SAPソリューションによる内部統制支援(4):
環境コンプライアンスを支援する-- SAP xApp Emissions Management(1)
さまざまな要件に対応する高度なコンプライアンス機能を提供

環境規制として最もよく知られるのが京都議定書ですが、他にも、ヨーロッパだけで3,000以上の規制が存在しています。これらはそれぞれ、企業に対して「環境に対する義務」を課しており、その内容は複雑で、報告要件もますます厳しくなりつつあります。SAP xApp Emissions Management(SAP xEM)は、こうした要件への対応を容易にし、コンプライアンスの実現をサポートします。
コンプライアンスにおけるデータ統合の重要性
コンプライアンスを証明するため、企業は、環境に関するデータの監視、規制機関の監査に対応した報告書作成、を可能とする必要があります。そのためには、複数のITシステムに分散した情報にアクセスし、それらを統合する必要があります。

つまり、さまざまな機能をまたいで、必要なコンプライアンス関連の情報にアクセスできることが必要です。そこで、さまざまなアプリケーションを環境コンプライアンスや排出管理用のシステムに統合する機能が求められることになります。SAP xEMなら、こうしたニーズに応えることができます。

コンポジットアプリケーションとして新しく登場したSAP xEMは、工場の排出監視と管理、パフォーマンスベンチマークの追跡、社内外の主要な関係者とのコミュニケーションなどによって、継続的なコンプライアンスを実現します。

SAP xEMの開発パートナーであるTechniData社は、環境、排出、コンプライアンス管理に関して、20年以上の経験を通して蓄積してきた専門知識を生かしています。ボーデン湖畔を拠点に300名以上の従業員を抱える同社は、ベストプラクティス、開発、技術ノウハウなどを提供し、環境コンプライアンスと既存のビジネスプロセスとを連携させて、顧客のリスク軽減やコスト削減、競争力強化の実現を支援しています。

TechniData社の副社長、スヴェン・デネケン(Sven Denecken)氏は、次のように語っています。「SAP xEMにより、企業は社内外のあらゆる排出関連のデータを管理できるようになります。また、時間やコストを削減でき、市場の変化に対して柔軟に対応できるだけでなく、コンプライアンス違反によるリスクを回避できます。しかし、何よりもSAP xEMの最大の特長は、常に環境にやさしくあるべきであるという企業の目標達成を支援することです」。

たとえば、シナリオ・分析管理機能により、排出元となる工場やすべてのプロセスについての記述や、その情報に基づく排出ガイドライン値の定義がはるかに容易になりました。管理会計、計画、リスク管理が完全に統合されているため、マウスをクリックするだけで、コンプライアンスに必要なコストをいつでも調べることができます。
SAP xApps Emmisions Managementの主な機能
■ コンプライアンス管理:SAP xEMは、ビジネスプロセスをさまざまな規制要件に適合させるための広範なサポートを提供します。これらの要件は、法律や企業が定める運用制限、アクティビティの定義、一般的なルールセットなどが対象となります。SAP xEMは、コンプライアンス問題の定義、監視、統制を行うための包括的なツールセットを提供します。これらの特徴や機能を統合することによって、企業がリスク管理責任を果たすための高度なコンプライアンス管理機能が提供されます。

■ 許可管理:常に変更を予測し、それに適応していくことが、コンプライアンス管理における重要な課題の1つです。変更は、新たな法規制の登場や法規制の変更、運用プロセスの見直し、新しいアプリケーションの導入などにより発生します。SAP xEMは、コンプライアンスプロセスや社内外の関係者との情報交換に関わる変更管理をサポートします。

■ 排出管理:排出規制は、有害物質を排出する施設やプロセスに対して、常に詳細な説明を義務づけています。排出の種類や該当する法規制によって、その内容は大きく異なります。SAP xEMは、工場施設のモデリング、シナリオ作成、プロセス分析のための柔軟な機能を提供します。

■ 温室効果ガス管理:SAP xEMは、排出権取引をサポートします。企業は、規制機関の承認を得るために必要なデータを収集し、文書化し、証明しなくてはなりません。不正確なデータは、排出権取引市場の変動相場に誤った信用情報を提供することになり、場合によっては、責任者が罰せられる可能性もあります。SAP xEMは、規制機関が要求する書式に沿った高度なデータ管理機能とレポート機能を提供して、このようなリスクの軽減に貢献します。また、市場や取引プラットフォームへのインタフェースを統合することで、ビジネスシナリオに沿ったシームレスな排出権取引を可能にします。これらの特徴は、厳しい規制やデータ提出要件の遵守を保証し、企業は必要以上のリスクにさらされることなく排出権取引を最大限に活用できます。

■ レポーティングと文書化:法規制遵守を証明するための唯一の有効な手段は、データを詳細に報告し、文書化することです。一般的に報告書に求められる情報は、排出に関するプロセスのほか、特定期間に行われた計測の集計結果などです。SAP xEMの堅牢なデータウェアハウス機能が、必要なデータの収集と統合をサポートします。さらにSAP xEMは、Adobe Formによるテンプレートベースのインポート/エクスポート機能を提供しており、また、レポーティングツールのCrystal Reportsとの連携も可能です。
グローバルなデータアクセスを可能にするSAP NetWeaver
SAP xEMはSAP NetWeaverを基盤としているため、ユーザはさまざまなIT環境に分散する排出関連のデータを統合することができます。これにより、全社的に生産性、効率性、コラボレーションが強化されます。また、資産の追跡・監査機能も提供されるため、環境に関するコストやリスクも削減できます。

SAP NetWeaverとそのSAP Composite Application Framework(コンポジット・アプリケーション・フレームワーク)は、バリューチェーン全体でデータを統合します。SAPの標準ソフトウェアには、あらかじめインタフェースが提供されているため、新たにインタフェースを必要とすることもほとんどありません。データの冗長性が解消され、総所有コスト(TCO)を軽減すると同時に柔軟性も強化されます。
(Gabi Herzog, SAP AG)
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