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「日本版SOX法」と呼ばれる新たな法規制の施行を前に、各企業のコンプライアンスへの取り組みが加速しつつある現在。内部統制を全社的に機能させるための仕組みは、一朝一夕には実現できません。早い段階から計画的にプロジェクトを始動させ、本番を迎える前に十分なリードタイムを確保することが重要となります。
もちろん、コンプライアンスへの取り組みは、多くの企業にとって簡単ではなく、また大きなコスト負担となります。しかし、それを理由に課題を先送りすることで、新たな法規制に対応できないばかりでなく、早期に取り組みを開始した競合他社からは遅れを取ることになり、現状よりさらに多くのリスクにさらされることにもなりかねません。コンプライアンスを"お荷物"と捉えるか、"絶好のチャンス"と捉えるかによって、将来の企業価値、次なる利益が左右されると言うこともできるのです。
一般的な内部統制強化に向けたステップは以下のとおりです。これらのステップを考慮すると、本番に向けて、全社レベルで多くの検討や議論が必要であることは明らかです。
次にコンプライアンスプロジェクトを適切なアプローチで効果的に推進するためのポイントをいくつかご紹介します。 1. 競争力獲得の大きなチャンス コンプライアンスをネガティブに捉えると、プロジェクトに要する時間や人員、コスト面ばかりが強調されてしまい、取り組みに対する意識の低下や、取り組みの遅れの原因となり、決して良い結果は期待できません。コンプライアンスへの取り組みを通して企業の実態が明らかになることで、実務のオペレーションを改善したり、企業全体のプロセスを大幅に向上させるだけでなく、リスクを最小化し、企業戦略的にも有効な透明性、正確性、監査性に優れた情報基盤を構築する大きなきっかけになるなど、企業にとって多くのポジティブな側面があることを理解する必要があります。コンプライアンスを競争優位獲得のチャンスと捉えることこそ、プロジェクト成功への第一歩と言えます。 2. 強力なリーダーシップ コンプライアンスは全社員が一体となって取り組むべき課題であり、また、それができなければ真のコンプライアンス経営の実現は不可能と言えます。社員一人ひとりの意識改革を促すのは決して簡単ではありません。だからこそ経営トップ自らがプロジェクトを主導し、その強力なリーダーシップのもと、トップから業務の担当者まで、全社員が内部統制に対する意識を持ち、企業あるいは各組織の課題を認識し、それぞれに役割を担いながらプロジェクトを進めていく必要があります。 3. 全社員への意識づけとモチベーションの維持向上 内部統制を全社的に機能させるためには、プロジェクトへの全員参加型の活動を展開する必要があります。そのためには、プロジェクトの初期段階で「コンプライアンスとは何か」といった基礎的なレベルから社員の理解を促すこと、内部統制の目的や方針を明確にし全社員に徹底すること、内部統制強化のための業務改善や課題解決に関して担当者間でオープンに議論することなどが大切です。 また、コンプライアンスは持続させなければ意味がありません。持続させることで企業価値を継続的に向上させることができるからです。したがって、プロジェクトの初期段階だけでなく、定期的なコンプライアンス教育の実施など、動機づけのための活動を継続的に行うことが必要です。 4. 適材適所と専門家によるサポート 各組織の適切な人材をプロジェクトに関与させ、それぞれに役割を割り当てます。役割を一部の人だけに集中させないことです。また、多少コストがかかっても、外部監査人などから情報を入手し定期的な意見交換を実施するなど、コンプライアンス問題に対して感度の高い外部の専門家によるサポートが重要です。 5. パイロットプロジェクトの実施 特定のプロセスでのパイロットを実施することで多くのことを学ぶことができます。本番前に十分なリードタイムを確保することで、パイロットプロジェクトを通じた改善策の検討や方針の転換などを行う余裕も生まれます。 6. 内部統制/リスクマネジメント/行動規範は三位一体 内部統制と、内部統制に伴うリスクマネジメント、行動規範(倫理規程)の3つを総合的に運用していくことにより、新たな法規制へのスムーズな対応が実現できます。
※SAPの内部統制に関するソリューションの詳細は第5回目以降にご紹介する予定です。
◆企業価値と成長を支える 強固な基盤づくり TOPページ 3-1 コンプライアンスプロジェクトを始動する 3-2 SAPが考える「倫理とコンプライアンス」
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