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課題から探る導入事例:オイレス工業株式会社

連結会計をきっかけに、グループ全体で経営資源の最適化を実現

オイレス工業株式会社は、創業50周年を契機に企業構造改革に取り組み、グループ企業全体でERPシステムを導入。グループ内の経営資源の一元管理という大きな成果を収めています。

会社概要
事業内容軸受機器、構造機器、建築機器の製造・販売
創業1939年(昭和14年)
資本金85億8500万円
年商489億円(連結) 2005年/3月期
社員数1028名

状況をリアルタイムに把握し、瞬時に判断できる仕組みづくり


オイレス工業は、内外の関係会社16社で構成されるオイレスグループの中核会社で、オイルレスベアリングを主とする自動車・産業機器部品、ならびに免振・制振装置や建築機器の専門メーカーです。1976年の米国法人設立を皮切りに、台湾、中国、タイ、チェコ、カナダと積極的な海外展開を推進。「創意工夫」、「全員がエキスパート」、「社会との協調」などを経営理念に、品質保証の国際規格ISO9000sを全工場で、また、環境管理の国際規格 ISO14001を4事業所で取得しています。

生産の国際化と並行して、市場の要求に応える形での多品種少量化が進み、事業のあらゆるシーンで最新かつ正確なデータが求められるようになってきました。しかし、従来の基幹系システムでは対応が困難で、システム刷新が急務となっていました。さらに、環境の変化に即応するために、業務システムの改善も必要になっていたのです。

グループの経営資源の有効活用のために経営資源を一元管理

“設立50周年”という節目でもあり、連結会計への対応が求められていたこともあって、オイレス工業で外部コンサルタントを加えた業務改善プロジェクトを発足させ、さまざまな角度から検討を進めました。その結果、グループ全体を視野に入れ一通方式(一気通貫方式)を目指したERPシステム導入を決定。導入にあたって、グループの経営資源を有効活用することによる全体最適化が、目標として掲げられました。関連会社を調整し、グループ内の人材を含む経営資源の一元管理を目指したのです。その結果、業務処理手順の共通化によって、グループ内社員をいつどこに配置転換しても即戦力として使える環境が整い、グループの総合力は増強されました。

導入の経緯(問題の所在と経営課題)

経営環境の変化に即応でき、グループ全体としての収益力を増大させていくためには、基幹系システムを刷新して全体最適化を追求していく必要があった。

問題点
  • 国際化や多品種少量化という環境変化に従来システムでは対応が困難
  • 収益力を増大し、競争力を強化するためには、グループ全体の見直しが必要
  • グループ内企業のレベルが違い、業務処理手順も共通化されていない
  • 既成概念を払拭しないと、変化に即応できる新しい発想が育たない
課題
  • 基幹系システムを刷新し、グループ全体の経営資源を一元管理
  • グループ全体の予算策定、原価管理、連結決算の整備と早期化
  • 全体最適化を促進し、環境の激変への柔軟な対応を目指す
  • グループ内企業のレベルを調整し、業務処理手順を共通化する

ERPシステムの導入に当たってオイレス工業が最も重視したのは、システムの柔軟性でした。SAP R/3のパラメーター設定でシステムが構築できるという機能は、環境の変化に柔軟に即応できるという点で高く評価されました。

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大規模な変革も、短期間、低コストで実現

SAP R/3導入に当たってオイレス工業がとった手法は、大規模かつ大胆なものでした。それにもかかわらず、きわめてスムーズに、しかも短期間、低コストで導入に成功しています。グループ全体を最適化し、競争力を強化するという明確な導入目的を定めたことが成功に結び付いたのです。

導入手法と導入範囲
導入手法
  • 短期間、低コストでの導入を目的に全モジュールを一括導入
  • 導入リスクを回避し効率を優先するために、本社を含むグループ内各社の位置づけとは無関係に業態別に区分、順次導入を推進
  • テンプレートを徹底活用することで、上流工程における適合性分析に要する時間を短縮。短期導入とコスト削減を実現
  • 短期導入とコストの抑制のため、既存システムとの並行ランを避け、R/3本稼働と同時に基幹系システムを全面移行
導入状況
  • 導入拠点:本社、5工場、39営業所、国内子会社5社
  • 導入期間:1社当たりの平均導入期間は12カ月(会社毎に全モジュールを括導入)
  • 導入範囲:財務会計、管理会計、連結会計、販売管理、生産管理、在庫・購買管理、プロジェクト管理、人事管理

試験的に一部の事業所でERPパッケージを導入する事例もたくさんありますが、オイレス工業のケースは、全事業所に短期間で導入。これにより、グループ内全社の経営資源の状態をリアルタイムに把握でき、問題の所在や原価、在庫などがひと目で分かるようになるという画期的な成果を得ることができました。

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ERPパッケージ導入成功の要因とは

オイレス工業の導入手法の特徴は、期間とコストを抑え、同時にリスクも回避するという前提に立って進めた点にありました。関係会社への導入を含めて、本社情報システム部の担当チームがすべての作業を行ったことで、導入のための増員なども回避でき、似たような打ち合わせを繰り返すといった無駄も省くことができました。

また、SAP R/3が備えている機能をなるべくそのまま使う方針であったため、開発コストが抑えられただけでなく、将来の環境変化に対してパラメーターの変更だけで即応できるという柔軟性を維持することができたのです。

SAP R/3 を選択した理由
  • パラメーター設定によるシステム構築機能が、環境変化への柔軟な対応を保証
  • ERPソフトウェア業界でNo.1の導入実績を持ち、グローバルなサポート体制が充実している

SAP R/3導入による定性効果


定性効果
  • リアルタイム経営のインフラ整備による経営の柔軟性の向上
    →グループ内全社の経営資源データが瞬時に把握できる
  • 業務プロセスの標準化、ルール化による業務手順の効率化
    →業務処理手順が共通化されたことによる大幅な効率アップ
  • 以前は不可能であったグループ会社間での人事異動を実現
    →グループ内各社のレベルが調整され、業務処理手順も共通化されたことで、必要なところへ人材をいつでも配転させて即戦力とすることが可能になった
  • 変化への適応力向上と問題意識の向上
    →過去や既存業務にとらわれない新しい発想で変化へ即応

オイレス工業がERPシステム導入に踏み切るきっかけとなった連結会計ですが、SAP R/3の稼働によって事業領域別連結決算処理を従来よりも7日間短縮できました。オイレス工業は連結会計を検討していく中で、グループ内一通経営の必要性を感じ、ERPシステムをグループ内全社で導入。併せて全社的なレベル調整と業務処理手順の共通化を行い、結果的に連結経営資源の最適化とグループ収益力の最大化にまで発展させています。

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