SAPソリューションによる内部統制支援(4):
環境コンプライアンスを支援する-- SAP xApp Emissions Management(2)
Tesoro社によるコンプライアンスと業務効率改善への取り組み

ガス排出量を監視して政府規制を遵守するための効率的な方法を必要としていたTesoro社では、コンプライアンス機能を備えたコンポジット・アプリケーション・パッケージ、SAP xApp Emissions Management(SAP xEM)を採用しました。
米国最大手の独立系石油精製企業であるTesoro社は、6つ精油所を有しており、西部の環境重点地域を拠点に、1日あたり計56万バレルの石油を精製しています。同社は環境コンプライアンスを企業の最優先課題に据えると同時に、業務効率の改善にも取り組んでいます。

Golden Eagle精油所の環境マネージャを務めるアラン・サベージ(Alan Savage)氏は、次のように説明しています。「以前は、複数の施設と複数のシステムにまたがるデータ収集を手作業で行っていました。当社は、コンプライアンス管理のための自動化、データの可視化、明確に定義されたプロセスなどが、結果として効率性の向上やコスト削減、コンプライアンス違反リスクの低減につながるだろうと考えていました」。

そこでTesoro社は、コンポジット・アプリケーション・パッケージであるSAP xAppsのコンポーネント群の1つ、SAP xApp Emissions Management(SAP xEM)の採用を決定したのです。

これらのソリューションにより、企業は既存のIT環境から既存の機能やデータを活用して新しいビジネス目標に対応することができます。Tesoro社の最高情報責任者(CIO)であるマーク・エバンス(Mark Evans)氏は、「SAP xEMの導入によって、問題の発生に速やかに対応し、規制機関の要件を満たすだけではなく、明確な監査証跡を生成することが可能になります」と語っています。
コンポジットアプリケーションによるさまざまなメリット
Tesoro社では、中央サーバを使用して、遠隔地のユーザがWebブラウザを通じて安全にアクセスできるようなポータルソリューションを探していました。一方で、排出量の偏差に適正かつ効率的に対処するための例外管理も、もう1つの重要な要件でした。「規制当局がそれぞれの偏差について妥当性を調査するのには理由があります。違反が発覚した場合、企業が刑事責任を問われることにもなりかねないのです」(Savage氏)。

同社はまた、10,000ページにも及ぶ規制関連の文書を、ソフトウェアソリューションではなく専用の文書管理システムで管理したいと考えていました。さらに、既存のレポート作成ツールとの統合や、監査に十分に対応し得る情報の追跡と保存を目的とした、単体の事故・災害管理システムの活用も懸案となっていました。

これらの条件を完全に満たしたのが、SAPソリューションです。同社のプロジェクトマネージャであるイシュメル・クーパー(Ishmael Cooper)氏は、次のように語っています。「当社は、SAP xEMがコンポジットアプリケーションであるという点を評価しました。当社の問題は、可視性と統合が十分に実現されていないことにありました。SAP xEMは、すべてを統合するための迅速かつコスト効率のよい方法を提供してくれたのです。業務管理とワークフロー機能についても、SAP xEMは複数のレイヤを提供しており、現場でどのようなことが行われているのかを正確に把握することができます」。

企業は、排出量について、すべてについて報告する方法と、例外のみ報告する方法の2つの選択肢があります。たとえば、600ページに及ぶ報告書をすべて調査し、要求される各項目の値を記録していく方法と、あらかじめ設定された制限値を超過した項目のみ報告する方法です。SAP xEMはこうした例外、つまり排出量超過のようなケースにも対応しているということです。
既存のIT環境を有効活用して正確かつ容易な排出管理を実現
同社のSAP xEMの導入にあたっては、環境コンプライアンスを専門とするSAPのパートナー企業、TechniData社がサポートを行いました。TechniData社のディレクターであるトーステン・ショルツ(Thorsten Scholz)氏は、「当社はTesoro社と連携しながら、導入プロジェクトの開始から完了までを支援しました」と説明しています。

TechniData社の最も重要な責務の1つが、プロセスを見直し、パフォーマンスやプロセスの効率を最適化することでした。そこで、SAP xEMの許可管理機能を活用し、単体の文書管理システムに格納された規制要件とSAP xEM内の規制要件をリンクさせることにしました。

SAP xEMの技術基盤であるSAP NetWeaverプラットフォームのコンポーネント、SAP Enterprise Portal(SAP EP)は、Tesoro社の環境・安全・衛生管理に関するあらゆる業務へのシングル・アクセス・ポイントとして機能します。偏差に関する緊急通知を、ユーザのワークステーションに直接配信することも可能です。

Tesoro社は、2004年12月にSAP xEMの本稼動を開始しました。現在は、同社の中で最も複雑なサンフランシスコ湾岸地域の精油所のみを導入対象としていますが、近い将来、すべての施設にロールアウトする予定です。

SAP xEMの最大のメリットは、より正確かつ容易な排出管理が可能になることです。必要な情報は、随時責任者に配信されます。また、排出量に関するすべての履歴が保持されるため、迅速な分析とコンプライアンスの証明が可能になるだけでなく、決められた書式に従って迅速に報告書を作成し、提出することができます。Tesoro社のITディレクターであるジャネット・ジッペラー(Janet Zipperer)氏は、「SAP xEMの導入により生産性が向上し、コンプライアンスコストも削減できました。いまだに従来の方法で苦戦を強いられている競合他社より、当社ははるかに優位にあると言えます」と語っています。
SAP INFO 英語版 VOL.130 別冊Solutionsより
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