SAP による SAP 製品の運用:最新のデジタルワークプレイスで従業員の能力を強化
50 万人以上のユーザーを移行しながら通常業務を遂行
SAP SE は、中断によるユーザーへの影響を最小限に抑えながら、社内のデジタルワークプレイスをオーバーホールする必要がありました。SAP Build Work Zone への円滑な移行後は、アプリケーション、プロセス、Web コンテンツ、ナレッジ、情報への一元的なアクセスをインテリジェントに実現する卓越したエクスペリエンスを、場所やデバイスを問わず、従業員と外部ユーザーが享受できるようになりました。
| 業種 | 地域 | 企業規模 |
| ハイテク | ドイツ、ワルドルフ | 111,961 人の従業員 |
移行したユーザー数
SAP Build Work Zone のワークスペースに変換したグループ数
データ移行の容量
シニアプロダクトオーナー、SAP SE
最新かつ使いやすいデジタルワークプレイスで従業員のニーズを満たす
過去 10 年間でテクノロジーは劇的に変化し、ユーザーは仕事でも遊びでも、消費者向け並みに洗練された直感的な統合エクスペリエンスを期待するようになりました。しかも、そのユーザーが世界最大のエンタープライズアプリケーションソフトウェアプロバイダーの従業員であれば、さらに期待が高くなることは間違いないでしょう。
しかし、SAP SE は 10 年前に社内導入した SAP Jam Collaboration プラットフォームが現在では購入できなくなり、保全モードになっているため、もはや期待に応えるものではないことが分かりました。ユーザーアンケートでは、社内の満足度とユーザビリティの評価が低下していることを示していました。従業員は、生産性と接続性を高め、ビジネスサイトをより簡単に作成できるようにするため、より迅速な最新のインタフェースを必要としていたのです。
SAP は、今こそ社内のデジタルワークプレースを次のレベルに引き上げる時だと確信しました。そこで、フォーラムやフィードからドキュメントやアプリケーションに至るまで、ユーザーが必要なコンテンツにアクセスし、SAP とサードパーティーアプリケーションのデータとプロセスを円滑に統合して、直感的なビジネスサイトを構築できるツールをユーザーに提供することを目指したのです。
しかし、11 万 1,000 人の従業員と約 50 万人の外部ユーザーを含めた 60 万人以上のユーザーを抱えていたため、SAP はできる限り移行をシームレスに行う必要がありました。
従業員デジタルエクスペリエンス責任者、SAP SE
直感的なノーコードページビルダーへのほぼシームレスな移行を実現
SAP は、SAP Jam から SAP Build ポートフォリオの一部である SAP Build Work Zone に移行することを決定しました。これにより、ビジネスユーザーは簡単なドラッグ & ドロップ操作によって、アプリ作成、プロセスの自動化、ビジネスサイトのデザインが可能になります。SAP Build Work Zone で構築された新しいソリューションは、以下のアーキテクチャー図で示すように、複数の機能と特長を提供します。
直感的なワークスペース、テーマエディター、ヘッダーとメニュー、アクセシビリティ機能を備えた、最新のノーコードページ構築エクスペリエンス
コミュニティの強化、効果的なグループディスカッションの促進、顧客やパートナーなど社内外のユーザーを含む大規模なグループによるベストプラクティスの交換、アイデアの収集、および継続的な情報提供
社内外のシステムとカスタマイズされた統合によって、ユーザーがソリューション情報、ハウツーガイド、リリースノートに簡単にアクセスできるよう支援するサポートハブ
情報およびナレッジ共有の一元的な場所を提供することで、特定のトピックに関するピアツーピアでの交流を実現する専門知識の集約化
SAP Build Work Zone への移行は、事業継続性の維持と、多忙な IT チームへの負担を最小限に抑えるという両面において、賢明な選択でした。シニアプロダクトオーナーのエドゥアルド・アントゥネス・ダ・クーニャ (Eduardo Antunes da Cunha) 氏は、次のように述べます。「今回の移行は、ある場所から別の場所へデータが移動する従来の移行とは異なるものでした。これは、スクリプトの実行やデータベースの更新、そして本来ならユーザーが知る必要がない処理を行うことで、SAP Jam のインスタンスを SAP Build Work Zone の 1 つに変換するインプレース移行でした。同じユーザーとコンテンツをそのまま保持して、すべてを変換します。SAP Jam のグループは SAP Build Work Zone のワークスペースになり、レイアウトとテンプレートが更新されますが、ユーザーベースとログインは変わりません」
そのため、例えば SAP Jam からほかのシステムへの接続の維持は、IT チームが URL のエンドポイントを更新するだけで、すべてが円滑に機能し続けるようになったのです。
旧 SAP Jam サイトでは、ヘッダーから統合やスクリプトまで、高度なカスタマイズを行っていましたが、このプロジェクトは非常に小規模な IT チームによって遂行されました。さらに複雑さに拍車をかけたのは、以下のような移行規模の大きさでした。
1,500 万件のドキュメント
40 以上のプロジェクトワークストリーム(人事の学習プロジェクトからカスタマーエンゲージメントやセキュリティコンプライアンスまで)
30 に及ぶさまざまなシステムとの統合
状況に即した方法によって、ユーザーが自在に活用できるコンテンツとアプリケーションを配置
SAP Build Work Zone へのカットオーバーは、中断が非常に少なく、ほとんどのユーザーはトレーニングを受ける必要がありませんでした。アントゥネス・ダ・クーニャ (Antunes da Cunha) 氏はこのように説明します。「金曜日に SAP Jam を利用していたユーザーが、月曜日には SAP Build Work Zone にログインして、利用できるようになっていました」
直感的なワークスペース、テーマエディター、最新のヘッダーとメニュー、より多くの列と優れたレイアウトを備える改良されたノーコードページビルダー、そしてアクセシビリティの改善によって、複数のデバイスからアクセスできる豊富で新しいエクスペリエンスがユーザーにもたらされました。SAP Jam は Web コンテンツに重点を置いていましたが、SAP Build Work Zone は SAP とサードパーティーのいずれにおいても、Web コンテンツとビジネスアプリケーションの両方を組み合わせることができます。これは、生産性を大幅に向上させる大きな一歩です。
移行直後から、数千のグループが円滑に業務を遂行し、従業員はタスクを完了して、顧客、パートナー、その他のステークホルダーとやりとりしていました。現在は、Web コンテンツとビジネスアプリケーションを一元化したエントリーポイントによって、従業員はより包括的なエクスペリエンスを享受しています。
新しいツールの 1 つで人気を集めているのが、SAPUI5 ベースの統合カードです。これは Twitter や Q&A ツールなどの外部アプリケーションに直接アクセスすることを可能にします。アントゥネス・ダ・クーニャ (Antunes da Cunha) 氏はこのように語ります。「これまでは、カスタムウィジェットのページへの追加は、2 ~ 3 ステップが絡む面倒なプロセスでした。今では、ユーザーは 1 ステップでカスタムウィジェットを追加することができるようになりました」統合カードは、Wiki や Microsoft SharePoint ページからドキュメントリポジトリーまでの幅広いコンテンツを SAP Build Work Zone に集約します。状況に即した有意義な情報を組み合わせ、さまざまな場所に接続することで、ユーザーによる情報の更新は 1 回で済むようになりました。
SAP Build Work Zone は、フィードバックやビジネスニーズの変化に応じて、ユーザーが迅速にサイトを調整することで、ビジネスの俊敏性にも貢献します。キャンペーンをより効率的に展開し、より効果的かつ広範囲でコミュニケーションを取り、ユーザーの定着を促進することができます。さらに、より透明性の高いコミュニケーションとコラボレーションの改善により、企業の戦略や変化に対する従業員のエンゲージメントが向上します。
IT 部門としては、SAP Build Work Zone の稼働だけでなく、小規模なチームで管理できるようになったことも高く評価しています。コンテンツ、フォーラム、フィードを介したナレッジへのセルフサービスアクセスにより、サポートチケットの数と IT チームへの負荷が軽減されました。一方、ユーザーイネーブルメントとオンボーディングの迅速化は、コンサルタントが顧客に対してより早く作業時間を請求することができるようになるなど、IT 部門だけでなく会社全体にもメリットをもたらします。
より豊かなエクスペリエンスのための機能拡張
SAP Build Work Zone は、ユーザーにとってエンタープライズレベルのエクスペリエンスを実現するための極めて重要なステップです。高可用性設定の改善、より強力な接続性と統合フレームワークなど、SAP Business Technology Platform の統合と拡張性のメリットを活用することによって、SAP はこの戦略的に重要なプラットフォームに対して将来を見据えた開発を支援することができます。
計画改善の 1 つに、SAP Build Work Zone への SAP Fiori ラウンチパッドの組み込みがあります。これによりユーザーは、新しいデジタルワークプレイスで、ランチメニューから休暇申請、給与明細まで、何百種類もの SAP Fiori アプリにアクセスできるようになるため、生産性が向上して包括的なエクスペリエンスが実現します。
また、SAP Build Work Zone を SAP Build Process Automation ソリューションおよび SAP Build Apps 開発環境に統合することが、課題として挙げられています。これにより業務部門は、ローコードあるいはノーコードツールを使用して、プロセスを自動化し、独自のアプリを SAP Build Work Zone に公開することが可能になります。そして IT 部門は適切なガバナンスを維持しながら、統制を高めることができます。
オンボーディング、パフォーマンス管理、目標追跡など、さまざまなシナリオにおいて SAP SuccessFactors ソリューションをより深く統合し、従業員がデジタルワークプレイスの快適な環境で、人事業務を円滑に遂行できることを目指します。
一方、SAP Build Work Zone と分析ソフトウェアの統合によって、ユーザーがワークスペースの使用状況を監視できるようになることで、SAP は新しく進化するデジタルワークプレイスをさらに改善することができます。
SAP Build Work Zone への移行により、SAP は新しいデジタルワークプレイスでの継続的な強化の基盤を築いたのです。