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明治初年創業の株式会社マルハチ村松は、先代の四代目社長から現社長への引継ぎを契機にSAP R/3を導入。それまでの勘と経験に基づいた経営を劇的に変革し、さらなる飛躍の可能性を広げています。
マルハチ村松は、鰹を主とする業務用ダシの専門メーカーとして業界でもトップクラスにランクされていますが、一般消費者向け、病院向けなど次々と新商品投入を続け、最近ではバイオ素材分野にも力を入れています。いずれも目まぐるしく変化し続ける市場だけに、生産計画、製品在庫や原材料、研究開発費などの調整管理は欠かせません。同時に、賞味期限の厳格な管理や、トレーサビリティの実現なども、最近の食品業界にあっては大きな課題となっています。
老舗企業の例に漏れず、マルハチ村松はカリスマ経営者によるワンマンコントロール体制を維持してきました。すべての案件をトップに上げて判断を仰ぐという形ですが、経営者の負担が大きい上に、部門担当や中間管理職が指示待ちになってしまい、士気の低下やタイムロスといった問題が目立っていました。現経営者はこれを改め、組織経営への転換を図るためにERPパッケージ導入を決めたのです。
市場は刻々と変化しています。欠品を出さず、不良在庫も出さないという経営を志向するためには、常に迅速的確な判断が求められますが、そのためには最新の正確なデータが不可欠です。そしてそれ以前に、判断すべき問題が常に顕在化して示されていなければなりません。
伝統的なバッチ処理では、個別の基幹系データがすべて揃ってから部門間の調整に入ることになりますが、それでは市場の変化に追いつくことはできません。もちろん社員数十名の規模であれば、社員相互のコミュニケーションで対処できるのですが、数百名の規模になると会社全体の動きは数値で捉える以外にありません。先代社長は40数年に渡るキャリアに裏付けられた勘と経験で大過なく経営を維持してきましたが、事業を継承した現社長は「会社の状況がリアルタイムに見えるようでなければ経営はできない」と考え、“事実に基づいた組織的経営”への転換に踏み切ったのです。
先代社長は40数年に渡るキャリアに裏付けられた勘と経験で大過なく経営を維持してきましたが、事業を継承した現社長は「会社の状況がリアルタイムに見えるようでなければ経営はできない」と考え、“事実に基づいた組織的経営”への転換に踏み切ったのです。
先代社長からの事業継承に伴い、“勘と経験に基づいた経営”から“数値に基づいた組織経営”への転換で、さらなる飛躍を目指した。
SAP R/3では、経営に関わるすべてのアクションの裏で会計伝票が常に更新され、関係する基幹系データが連動して更新されます。ある部門が最新データを入力すれば、すべての関係部門のデータが更新されるのです。したがって、問題が生じればすぐに分かり、現場で対処可能か、上司の判断を仰ぐべきかもすぐに分かります。
マルハチ村松はERPパッケージの導入と並行してBPR(ビジネス プロセスリエンジニアリング)を実施しました。各種社内規定の整備と各部門や現場への権限委譲、そして伝票や帳票類の見直しです。これによって、組織の自立機能を高め、迅速的確な処理と問題解決を実現しています。
廃棄処分品の減少といった定量効果に加えて、正確なデータの共有による部門間のコミュニケーション向上や、トレーサビリティの確立による顧客信頼度アップなどの定性効果も実現できました。
とくにトレーサビリティについては、SAP R/3のトレース機能と文書管理機能を活用し、100を超える原材料納入業者が直接Web画面から個々の原材料の履歴を書き込むことができるようなシステムを開発。あらゆる商品の履歴参照を可能にしています。また、売掛金の消しこみも自動化し、処理時間を従来の10%程度にまで短縮しています。
すでにERPパッケージ導入に踏み切りながらも、成果を出せずにいる企業もある中で、マルハチ村松はSAP R/3の導入によって大きな成果を上げています。その要因は、「厳しい競争に勝ち残り、さらなる成長を続けるにはERPパッケージ導入による経営改革以外にない」とするトップの決断と、導入に際しての組織改革を含む強力なリーダーシップ、そして優れたコンサルタントの選択という3点でした。
コンピュータシステムに限らず、あらゆるプロジェクトが成功を収めるためには、目的が明確であること、強力なリーダーシップとはっきりした役割分担、第三者の視点を持った外部コンサルタントの意見が不可欠です。マルハチ村松の事例は、これらすべてをきちんと網羅し、結果として大きな成功に結びつけています。
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