Pfizer 社:法定レポートをシンプル化しながら複雑な決算処理サイクルを自動化

SAP とともに歩む Pfizer 社のジャーニー
バイオ医薬品大手の Pfizer 社は、拡張決算処理向け SAP S/4HANA Cloud ソリューションを導入して、財務レポートをグローバルに一元化し、決算処理プロセスのタスクを自動化しました。同社は IBM コンサルティング社の支援を受け、そのシェアードサービス組織全体でグローバルな決算処理プロセスの合理化に成功しました。
| 業種 | 地域 | 企業規模 | パートナー |
| ライフサイエンス | ニューヨーク州ニューヨーク | 従業員約 79,000 人 | IBM コンサルティング |
毎月 400 支社以上の決算処理を行うシステムの数。
このソリューションで管理されるタスク数。
自動化された決算処理タスク数。
シニアディレクター兼財務ソリューション責任者、Pfizer Inc.
手作業による複雑な決算処理プロセスを克服する
バイオ医薬品会社の Pfizer 社は、科学とグローバルなリソースを活用して、人々の生活を改善し、寿命を延ばす治療法を提供しています。同社は、ヘルスケア製品の発明、開発、および製造において、品質、安全性、価値に高いベンチマークを設定してそれを達成することに全力を傾けています。
Pfizer 社は、世界的なリーディングカンパニーとして、イノベーションに後れを取ることなく進化し続ける安定した信頼性の高いテクノロジーインフラを基盤として事業を展開しています。しかし、財務報告に関しては、手作業のプロセスとスプレッドシートに頼って決算処理を行っていました。
Pfizer 社のシニアディレクター兼財務ソリューション責任者であるラジェッシュ・ハーゼ (Rajesh Hase) 氏は、次のように語っています。「当社は決算処理のチェックリストをスプレッドシートで管理していました。それは細部まで行き届いていましたが、手作業も多く、時間がかかりました。タスクの状態を詳細に把握することは困難で、手順が正常に完了したかどうかを確認するには、それぞれの担当者に尋ねる必要がありました」
Pfizer 社の目標は、手順を標準化および自動化して、決算処理を簡単なプロセスにすることでした。「決算処理プロセスをシンプルにして、全支社の期末処理業務の計画、実行、モニタリング、分析をサポートしたいと考えていました」と、ハーゼ氏は説明しました。
ソリューションを探す中で、まず Pfizer 社はそのビジネスとデジタル戦略を整合させる強力なビジネスケースを作成し、主要なステークホルダーからの支持を取り付けました。
シニアディレクター兼財務ソリューション責任者、Pfizer Inc.
決算処理全体を可視化して透明性を確保
Pfizer 社は、候補になった複数のソリューションを評価した結果、拡張決算処理向け SAP S/4HANA Cloud ソリューションを選びました。SAP ERP Central Component (SAP ECC) から SAP S/4HANA Cloud への移行にすでに取り掛かっていた Pfizer 社は、拡張決算処理機能が同社のレガシーソフトウェア環境とスムーズにつながるだけでなく、同社の未来像に適合していることにも気付きました。このソリューションは、決算処理を実行、追跡、さらにその状態を把握するのに必要な一連のタスクと手順を文書化するのに役立つ、決算処理のテンプレートとベストプラクティスを提供します。これにより、リアルタイムのレポーティング、高度な追跡、効率的な決算処理が可能になります。
ハーゼ氏は次のように語っています。「当時、このソリューションは市場に出てきたばかりでした。そのため、実行のさまざまなフェーズで支援が必要だと考え、SAP MaxAttention プログラムを利用しました。当社はこのプロジェクトを 2021 年 6 月に開始し、北米の複数の支社でパイロット運用を実施しました。そしてこのパイロット運用を通じて、我々はこのソリューションを使いこなせるようになりました。当社のステークホルダーもこのやり方を気に入ってくれました。これで、我々は自信を持ってグローバル展開をスピーディに進めることができたのです」
月次決算処理をグローバルに効率化
SAP MaxAttention プログラムと IBM コンサルティング社から得られたエキスパートのガイダンスとアドバイスのおかげで、Pfizer 社は拡張決算処理ソリューションをラテンアメリカに迅速に展開することができました。その後すぐに他地域へも展開し、2022 年 4 月までに世界中の 400 支社以上の月次決算処理を実行できるようになりました。
この導入に際しては、SAP の専門的なカスタマーケアプログラムの一環として、使いやすさと保守機能に重点を置いたコラボレーティブなフィードバックサイクルによるサポートも提供され、全社的な導入準備を整えるのに役立ちました。さらに、構造化タスクリストの再利用可能で適切に定義されたテンプレートの設計や、ロードマップ計画の調整など、推奨プラクティスを正しく適用するためのガイダンスが提供されました。IBM コンサルティング社は、統合面の管理を行い、多くのプロセス領域が存在する大規模組織向けの拡張決算処理機能の最適設計を手引きしました。
現在 Pfizer 社では、同社全体の決算処理を単一システム上で完了できるようになり、多くの決算手続きが人的介入なく SAP アプリケーション上で自動的に実行されるようになりました。ワークフロー通知がチームメンバー全員に送られ、業務を中断する必要がありません。また、オンラインアナリティクスによりタスクパフォーマンスがクリティカルパスに沿って追跡されます。これにより、決算処理プロセスが正しい順序で実行されていることを確認でき、誰もがタスクの責任者と完了時期を把握できます。
以上のように、Pfizer 社は、シンプル化、標準化、自動化、効率化されたプロセスをグローバルに展開することで、SAP ソリューションを用いて決算処理プロセスを日常的で簡単なプロセスに変換することに成功しました。
シニアディレクター兼財務ソリューション責任者、Pfizer Inc.
支援パートナー
IBM コンサルティング社は、ビジネス変革を専門とする米国の多国籍テクノロジー企業です。さまざまな企業に対して、アジャイル戦略、エクスペリエンスデザイン、テクノロジー、オペレーションを提供します。15 万人のコンサルタントを擁し、多様な知識、経験、ハイブリッドクラウドや AI などのテクノロジーを企業に提供して、ビジネス変革の加速化を支援しています。