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SAPソリューションによる内部統制支援(3):

SAP CRM -- 販売業務における内部統制の強化

販売コンプライアンスの重要性

SOX法のキーコンセプトは財務報告の信頼性です。信頼性の確保に向けて、関連法規を遵守し、業務の有効性・効率性を監視し、その説明責任を果たしていくために、販売業務はもっともフォーカスすべき領域の1つと言えます。それは、販売業務が社外との取引であるということと、直接的に企業の「売上」や「利益」に直結する役割を持っているからです。販売業務は、SOX法306条の「倫理規定」や同404条の「監視・報告義務」に対応する日本の法規制およびその関連法規について、厳格な適用が求められる領域なのです。

SAP CRMによる業務の効率化と統制強化の実現

統制関連法規を遵守しながら、同時に業務の効率化を実現するのは容易なことではありません。しかし、コンプライアンスに関して、ステークホルダーに"具体的、論理的、実証的"な説明責任を果たすことに注力した結果、業務の効率やスピードが低下してしまうといったことは避けなければなりません。

SAP Customer Relationship Management(SAP CRM)は、この相反する要件に対応します。SAP CRMでは、見込み顧客の登録から商談の管理、見積、受注、与信チェック、商品の利用可能在庫の確認、確実な出荷、正確な請求、売上計上、債権管理に至るまで、販売業務全体にわたって、あらゆる業務プロセスの計画・実行・監視をもれなく、また効率的に実行する機能を標準で提供しています。

■ 受注~出荷~請求業務におけるリスクマネジメント

顧客からの発注を受けて出荷のプロセスを実行する場合、明確な受注に基づいて正しく商品を出荷し、出荷に基づいて請求したものが正しく売上として計上される必要があります。この販売業務の遂行は、企業活動において売上(収益)を計上するための中心的な業務です。したがって、このプロセスを保証することは、コンプライアンスの重要な柱の1つでもあります。

SAP CRMの販売管理機能により、顧客への見積作成から、交渉、販売契約締結、契約遵守の監視、さらに出荷・請求といった一連のプロセスを管理することができ、販売に関する情報を一元管理して、各拠点や個人による販売業務の管理とその履行のバラツキを解消します。また、受注時の与信確認を自動的に実行し、未入金が多い顧客や販売条件から外れた受注については警告を通知するといった管理・監査機能も提供します。またこれらの全プロセスにおける統制機能(アクセスコントロール)により、受注担当者と出荷担当者、売上計上担当者が重複しないようにすることで、信用のない顧客への販売、売上の架空計上、異常な返品などのリスクを防ぎます。

■ 販売業務における監視活動

正しい数量や金額で、受注、出荷、サービスの提供、請求などの業務を行うだけでなく、たとえばその会計処理については、計上する数量や金額が正しいことはもちろん、計上するタイミングも重要となります。一般的には、商品を出荷した時点(出荷基準)あるいは顧客が商品を受領した時点(検収基準)で売上を計上しますが、この計上日付が特に決算日前後の販売業務の中で故意に修正されることも考えられます。このリスクを回避するためには、統制活動の実施と牽制環境の整備が必要となります。この牽制機能の中心となるポイントは、次の3点です。

  1. 見積・値引き・受注・与信・販売契約・出荷・サービスの提供・請求、そして会計的な計上といった一連の業務が、内部牽制機能が十分に確保されたルールに基づいて遂行されること。
    そのためには、役割権限規定と業務処理手順を厳密にルール化する必要があります。SAP CRMでは、こうしたルールに基づいて承認された手続きが、取引事実に従って正確に保持される仕組みになっています。
  2. プロセス全体で発生するデータが変更履歴も含めて監査可能な形で記録されること。
    SAP CRMでは、確定した取引データがルール外で変更されることはありません。また、変更された場合には、必ず変更履歴が記録される仕組みになっています。
  3. 業務プロセス自体の変更についても監査可能な形で記録されること。
    SAP CRMでは、構築されたプロセスがルール外で変更されることはありません。また、変更された場合には、必ずその変更履歴が記録される仕組みになっています。
つまりSAP CRMは、販売に関する業務プロセス全体と、そこで発生するすべてのデータを的確に管理することができ、さらに、それらの変更履歴を完全に管理できるという点で、内部統制強化に最適なソフトウェアと言えます。

情報管理のあり方が企業の運命をも左右する

内部統制では財務の信頼性を向上させるために、法規制の遵守と効率化の両方を実現することが重要です。特に販売業務においてはさまざまな顧客情報を取り扱うことになるため、リスクマネジメントの観点から、厳格な情報管理の中で間違いなく業務が行われなければなりません。これが守られなければ、企業としての信頼を失墜し、今までの努力がすべて無駄になることも考えられます。それほど重要なポイントなのです。これについても、上記の牽制機能や、情報へのアクセスを権限によりコントロールする統制機能(アクセスコントロール)により、業務に関係のない人が必要のない情報にアクセスすることを防ぎ、情報漏えいに対するリスクの最小化に貢献します


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