コンテナターミナルに停泊するコンテナ船の航空写真

Organización Corona 社:サプライチェーンの可視化によるロジスティクス業務の効率向上とサステナビリティの強化

SAP のお客様 Corona 社のロゴ

SAP とともに歩む Organización Corona 社のジャーニー

Organización Corona 社は、140 年以上にわたり、グローバルに製造および輸出を続けてきましたが、世界中で展開するロジスティクス業務および輸送業務を最適化するために、SAP Business Network for Logistics や SAP S/4HANA Cloud Private Edition 輸送管理をはじめとする、いくつかの革新的な SAP ソリューションを導入しました。

業種地域企業規模
産業用機械製造コロンビア、ボゴタ1 万人
98%

24 時間以内に手配可能な外部運送業者の割合

20%

外部運送業者の往復積載率の向上

40%

積み込みと荷降ろしの改善による滞船料の削減率

コントロールタワーに SAP ソリューションを採用したことで、これまで見えなかったデータが可視化されました。リアルタイム情報にアクセスできるようになり、多大な損害につながる混乱が発生する前に、輸送やロジスティクスに関する意思決定を瞬時に行いやすくなっています
リカルド・モンサルベ (Ricardo Monsalve) 氏
Organización Corona 社、ロジスティクス・輸送担当ゼネラルマネージャー

かつてないロジスティクスの可視化によるサプライチェーン業務の変革

1881 年にコロンビア、ボゴタで創立された Organización Corona 社は、住宅、建設、産業、農業、エネルギー関連製品の製造販売を行う企業で、世界 45 カ国に製品を輸出・販売しています。コロンビア、米国、中米、メキシコに 29 の製造工場を有しているほか、コロンビアと中米に 40 以上の専門小売事業所、中国にグローバル供給拠点を構えています。

 

市場リーダーである同社は、世界レベルのイノベーション基準を採用するなかで、その基準をロジスティクス業務と輸送業務にも適用して、時代遅れのシステムを刷新する時期に来ていると考えていました。

 

同社事業の主要構成要素のひとつに、社内および外部ドライバーが運行する約 1,500 台のフリートがあります。納期遵守のためにこのフリートを管理することは、複雑で困難なプロセスでした。手作業に頼っていたため手間がかかり、とかく非効率で、ボトルネック、規制やコンプライアンスの違反、突然の混乱による遅延が発生していました。

 

Corona 社は、顧客需要に適切に対応するために「コントロールタワー」と名付けたデジタルサプライチェーンネットワークを通じて、ロジスティクス業務と輸送業務を統合し、最適化したいと考えました。そこで、需要計画、注文管理、ルート計画、運送業者選択、出荷追跡、運賃決済・監査において、可視性が高く、一貫性があり、リスクを未然に防ぐことのできるプロセスを実現するソリューションを構想しました。

 

Corona 社のロジスティクス・輸送担当ゼネラルマネージャーであるリカルド・モンサルベ氏は、次のように説明しました。「貨物の動きを積極的に追跡・監視できるようにするには、フリートの運行状況をリアルタイムに可視化する、より革新的なアプローチが必要だと気付きました」

 

コントロールタワーに対する、テクノロジー視点での Corona 社の目標は以下のとおりでした。

 

運送計画、運送業者選択、出荷実行・追跡用コアシステムの統合による輸送管理プロセスの一元化

 

さまざまなデータソース内の支出データの統合・分析によるコスト削減機会の特定と、調達・購買プロセスの最適化戦略の実行

 

実用的なインサイトをもたらし、最適な輸送ルートと潜在的なリスクを特定する予測データ分析機能を活用したインテリジェントな意思決定の実現

 

輸送計画担当者と運送業者の連携強化によるリアルタイムな情報交換、調達プロセス上でのコラボレーション、およびリレーションシップ管理の改善

 

正確な需要計画による顧客満足度の向上と、納期遵守および納入の予測可能性の確保

 

さまざまな国の複雑な関税規則、輸出入税、通商政策、規制要件へのコンプライアンス強化による遅延軽減、コスト削減、および潜在的な問題の回避

すべてのステークホルダーがそれぞれの役割に基づいて閲覧できる単一プラットフォームの導入により、外部運送業者に保証する復路の積載率を高めることや、明確かつ正確な納品情報を顧客に提供することができるようになりました
リカルド・モンサルベ氏
Organización Corona 社、ロジスティクス・輸送担当ゼネラルマネージャー

統合ロジスティクス・輸送業務にイノベーションをもたらす

Corona 社は、継続的改善に役立つ KPI、ベンチマーク、その他指標に重点を置いた DX ベストプラクティス方法論を用いて、コントロールタワーへの取り組みを開始しました。このプロジェクトでは、業界パートナーや地域のサプライチェーンパートナーとの協議に基づいて SAP ソリューションを選びました。サプライチェーン全体で同じ SAP テクノロジーを活用することで、システムやプロセスの統合が容易になり、パートナー間の連携を強化できます。

 

Corona 社は、SAP Business Network for Logistics の一部である SAP Business Network Freight Collaboration および SAP Business Network Global Track and Trace ソリューションを使用して、システム刷新を開始しました。また、SAP S/4HANA Cloud Private Edition 輸送管理および SAP Integrated Business Planning (SAP IBP) for Supply Chain ソリューションも導入しました。これらのソリューションが連携して、可視性の向上による輸送ロジスティクスの改善、コストの削減、収益性の向上、およびサードパーティー製品との統合を通じた運送業者やサプライヤーとの協業強化を実現しています。さらに、SAP Business Network は、社内ロジスティクス業務の統合によるコンプライアンスの強化や、一元化されたデータアナリティクスから得られた十分な情報に基づく意思決定の支援に役立っています。SAP IBP は、需要計画プロセスの最適化、予測精度の向上、市場需要に合わせた業務調整を支援します。

 

Corona 社は、SAP Business Network Freight Collaboration ソリューションおよび SAP Business Network Global Track and Trace ソリューションと、SAP S/4HANA Cloud Private Edition 輸送管理を組み合わせることで、計画と実行用のロジスティクスツールをスムーズにネイティブ統合できました。同社のソリューションランドスケープには、メキシコの拠点に以前導入した SAP Extended Warehouse Management アプリケーションが含まれています。

 

同社はそのほかにも SAP Business Technology Platform と連携するソリューションを導入しました。SAP Fiori のユーザーエクスペリエンスは、同社従業員に消費者のようなユーザーエクスペリエンス、モバイルデバイスへのリモートアクセス、独自のビジネス要件をサポートするカスタマイズと拡張性を提供します。SAP Cloud Identity Services は、セキュリティ、ユーザビリティ、管理性の強化を可能にする包括的な ID およびアクセス管理ソリューションを提供します。

 

加えて SAP Analytics Cloud ソリューションを導入し、意思決定に対するデータ主導型アプローチをサポートするリアルタイムのロジスティクスと運送業者の監視、計画、報告を実現しました。また、SAP Integration Suite も導入しました。これは中央統合ハブとして機能し、包括的な接続・プロセス自動化を可能にするほか、部門横断型プロセスに関わるさまざまな SAP およびサードパーティ製ソリューション、アプリケーション、データ、パートナー間の接続も提供します。

 

このエンゲージメントを通じて、SAP Enterprise Support サービスが、同社による SAP ソフトウェア投資の価値を最大化し、ビジネスプロセスの円滑な運用を実現できるように支援しました。SAP のサービスエキスパートは、同社と協力しながら、インシデント管理、テクニカルサポート、ナレッジトランスファー、イノベーション、リモートサポートの活用を必要に応じて支援しました。

SAP ソリューションを導入したことで、ルートのリアルタイム最適化、二酸化炭素排出削減、納期遵守が実現しました。最終的には、コストの大幅な削減に加え、業務の改善、顧客とステークホルダーの満足度の向上、競争力の維持に役立つと思っています
リカルド・モンサルベ氏
Organización Corona 社、ロジスティクス・輸送担当ゼネラルマネージャー

業務をシンプル化しながらコスト削減と満足度の向上を実現

Corona 社は、新しいコントロールタワーソリューションにより、業務効率アップやリアルタイムの可視性と管理、さらにはコスト削減、コンプライアンスの改善、顧客満足度の向上を実現しました。

 

同社は、複雑なロジスティクスと輸送プロセスに関連するデータ主導型の状況認識にタイムリーにアクセスできることで、より俊敏な意思決定が可能になり、混乱を回避する、あるいは混乱が避けられなければ影響を軽減することができます。従業員は、顧客やステークホルダーとのコミュニケーションとコラボレーションを効果的に行いながら、問題への迅速な対応、例外への効果的な対応、関係、満足度、ロイヤルティの向上を図ることができます。システムが統合され、プロセスが自動化された結果、従業員はより戦略的な仕事に集中し、付加価値の高い活動に取り組むことができるようになりました。また、実際の活動に基づいて、ミスを減らしてより正確な支払いを行ったり、さまざまなカテゴリーや事業部門にわたって支出を可視化してコスト削減機会を特定したりすることも可能になりました。

 

Corona 社は、専用ロジスティクスの観点から、輸送計画の最適化、トラック使用率の最大化、空車回送や荷待ち時間の削減、混載や復路輸送の最適化の改善を実現し、顧客へのリードタイム短縮につなげています。運送業者、ドライバー、ステークホルダー、顧客とのコラボレーションとコミュニケーションが強化されたことに加え、貨物の状況がリアルタイムで可視化されることで、サプライチェーン全体の調整と効率の向上につながっています。同社は、空車回送や積載率が低い車両が少なくなったため、出荷に使用するトラックの数を削減しました。その結果、会社のコストが削減されただけでなく、温室効果ガスを排出する化石燃料への依存度が低下しました。例えば、トラックを荷待ちさせた場合の車両留置料を約 40% 削減しました。さらに、燃料消費量と排出量も削減し、サプライチェーン全体の効率とサステナビリティにプラスの影響を与えています。

 

「追跡およびトレーサビリティ能力が向上しました。リスクに対する可視性が高まり、不測の事態に備えてプロアクティブかつ戦略的に計画し、潜在的なサプライチェーンの問題を発生前に軽減できるようになりました」と、モンサルベ氏は語っています。また、コスト、輸送時間、運送業者のキャパシティと実績、配送時間枠、ルート最適化などの事前定義された基準に基づいて、各出荷に最適な運送業者を特定できるようになったことも付け加えました。

 

コストや手間のかかる遅延や混乱が少なくなり、指定納期と数量の予測可能性が高まることで、顧客満足度の向上につながっています。さらに、サプライチェーンにおいて不可欠で、かつ困難な役割を担っているドライバーの満足度も高まっています。ドライバーのエクスペリエンスに投資することで、持続可能な従業員や非正規要員の維持が容易になり、全体的なコスト抑制や顧客ロイヤルティアップなどのメリットが得られています。

ロジスティクスと輸送の変革により、現場で働く出荷担当者やドライバーから、コントロールタワー内の全プロセスを管理する従業員まで、サプライチェーン全体のユーザーエクスペリエンスが大幅に改善されました
リカルド・モンサルベ氏
Organización Corona 社、ロジスティクス・輸送担当ゼネラルマネージャー

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