課題から探る導入事例:株式会社ジーシー
ERP導入で情報システムを強化し、経営判断を迅速化
株式会社 ジーシーは、市場の変化に迅速に対応できるスピード経営とコストの削減を目標に掲げ、ERPシステムを導入しました。
同時に徹底したエンドユーザー教育を実施し、各業務部門が主体となって情報システムを活用する気運を盛り上げ、企業力の向上に大きな成果を上げました。
| 会社概要 |
| 事業内容 | 歯科材料・歯科機械の設計・製造・販売 |
| 創業 | 1921年(大正10年) |
| 資本金 | 7億4480万円 |
| 年商 | 405億円(単独) 2004年/9月期 |
| 社員数 | 700名 |
市場変化のスピードに対応できる体制作り!
ジーシーは、歯科材料および関連機械器具の設計、製造、販売を行う会社で、「1. 口腔保健の向上を通じ、地球社会に貢献する」「2. 企業品質の向上を図り、お客様の信頼にお応えする」「3. 敬愛に満ち、明るく活力にあふれた“なかま集団”を形成する」という経営理念のもとで、製品の品質を重視したグローバル経営を展開しています。
歯科業界においても、市場変化の速さが増し続けていることから、情報システム部門が主導する従来の基幹系システムでは対応することが難しくなってきました。ジーシーでは、市場の変化にすばやく対応できる体制作りと、大幅なコストの削減が急務となっていたのです。
迅速な経営判断を実現するために情報システムを再構築
技術革新や新素材開発のスピードは、歯科医療の世界でも加速しています。ジーシーでは、そうした市場の変化にいち早く対応できるようにと、情報システムの再構築に着手しました。従来、情報システム部門が専門的に構築管理を担当していた基幹系システムを、各業務部門のユーザーに近づけ、個々の部門ユーザーが常に最新かつ正確な情報に接することができるようにしようという決断です。
ジーシーは、全社に20台あったオフコンを撤去しERPシステムにリプレースすることで、スピード経営という課題を達成しようと取り組みました。最新かつ正確な情報が提供されれば、意思決定が早まると同時に在庫も削減でき、大幅に減らせるはずと考えたのです。その期待は的中し、ジーシーは、生産サイクルの短縮と経営判断の迅速化を実現することに成功しました。
| 導入の経緯(問題の所在と経営課題) |
|
市場の変化へのすばやい対応を可能にするために、最新かつ正確な情報に全部門が接することができるような情報システムを再構築する。
問題点
- 週単位の生産計画を組み、短サイクルの生産計画で市場動向を反映し在庫を半減させる
- 誤出荷や棚卸しミスを払拭し、欠品率を縮小する
- トレーサビリティ機能によって、速やかに原料から中間製品、販売先まで把握できるようにする
- 子会社を含めた業務の標準化
- 月次連結決算の短縮で経営の判断を早める
|
ジーシーが情報システムの再構築を決断したきっかけは、販売管理システムが古くなり改善の必要性が生じていたことでした。しかし同社は、生産、在庫、経理などの基幹系システムを同時に入れ替え、経営データの一元管理を可能にすべきだと考え、ERPシステムの導入に踏み切りました。
このページの先頭へ
入念な環境整備とユーザー主導で導入に成功
ジーシーはSAP R/3導入に際し、社内業務処理との適合のために3回にわたり検証プロトタイプの構築し、検証と評価を実施しています。また、情報システム部門にすべてを任せるという従来の姿勢を改め、各業務部門から選出したユーザーを教育し、導入プロジェクトに参加させています。こうした入念な環境整備によって、導入の成功と新システムへのスムーズな移行を実現しました。
| 導入手法と導入範囲 |
導入手法
- 社内業務との適合を確実に行うため、3回の検証プロトタイプの評価を実施
- 導入目的と操作を理解してもらうため、早い時期からエンドユーザー教育を開始
- 各業務部門から選出したメンバーへの教育を徹底し、パワーユーザーを養成
- 導入パートナーは非常駐。各業務部門から選出されたパワーユーザーによるプロジェクトチーム主導で導入を推進
導入状況
- 導入拠点:本社、2子会社、1工場
- 導入期間:1年6カ月
- 導入範囲:財務会計、管理会計、販売管理、生産管理、在庫・購買管理
|
各業務部門から選出されたプロジェクトチーム主導で導入を推進したことにより、ジーシーのERPシステムはユーザー本位のものとなり、新システムへのスムーズな移行にも成功しています。業務処理を一番よく知っている現場ユーザーの要望をシステム開発に反映させるという手法は、多くの企業で採用されてきました。しかし、従来のシステムと異なり、ERPシステムでは個々の部門の枠を超えた経営情報の共有が目的となるため、部門ユーザー間での調整が不可欠となります。ジーシーでは、部門ユーザーから選出されたパワーユーザーがプロジェクトをリードしたことで、最終的に全体最適化にも成功しています。
このページの先頭へ
ERPパッケージ導入成功の要因とは
ERPシステムの導入に成功するためには、導入目的の直視と社内業務処理の共通化が必要です。ジーシーは、それらに加えて、社内環境を入念に整備し、1年半という十分な時間をかけることで大きな成果を得ることができました。各業務部門から選出されたエンドユーザー主体のプロジェクトチームによる導入推進と、3回におよぶ検証プロトタイプの評価の実施といった導入手法が実を結んだのです。ERPシステムの導入に当たってSAP R/3を選択したのは、医療業界で多くの稼働実績があること、世界的に普及しているため海外を含めたグループ企業内で共通使用が可能であることを評価した結果で、最大の目標であった経営判断の迅速化と在庫の削減を主とする、数多くの成果を得ています。
| SAP R/3 を選択した理由 |
- ERP業界でのNo.1の導入実績
- ERPのグローバルスタンダード(海外子会社への展開を想定して)
- サポート体制の充実
|
SAP R/3導入による定性効果
| 定性効果 |
- 業務管理レベルの向上
→トレーサビリティ管理のシステムにより、原料から中間製品、販売先まで速やかに把握可能。品質管理面での安心感が向上
- 企業・機構改革への対応力・柔軟性の向上
→生産計画作成が月次単位から週次単位に短縮。市場に即応し、フレッシュ度の高い製品を供給
- 情報の透明性向上
→経費の内訳を社員や使途、日付に至るまでブレークダウンして把握できるようになり、経費の透明性が向上
- 品質管理で高い評価
→デミング賞実施賞審査に際して、データ整備、管理の仕組みの説明に効果を実感 →日本品質管理賞に際しても、SAP R/3の活用が受賞につながった
|
ERPによる基幹系システム再構築によって、ジーシーは生産計画や在庫管理、品質管理などの面で大きな成果を収め、取引先からの信頼度も高くなりました。こうした成果は、デミング賞実施賞/日本品質管理賞の受賞に象徴されるように、社外からの評価の向上にもつながっています。
このページの先頭へ
課題から見た導入事例 TOPへ