが頻繁に発生する今日においては、当然、データセキュリティが大きな懸念事項となっています。セキュリティはシステムおよびアプリケーションに組み込まれていますが、このようなシステムがデータを適切に保護するには、適切なセットアップと管理が必要です。さらに、システムおよびデータベースの外部でデータを保護する手順と責任も確立しておく必要がありますが、それらのために、データガバナンスが存在します。

 

ビジネスインテリジェンスとアナリティクス

 

基本的なデータ取得ツールおよびレポーティングツールは、ほとんどのデータ管理システムに含まれています。また強力な検索/分析/レポーティングアプリケーションが組み込まれているかバンドルされているシステムも多くあります。サードパーティーから提供されるレポーティングアプリケーションやアナリティクスアプリケーションもありますが、これらはほとんどが、標準機能として、またはオプションのアドオンモジュールとして、アプリケーションバンドルに含まれます。

 

今日のデータ管理システムの強みは、ユーザーが最小限のトレーニングで、自身の画面からデータを取得したり、レポートを出力できる、アドホック検索ツールにあります。これらのツールでの書式設定、計算、ソート、および集計の柔軟性は驚くほど高いです。さらに、プロフェッショナルは、これらのツールや、より高度なアナリティクスツールセットを使用して、さらに高いレベルでの計算、比較、高度な数学、書式設定を実行することができます。新しいアナリティクスアプリケーションは、従来のデータベース、データウェアハウス、データレイク間の橋渡しをし、ビッグデータをビジネスアプリケーションデータに組み込むことで、予測、分析、計画立案を強化できます。

エンタープライズデータ戦略とは?それが必要な理由とは?

これまで多くの企業にとって、データ戦略へのアプローチは受動的なものでした。ビジネスアプリケーションのサプライヤーがシステムに組み込んだものをすべて受け入れていたのです。でも今は、それだけでは不十分です。今日のデータの爆発的な増加と、あらゆる企業にとってのデータの重要性の高まりにより、事前対応的かつ包括的なデータ管理へのアプローチが必要になってきています。これはすなわち、実務上の観点から見ると準備を行うことが必要だということです。以下のようなデータ戦略を立てることが必要です。

  • 自社で必要となるデータの種類を特定する
  • データの各種類に責任を割り当てる
  • そのデータの取得、収集、および処理を管理するための手順を確立する

企業データ管理戦略およびそのインフラを確立する主なメリットの一つは、組織がひとつにまとまることです。社内で行われるあらゆる活動や意思決定がその企業の目的を支えるものになります。つまり、高品質の製品やサービスを効果的かつ効率的に顧客に提供しようという目的を社内一丸となって達成できるようになります。包括的なデータ戦略を確立すること、およびシームレスなデータ統合を実現することにより、情報の縦割りが解消されます。そして各部門、マネージャー、および社員は、企業の成功につながる各自の貢献を確認および理解し、意思決定とその行動を企業が掲げる目標に沿ったものにできます。

ビジネスデータ戦略の策定

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データ管理の進化

効果的なデータ管理は、50 年以上にわたりビジネスの成功に不可欠なものでした。情報レポートの精度向上、トレンドの特定、意思決定の改善、デジタルトランスフォーメーションの促進、新しいテクノロジーやビジネスモデルの強化など、さまざまな場面で効果的なデータ管理が必要になります。今、データは新しい資本となり、将来を見据えた企業は、さらに新しく、より優れた方法でデータを活用できないか常に探っています。ここでは、貴社のビジネスや業界との関連性を探る上で重要な、現代のデータ管理の最新トレンドをご紹介します。

  • データファブリック:今日、ほとんどの組織はさまざまな種類のデータをオンプレミスとクラウドに展開しており、データベース管理システム、処理テクノロジー、およびツールを複数使用しています。データファブリックは、アーキテクチャーとテクノロジーをカスタマイズして組み合わせたもので、動的データ統合およびオーケストレーションを使用して、分散環境全体にわたる円滑なアクセスと共有を可能にします。
  • クラウドデータ管理:多くの企業が、データ管理プラットフォームの一部またはすべてをクラウドに移行しています。クラウドデータ管理には、拡張性、高度なデータセキュリティ、データアクセスの改善、バックアップと障害回復の自動化、コスト削減など、クラウドがもたらすすべてのメリットが活かされています。クラウドデータベースと Database-as-a-Service (DBaaS) ソリューションクラウドデータウェアハウス、およびクラウドデータレイクは、いずれも人気が高まっています。
  • 拡張データ管理:比較的新しいトレンドの一つが「拡張データ管理」です。Gartner 社によると、拡張データ管理は 2022 年までに、AI と機械学習を使ってデータ管理プロセスが自己設定したり自己チューニングしたりする形へと、大きく変革する可能性があるとされています。拡張データ管理では、データ品質やマスターデータの管理からデータ統合まであらゆるものが自動化され、高いスキルを持つ技術スタッフが、より価値の高い業務に集中できるようになります。

2022 年までに、機械学習が加わり、サービスレベル管理が自動化されることで、データ管理の手動タスクが 45% 削減されると予想されます。

Gartner 社

  • 拡張アナリティクス:拡張アナリティクスは、すでに起こっている、Gartner 社が特定したもう一つのトップテクノロジートレンドです。拡張アナリティクスは、人工知能、機械学習、自然言語処理 (NLP) を使用して、重要なインサイトを自動的に抽出できるだけでなく、高度なアナリティクスへのアクセスを民主化することで、データサイエンティストだけでなく、誰でもデータについて質問し、自然な会話形式で回答を得られます。

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まとめ

データから情報が生まれることは周知の事実です。そして、情報に強いパワーがあるならば、データを効果的に管理し活用することが、貴社の大きな力となります。そのため、データ管理の責務とデータベースアナリスト (DBA) の役割は、クラウド導入を推進し、新しいトレンドとテクノロジーを活用しながらビジネスから戦略的価値を生み出すチェンジエージェントへと進化しつつあります。  

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