AGILITA 社について
AGILITA AG は、インテリジェントテクノロジーで企業の変革と成長を支援する SAP パートナーです。同社は、顧客が SAP S/4HANA Cloud などの SAP のクラウドソリューションで効果的なテクノロジー戦略を策定できるようサポートしています。
業種 | 地域 | 企業規模 |
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サービス | スイス、ヴァリセレン | 従業員数:100 名 |
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他人に変化を求めてばかりではいられません。自分に問いかけ、自分自身が変化を受け入れる必要があります。誰もがそうだとは言いませんが、やはりクラウドは必須でしょう。もう、有線で電話をかけることはほとんどない時代ですから。
サンドラ・フェラー (Sandra Völler) 氏
マネージングディレクター
AGILITA AG
初期のクラウドソリューションが市場に投入されたとき、サンドラ・フェラー氏は「未来はクラウドにある」と悟りました。SAP パートナーの AGLITA AG のマネージングディレクターとして、フェラー氏はすぐさま、顧客がこの新しいクラウドテクノロジーを導入できるように取り掛かりました。しかし、周囲は懐疑的でした。フェラー氏は、クラウド変革が AGILITA 社にとって正しい選択であることを経営陣に納得してもらう必要がありました。
やがて、他社に先駆けて獲得していたクラウドの知識が AGILITA 社に成功をもたらし、同社はスイス有数のシステム企業となり、従業員数が 2 年間で 60 人から 100 人に増えました。しかし、この従業員の増加によって IT 環境は限界に達し、同社の小規模で俊敏なクラウドプロジェクトにも、まったく新しいプロセスが必要になったのです。この課題を解消するため、フェラー氏は、顧客への導入を支援している同じソリューションを自社でも導入することにしました。
AGILITA 社は SAP S/4HANA Cloud の導入を決めました。その理由について、フェラー氏は次のように述べています。「従業員の 3 分の 1 が現在 SAP S/4HANA の実装に関わっています。このソリューションに対して全員がユーザー視点を持っていることが私にとっては重要なことでした。何より、このソリューションは当社に多大なメリットをもたらしてくれるものなのです。」
しかし、SAP S/4HANA Cloud の専門家が多数いる AGILITA 社は、「ノウハウがありすぎる」という少しめずらしい難題に直面します。AGILITA 社のプロジェクト責任者兼シニアコンサルタントのクラウディア・ニエトリスバッハ (Claudia Nietlisbach) 氏は次のように振り返ります。「当社には、当然ながら SAP S/4HANA Cloud の第一級プログラマーがそろっています。そのため、標準ソリューションを当社の従来のプロセスに適合させようという意見が多く出ました。ですが、その気持ちを抑えました。そもそも、私たちはこの IT 環境とともに自社のビジネスプロセスを変えようとしていたのですから。」
ニエトリスバッハ氏が率いるプロジェクトチームは、手順を細かく分けた戦略を選びました。2020 年 1 月から、日常業務と並行して機能を 1 つずつ、SAP ソリューションの標準形式で導入し、4 月までに完了しました。
しかし、エキスパートたちが自社プログラマーのスキルを完全に無視していたわけではありません。わずか数日で、SAP Business Technology Platform をベースに、データアクセスとデータインタラクションを大幅に簡略化するアプリケーションを開発したのです。従業員はそのアプリケーションを使って、簡潔な Launchpad、またはタブレットやスマートフォンのアクセス機能を介し、休暇の確認、CRM システムでの顧客データへのアクセス、経費の記録、その他タスクの管理などが可能になりました。
フェラー氏は、新しいシステムの利点を 3 つの領域(透明性、拡張性、より的確なプロジェクト管理)にまとめました。透明性は、各ユーザーのニーズを柔軟に満たす分析用ダッシュボードを使用して、マイルストーンや期間、費用、休暇などのリアルタイムデータに対するインサイトをいつでも利用できるようにすることで確保できます。
フェラー氏は次のように述べています。「以前は 1 人の担当者が週 1 回、1 日がかりでこうした分析を行っていました。現在はアナリティクスが標準装備されています。」例えば、サービスを 1 日単位でトラッキングして請求できるようになりました。また、プロセスの質が上がったことで、請求の質も向上しました。従来のシステムで同じことをしようとすれば、透明性を確保するのに相当の追加労力が必要だったでしょう。
第 2 のポイントである拡張性は、ビジネスが急成長している AGILITA 社にとっては特に重要です。SAP S/4HANA Cloud を導入したことで、新入社員のオンボーディングを短期間で完了でき、また最新プロジェクトの状況を新入社員に知らせることができるようになりました。情報がノイズに埋もれてしまうことはなく、シンプルに細分化されたプロジェクト管理によって、パッケージ全体が求められることを正確にこなしてくれます。
新しいシステムを導入したことで多くの物事が簡素化され、多数のイノベーションが始まっています。デザインや操作感、非常にシンプルな使い心地が、特に若い従業員のやる気につながっています。
スヴェン・ストウブ (Sven Staub) 氏
カスタマーエクスペリエンス責任者
AGILITA AG
AGILITA 社にとって変革とは、新たなテクノロジーを取り入れるだけではありません。変革によって会社全体が大きく変わりました。
ニエトリスバッハ氏は次のように述べています。「このプロジェクトを通じて自分たちの会社について理解を深め、これまでのプロセスに疑いを持つ機会を得ることができました。経営陣が本当に見るべき数字はどれなのか。より適切な責任分配はどうやって実現するのか。おかげで、最も適切な気づきにたどり着くようになりました。」
新しいシステムにより、プロジェクトマネージャーはプロジェクトに対して明確な裁量権を持ち、より大きな責任を負うようになりました。また、請求提案をすぐに確認して承認できるようにもなりました。以前は、この処理に何時間もかけていました。例えば、ユーザーは、財務部門に問い合わせなくても適切な情報にアクセスできるようになりました。
プロジェクトレポートの内容がさらに詳細になり、顧客満足度の向上につながっています。AGILITA 社は、「カスタマイジング」プロセスの正確な手順など、請求書作成時の個々の明細の背景を明確にすることができます。これが品質保証にプラスの効果をもたらし、顧客も AGILITA 社のすばらしい仕事ぶりをきちんと確認することができます。
今後について、AGILITA 社は SAP S/4HANA Cloud を利用したさらに壮大な計画を立てています。AGILITA AG のカスタマーエクスペリエンス責任者であるスヴェン・ストウブ氏は次のように説明します。「当社はさらなる変革を目指しています。アプリを運用する中で、従業員からさらに新しい機能を求める声があがっています。その声を受け、既存の契約フレームワークに基づく請求書の自動処理を実現するチームが立ち上がっています。その他準備中の計画がいくつもあり、AGILITA の変革はまだ始まったばかりと言えそうです。」
AGILITA AG は、インテリジェントテクノロジーで企業の変革と成長を支援する SAP パートナーです。同社は、顧客が SAP S/4HANA Cloud などの SAP のクラウドソリューションで効果的なテクノロジー戦略を策定できるようサポートしています。
業種 | 地域 | 企業規模 |
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サービス | スイス、ヴァリセレン | 従業員数:100 名 |