
SAP とともに歩む BSH 社のジャーニー
注文のステータスをいつでも正確に把握できたら素晴らしいと思いませんか?高品質の家電製品を製造販売する BSH 社は、このビジョンを現実のものに変え、カスタマーサービスの向上とビジネスプロセスの最適化を実現しました。SAP Business Network Global Track and Trace ソリューションの導入により、出荷や配送の正確な位置に関するリアルタイム情報にアクセスし、共有できるようになっています。
| 業種 | 地域 | 企業規模 |
| 食品・消費財 | ドイツ、ミュンヘン | 従業員数 6 万 2,000 人 |
社外の顧客と社内の従業員の双方がソリューションから得られるデータ視点の数
2023 年のグローバルロールアウトの恩恵を受けた 3 大陸の国の数
BSH Hausgeräte GmbH、ロジスティクス輸送部門システムおよびアプリケーション責任者
製品の注文と納入に関する情報の入手性の改善
BSH Hausgeräte GmbH は、インダストリー 4.0 と自社が策定した 2023 年のロジスティクス戦略がもたらす急速な技術変化に備えるために、サプライチェーン内のデジタルトランスフォーメーション機会に対する投資は戦略的に妥当であると考えました。これにはそのほかに、工場およびロジスティクス業務向け統合ソフトウェアソリューションが含まれています。
BSH 社は、顧客の注文や配送の正確な位置をいつでも把握できるようにするために、さまざまな運送業者からのデータをビジネスプロセスに統合することが可能な IT アーキテクチャーを必要としていました。この情報を顧客やスタッフと共有できるようにすることで、カスタマーサービスを大幅に改善できると考えました。
会社の規模が大きいことに加え、データセキュリティ要件を重視していたことから、新しいテクノロジー環境の構築にはかなりの時間を要する可能性があることはわかっていました。そこで、既存の SAP ERP アプリケーションとうまく連携し、オンプレミスからクラウドインフラストラクチャーへの迅速な移行が可能なソリューションを探しました。
注文を追跡し、正確なリアルタイムデータを共有
BSH 社は、運送業者、可視化プロバイダー、IoT デバイスなどのさまざまなソースからのデータを、顧客固有の API を使用して統合し、オーストリアでパイロットプロジェクトを実行するに当たって、SAP Business Network for Logistics の一部である SAP Business Network Global Track and Trace ソリューションを選択しました。クラウドソリューションの柔軟性により、導入と試験運用をすばやく行い、SAP Software-as-a-Service Provisioning サービスと組み合わせて、自社に適しているかどうかを確かめることができました。
ビジネスプロセスは、SAP ERP アプリケーションへの出荷伝票の記録や運送業者によってトリガーされるステップをソリューションに含めてモデル化しました。BSH 社は、SAP Services and Support の開発者機能、導入知識、ERP 統合サポートを活用して、注文と配送をリアルタイムで可視化し、透明性を提供する社内向けおよび社外向け Web アプリケーションを開発しました。例えば、顧客が製品を発注すると、商品が発送され次第、顧客はリンクを受信し、そこから配送の進捗を簡単に追跡することができます。
また、このソリューションを使用して、製造地域から販売地域に移動するトラックの積載量と製品の配送の追跡も行っており、これまでに 17 社の運送業者をオンボーディングしました。この追跡ソリューションは、輸送管理プロセスの合理化に役立つ SAP Transportation Management アプリケーションのロールアウトを補完するものです。
BSH Hausgeräte GmbH、グローバル計画・ロジスティクス変更マネージャー
絶えず顧客に最新情報を提供し、プロセスのデジタル化を促進
SAP Business Network Global Track and Trace ソリューションは、BSH 社の製品やサービスの発送から輸送、最終納入までの最新ステータスに関するリアルタイム情報へのアクセスを可能にしています。より正確な追跡データが得られるようになり、特に海上輸送の場合に個々の船を指摘できることは、過去 2 年間の困難な状況のようなサプライチェーンの混乱を考えると、ロジスティクス業務のレジリエンス強化に役立っています。
同社は、詳細なデータを顧客に自動的に提供して、注文の所在や納入予定を確認できるようにすることが可能になり、運送業者に電話をかけるといった手間のかかる手作業が不要になりました。これにより顧客の可視性が向上し、カスタマーサービスが強化されました。同様に、SAP ERP アプリケーションに情報を統合することで、データ品質と透明性の向上、顧客からの問い合わせに対するスタッフの対応やレポートの改善、プロセス最適化の促進にもつながっています。
このソリューションのロールアウトは、中央ヨーロッパとスペインではすでに完了し、北欧諸国とインドで現在進行中です。データ品質とユーザビリティについて好意的なフィードバックが得られていることに加え、アプリケーションを通じて追加情報を共有するために導入する運送業者が増えています。SAP Business Network Global Track and Trace は、一部の輸送プロセス向けのソリューションです。このため、このソリューションの導入を要求することは、入札プロセスに不可欠な要素になっています。
BSH Hausgeräte GmbH、ロジスティクス輸送部門システムおよびアプリケーション責任者
継続的なデジタル化による将来を見据えた事業運営
BSH 社は、SAP Business Network Global Track and Trace をすでに使用している 7 つの国に加え、インド、ハンガリー、米国へのソリューションのロールアウトも進めています。また、チャネルによって顧客追跡アプリケーションのスタイルが異なるオンラインショップや販売チャネルのブランディングとデザインに取り組んでいます。さらに、ソリューションから ERP アプリケーションへのデータフローと、国際海上輸送コンテナを中心とする倉庫管理活動「browse to warehouse(おおまかな確認から倉庫管理へ)」へのデータフローを統合することも検討中です。
BSH 社は、外部可視化プロバイダーと共同で、SAP Business Network for Logistics を使用した海上輸送追跡ソリューションを開発し、2023 年初めにロールアウトしました。このソリューションは、完成品の国際輸送について、10 社を超える海運会社の国際海上貨物コンテナ輸送を追跡します。SAP Business Network Global Track and Trace は、パートナーのコンテナ情報をアップロードし、同社スタッフと本番 ERP アプリケーションに追跡イベントを提供するソリューションとして機能します。
BSH 社は、SAP Business Network を運送コラボレーションだけでなく、品目トレーサビリティでも使用することも考えています。また、荷主、運送業者、およびロジスティクスサービスプロバイダーのヤード業務管理を支援するヤードロジスティクスアプリケーションにも関心を示しています。
BSH 社は、ビジネスプロセスのデジタル化を進めてサプライチェーンの可視性と透明性を向上させれば、これを基に、サステナビリティなどの重要課題への対処が容易になるはずです。すでに、SAP Business Network Global Track and Trace により、正確な移動距離が表示されることで、二酸化炭素排出量に関するインサイトが得られるようになっています。
