事後対応型から予測型へ
現代の CFO はリスクとコンプライアンスにインテリジェンスを組み込んでいる
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私たち CFO は、常にコンプライアンスに対する責任を担ってきました。しかし、この責任の展開と進化が劇的にシフトしています。
コンプライアンスがバックオフィスのタスクとして事後確認されていた時代は終わりました。
財務リーダーは今、戦略的な意思決定の中心にいます。もはや単なる経理担当者ではなくなっているのです。
また、資金調達の取り組みを進める中で、要件が進化している場合でも、確信に満ちたリスク管理と法規制コンプライアンスを実現するための道筋を検討する必要があります。
このトピックは、先日、SAP GRC エキスパートのボー・バーデ・ペーダーセン (Bo Baade-Pedersen) との会話で話題にあがりました。コンプライアンスがチェックボックスをつぶすだけのタスクではなくなったことを考慮しながら、私たちは、リスク管理をビジネスプロセスにリアルタイムで直接組み込むことによって真の効果が得られる理由を探りました。
インテリジェントなシステムを使用して課題を予測することで、AI 対応のコンプライアンスに信頼を構築できます。私たちが到達した結論は以下のとおりです。
インテリジェントなコンプライアンスへの移行が重要な理由
かつて、規制要件はゆっくりと進化していました。IFRS のような会計基準の変更には何年も要していました。
しかし現在、そのペースは加速しています。現行の税法ではレポートの即時作成が要求されるようになりました。例えば、イタリアでは、請求書のコピーをリアルタイムで税務当局に送付しなければなりません。CSRD などのサステナビリティ要件はさらに急速に進化しています。
CFO にとって、これは リスクとコンプライアンスをプロセスの枠外に置くことも、後で検討することもできない ことを意味します。リスクとコンプライアンスを業務の中心に組み込む必要があるのです。
同時に、CFO の役割が拡大していることにも気付くはずです。
もはや後方の列から叫ぶ必要はありません。CFO は、先頭に立って戦略を形作り、市場参入を決定し、イノベーションに資金を調達しています。そして、変化のスピードに対応しながら最前列のリーダーが示す方向性を実現させるには、テクノロジーを信頼し、リスクとコンプライアンスを事後対応ではなく先回りして管理する必要があります。
事後対応から予測へ:プロセスにインテリジェンスを組み込む
ここでおそらく、「予測コンプライアンスのプロセスを組み込むには、どのように変更を加えればいいのか?」と聞きたくなることでしょう。その答えは幸いにも、「手作業が増える」ではありません。
断片化されたシステム、スプレッドシート、事後監査では、リスクが増えるだけであると分かっています。
その代わりに、以下の方法で 日常業務にリスク管理とコンプライアンスを組み込む 必要があります。
- リアルタイムでトリガーするコントロール
- コンプライアンスを組み込んで設計されたプロセス
- 規制のスピードに適応するテクノロジー(極めて重要)
AI とインテリジェント自動化の支援をここで利用する
インテリジェントシステムは、トランザクションを継続的に監視し、異常にフラグを立て、パターンから学習することで、CFO に可視性と自信を与え、確信を持って行動できるようにします。規制の変更や追加への対応も可能になります。また、AI を活用することで、テキスト文書をより構造化された情報に変換できるため、内部ガイドラインを的確に把握できます。
別の例を挙げると、インテリジェントシステムによる不正検出では、抜き取り調査ではなく、トランザクションの 100% をスクリーニングします。そのため、お金が会社から出て行く前に問題を特定できます。
SAP 独自の優位性はここにある
50 年以上にわたるビジネスプロセスのエキスパートとして、プロセスレベルでコンプライアンスを組み込む(その後オーバーレイしない)ことは、当社の DNA に刻まれた強みです。
私自身は、製薬業界の規制、自動車の規格、エネルギー業界の要件に関わる課題を経験していますが、例えどのように複雑化した独自規制でも、エンドツーエンドで組み込まれたプロセス統合は、実用的なコンプライアンスを加速します。
信頼:AI を妨げる真の障壁
もちろん、テクノロジーだけで課題は解決しません。それくらい簡単だったら良いのですが。
私たちは人間です。ということは、真の障壁となるのは信頼です。
財務リーダーの多くにとって、AI はブラックボックスです。CFO は、自分が説明責任を負う意思決定の背景にあるルールを知りたいと考えます。また、透明性がなければ、導入は頓挫する可能性があります。
ただ、私たちはすでに AI を信頼し、日々の重要な意思決定を適切に行っています。例えば、飛行機を自分で操縦しない大部分の人が、95% も自動操縦で動く飛行機を信頼しているのです。
同様の信頼がリスクとコンプライアンスの AI に発展する必要がある
もちろん、ただ任せれば良いというほど単純ではありません。
SAP では、提供するすべての AI アプリケーションに信頼度を付与することで、ユーザーが親しみと確信を築きやすくして、長期にわたって適正かつ責任を担う結果が約束されるようにします。 信頼は最初からあるのではなく、経験を積み重ねて育っていくものです。
信頼のもう 1 つの重要な要因は、クリーンなデータとプロセスの品質です。
設計が不適切なプロセスが自動化されると、すぐに問題が発生します。クリーンなデータがなければ、高品質のコンプライアンスを拡張することはできません。
そのため、CFO は AI を適用する前に、プロセスとデータが明確で一貫していることを確認する必要があります。適切なデータだと確認できた場合のみ、自動化によって信頼できる結果を得ることができます。
最新のリスク管理を前進させるステップ
もし 「私はこの変革を実践する準備が整っている」 と思っているなら、CFO が今すぐ始められる以下のステップを確認してください。
- プロセス基盤を強化する:AI や高度なテクノロジーを導入する前に、基盤となるビジネスプロセスが適切に設計されていることを確認します。欠陥のあるプロセスを自動化しても、問題の発生を加速させるだけです。
- 「3 つの防衛ライン」を採用する:包括的なリスクの特定、統制の導入、独立した保証を単一のプラットフォームに統合し、コンプライアンスアプローチのサイロ化を回避します。
- リアルタイム機能を構築する:定期的なコンプライアンスチェックから、規制の変化に対応できる日常業務の継続的なモニタリングへと移行します。
- AI との信頼を段階的に築く:段階的な導入で信頼度の指標を使用して、AI 主導のコンプライアンスツールに対する組織的な信頼を築き、その採用を進めます。
コンプライアンスの機会は、規制違反による罰金の回避にとどまりません。
リアルタイムのコンプライアンスが競争上の優位性となり、迅速な意思決定、安全な市場参入、回復力の高いオペレーションを可能にします。
事後対応型ではなく、予測型のコンプライアンスは、CFO が制約されるのではなく、俊敏にリードできることを意味します。
将来を見据えて
リスクを考慮した計画と予測は、財務計画と同じくらい重要になってきています。規制による要求が強まる環境の中で前進できる唯一の持続可能な方法は、インテリジェントな自動化の統合です。
簡単に言えば、莫大な量の規制変更に対応するには、予測インテリジェンスと AI が必要なのです。
財務リーダーは、コンプライアンスをプロセスに組み込み、AI を責任を持って使用し、組織の信頼を築くことで、コンプライアンスをコストセンターから戦略的価値を生み出す要因に変えることができます。
今の時点で信頼を築けば、俊敏性と即応性で先頭に立ち、業界をリードしていくことが可能です。