
Pif Paf Alimentos:技術者の機械設備の保全に要する時間とコストを削減
機械設備の保全を最適化するには?
ブラジルの食品会社 Pif Paf Alimentos では、機械設備の保全プロセスをデジタル化したいと考えていました。同社では、SAP Business Technology Platform の一翼を担う SAP Build Apps を使用することで、情報をリアルタイムで管理できるモバイルアプリケーションをわずか 1 カ月足らずで開発しました。その結果、時間、コスト、紙の大幅な節減に加えて、法規制のコンプライアンスも確保されています。
| 業種 | 地域 | 企業規模 |
| アグリビジネス | ベロオリゾンテ(ブラジル) | 従業員数:1 万人 |
SAP Build Apps でモバイルアプリケーションの本稼働までに要した時間
技術者のデータ入力に要する時間とコストを削減
紙廃棄物の削減
Pif Paf Alimentos システム開発担当者
機械設備の手作業による保全プロセスからの脱却
ブラジルの大手食品会社 Pif Paf Alimentos が生産する、肉、魚などの何千種類もの加工食品は、国内外合わせて数百万人もの消費者に食されています。食品加工会社として同社は、鶏肉と豚肉の垂直生産チェーンを確立し、14 以上の事業部門を運営しています。最高品質の食品を生産するために、Pif Paf Alimentos では、正確で信頼性の高い保全プロセスに従って、すべての機械設備を適切に稼働させる必要があります。
これまでは技術者が毎日、ERP システムから大量の保全指示をプリントアウトして、各作業の開始時刻と終了時刻を正確に書き留めなければなりませんでした。しかも、1 日の終わりに全技術者が列をなして、順番に紙記録から ERP システムに保全データを 1 つずつ手入力するといった状況でした。
各保全指示には最大で 20 ものタスクがあるにもかかわらず、技術者用のデスクトップコンピューターは 1 台しかなかったため、複雑な繰り返しの手作業による管理プロセスに多大な時間を要し、人為的ミスも頻繁に起こりがちでした。
Pif Paf Alimentos システム開発担当者
保全プロセスを自動化するためのアプリケーションの開発
強力なデジタル化戦略を進める Pif Paf Alimentos では、変革へのジャーニーを歩むためにも、機械設備の保全プロセスを効率化できるソリューションを求めていました。コードを記述することなく、エンタープライズレベルのアプリケーションを直感的に構築し導入できることが決め手となって、同社では SAP Build Apps による開発環境を選択しました。そのおかげで同社の IT チームは、データモデルやビジネスロジック、ユーザーフレンドリーなインターフェースを視覚的に自由にデザインすることができました。SAP Business Technology Platform の一翼を担う SAP Build Apps が、SAP Integration Suite を介して、既存のオンプレミス ERP システムとスムーズに統合されています。Pif Paf Alimentos では現在、14 工場のうちの 1 工場で新たなモバイルアプリケーションを使用しています。
「SAP Build Apps で構築されたこのソリューションは、当社の既存環境と極めてスムーズに統合されています」と、Pif Paf Alimentos のシステム開発担当者であるラウロ・サルガド氏は述べます。「アプリケーションの開発に、フィールドのコーディングや連携が必要なその他のテクノロジーを使用していたとすれば、本稼働までにもっと長い時間を要しているはずです。つまり、より迅速にソリューションを実現できたのも、ローコードテクノロジーを活用したおかげです」
今では保全データがすべてアプリケーションでリアルタイムに同期されるため、プリントアウトは不要になりました。技術者はモバイルデバイスを使って、最新のデータにアクセスして、ボタンをタップするだけで、担当する各作業の開始時刻と終了時刻を登録できます。1 日の作業完了時の、アプリケーションから ERP システムへのデータの転送もボタンをタップするだけで自動的に実行されます。このアプリケーションはオフラインでも動作するので、技術者はインターネットを利用できない遠隔地からもデータにアクセスしたりデータを記録したりできます。再びオンラインになった時点で、アプリケーションはバックエンドシステムと同期されます。
Pif Paf Alimentos ビジネス変革担当ディレクター
デジタル化による紙、時間、コストの節減
Pif Paf Alimentos では、わずか 3 週間足らずで、技術者が保全作業を管理するためのモバイルアプリケーションの導入を実現しました。クラウドベースのグラフィカルな環境で、ソフトウェアをインストールする必要もなく、すぐにアプリケーションの開発を開始できました。従来のアプリケーション開発では、コードを記述する必要があるため、3 ~ 4 カ月もの時間を要する可能性もありましたが、SAP Build Apps のローコード/ノーコードテクノロジーのおかげで、Pif Paf Alimentos は記録的な早さでアプリケーションの本稼働を実現させています。
SAP Business Technology Platform であれば、その革新的な機能により、Pif Paf Alimentos はソリューションを全社規模に拡張し、その他の事業分野や保全プロセス、工場でも SAP Build Apps で構築したアプリケーションを使用できます。同社の IT チームはビジネスニーズに迅速に対応し、業務に俊敏性をもたらすことができました。同社はペーパーレス戦略に従って紙の使用量を大幅に削減し、紙廃棄物の 10% の削減に成功しています。新たなデジタルプロセスのおかげで、書類のミスや再入力の必要性が最小限に収まり、最新のレポートにより、正確な保全コストの見積もりや現地の法規制に対するコンプライアンスも確保されています。これは、機械設備の保全に関する規制が厳しい食品業界では特に重要なことです。
手作業によるデータ管理とは対照的に、技術者がモバイルデバイスからリアルタイムに保全指示にアクセスできるので、管理作業に要する時間を節減して、効率を向上させることができます。Pif Paf Alimentos では、技術者のデータ入力に要する時間とコストが 3 分の 1 近く削減されています。
Pif Paf Alimentos システム開発担当者