SAP とともに歩む MVV Enamic 社のジャーニー
MVV Energie AG は、社会的責任を果たす環境に配慮したエネルギーを先導しています。しかし、ドイツのこの大手エネルギーグループとその子会社である MVV Enamic GmbH にとっては、それだけでは不十分です。MVV Enamic 社は、エクスペリエンスの変革を目指し、SAP ソリューションを導入して B2B パートナーのエクスペリエンスを向上させました。
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契約書作成にかかる時間を短縮。
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あらゆる角度から顧客を把握
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顧客向けのエネルギー関連製品・サービスに関する情報へのアクセスポイントの一元化
SAP Commerce Cloud を使用して、見積もりプロセスのほとんどをデジタル化しています。これにより、販売部門は半分の時間で契約を締結できます。
ギュンゲル・サリタス (Güngör Saritas) 氏
ビジネス/カスタマーサービスおよび請求責任者
MVV Enamic GmbH
課題
エネルギーと効率をサービスとして提供
MVV Energie 社は、エネルギーバリューチェーン全体にわたって事業を展開し、顧客とエネルギー関連サービスの最適な効率を得るために、環境に対して安全性の高い製品に注力しています。MVV Enamic 社は、このエネルギーグループの B2B ビジネスユニットです。MVV Enamic 社は、グリーングローバルエネルギーへの移行を促進するために、MVV ソリューションハウスプロジェクトで商品提供からサービス提供へ移行したいと考えていました。同社は、ビジネス顧客がエネルギー監査や専門家による相談などのサービスをワンクリックで注文できるオンラインマーケットプレイスを想定していました。
最初の目標は、カスタマーエクスペリエンスの測定、分析、最適化でした。その後、MVV Enamic 社は、独自のソリューションと SAP およびコンソーシアムパートナーのソリューションを統合ソリューションハウスで組み合わせて、複数のパートナーにわたるマーケティング、販売、生産、ロジスティクス、決済を用いて効率化しようとしました。
対となる B2B オンラインプロジェクトでは、リードから入金までのプロセスを統合し、オンラインマーケットプレイスでの価格設定および見積もりのプロセス全体を自動化します。コンソーシアムの参加企業は、注文の管理、ライセンス供与の改善、従量課金モデルの確立について規模の経済を獲得します。彼らは、ハイブリッドバックオフィスを構築し、クラウドソリューションを SAP Customer Relationship Management アプリケーション、SAP Customer Engagement Center ソリューション、および SAP for Utilities ソリューションと統合し、それらをすべてオンプレミスの SAP HANA 上で実行します。
MVV Enamic 社は、SAP Marketing Cloud、SAP Sales Cloud、および SAP Commerce Cloud ソリューションの共同イノベーションにより、複数のパートナーにわたるリード、オファー、契約、コンプライアンス管理の強化を期待していました。
SAP のエキスパートとともに、MVV ソリューションハウスプロジェクトにおけるパートナーとの相乗効果を最大限に高め、B2B オンラインプロジェクトで e コマースのカスタマーエクスペリエンスを強化しました。
クリスチャン・スコブジン (Christian Skobjin) 氏
ビジネスサービスマネージャー
MVV Enamic GmbH
ソリューション
B2B プロセスの段階的強化
MVV Enamic 社と SAP のエキスパートは、最初に、あらゆる角度から顧客を把握するための基盤として B2B 販売の個々の価格計算をデジタル化しました。次に、パートナーの製品一覧をまとめた総合製品カタログを作成しました。
その次の段階で、チームは、選択したパートナーのプリセールスプロセスを統合して販売の調和を図り、パートナーのサブセット全体にわたる販売と決済向けのハイブリッドインフラストラクチャーを使用して本稼動を開始しました。次のステップは、固定価格の電力と、ガスおよびエネルギーの効率を考慮した新しい製品パッケージをサポートする商業用オンラインチャネルを構築することでした。最初のマーケティングの本稼働開始では、セグメンテーションおよびキャンペーン管理機能も導入されました。
さらなるステップとして、KPI のスコアリングエンジンと販売用のプラットフォームの開発がありました。これには、顧客によるコスト管理を支援する機能と、スマートメーターおよび電気自動車用充電ステーションを導入するための機能が含まれていました。
継続的な設計開発作業により、インバウンドマーケティングのプロセスが洗練され、マーケティング許可の管理が自動化され、コンソーシアム全体にわたる新規プロセスが統合されました。アップデートの本稼動開始では、複数のパートナーにわたる製品バンドリングとマーケティングの自動化、追跡の機能が備わり、デジタル化された決済プロセスも追加されました。
このプロジェクトにより、複数のパートナーにわたる注文がオーケストレーションされ、決済が完全に統合されて、リードから入金までのプロセスがほぼシームレスに行われるようになりました。MVV Enamic 社は、B2B モデルで販売するという概念を実証したヨーロッパ初の公益事業企業の 1 つとして、この重要な移行を実現しました。このオンラインモデルは、2040 年までに二酸化炭素排出量をゼロにするという目標を掲げ、環境に配慮したエネルギー企業であり続けるというこの会社のミッションをさらに強固なものにしています。
導入成果
事業の拡大と環境責任の向上
現在、ソリューションハウスと B2B オンラインプロジェクトにより、MVV Enamic 社は幅広いメリットを得ています。
MVV Enamic 社が、ターゲット市場の定義とこのプロジェクトへの投資の正当化のために開発したビジネスケースは、計画への厳格なアプローチを表しており、公益事業においてはまれなことです。パートナーネットワークが単一の共同インフラストラクチャー上で運用されるようになり、パートナー向けの複数の統合ステップが不要になりました。また、規模の経済によって資金を節約でき、パートナーはその資金を再生可能エネルギーや持続可能性の促進方法の調査に向けることができます。
パートナーでの IT ランドスケープの大幅な簡素化により、IT スタッフは、パートナーのエコシステムとの統合やアップデートの管理といった、増加の一途をたどる作業から解放されました。また、ビジネスユーザーは顧客をあらゆる角度から把握して独自のインサイトを引き出せるため、IT 担当者にレポートの設計を依頼する回数も減りました。
顧客には、低い価格、透明性の高い請求、迅速なサービスというメリットがあります。リードから入金までのプロセスの合理化により、マーケティングおよび販売担当者は時間を節約でき、より創造的な作業に取り組めます。さらに、パートナーサービス担当者は、SAP Customer Engagement Center を使用して、快適で一貫性のあるカスタマーエクスペリエンスを提供できます。
当社は、お客様のサステナビリティへの取り組みを継続的にサポートできるようになりました。それと同時に、当社の効率の高い熱と電力のコジェネレーションを拡大し、デジタル測定と e モビリティ向けのソリューションとともに、環境に配慮した暖房オプションを提供できるようになりました。
ギュンゲル・サリタス (Güngör Sarita) 氏
ビジネス/カスタマーサービス MVV Enamic 社
今後の計画
さらなる相乗効果への道筋を築く
MVV Enamic 社は、この組み合わせに SAP Service Cloud ソリューションを追加し、製品とバンドルの定義および見積もり管理のためのセントラルリポジトリーを作成することで、短期的にそのソリューションハウスと B2B オンラインプロジェクトを拡張する予定です。
また、接続された会社、パートナー、およびサードパーティーベンダーにわたる受注管理をさらにオーケストレーションすることも予定しています。この計画には、プラットフォームで販売される製品やサービスに対する料金計算および請求処理のプロセスの統合が含まれます。
MVV Enamic 社は、将来を見据え、コンソーシアム全体にわたる新たなグリーンエネルギーサービスの提供をさらに統合して、引き続きそのミッションを果たしていきます。
SAP による MVV Enamic 社の業務改善支援
主なビジネス成果とメリット
注目のソリューションとサービス
MVV Enamic 社について
MVV Enamic GmbH は、ドイツの大手エネルギーグループ MVV Energie AG の B2B ソリューションユニットです。MVV Energie 社は、産業用、商業用、および住宅用の顧客に、信頼性が高く経済的で環境に配慮したエネルギーを提供することを専門としています。